公共政策研究
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1 巻
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巻頭言
特集のねらい
特集 21世紀における公共政策の課題と構想
  • 今井 照
    2001 年 1 巻 p. 6-23
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    1993年から2000年までの分権改革は,地方自治制度における大きな変化であるにもかかわらず,表面的にはドラスティックな転換が起きていないと受けとめられている。しかし,分権改革のインパクトはそれぞれの局面で確実に現れており,自治体の政策過程を少しずつ変え始めている。本稿は自治体の政策過程における政策主体間の関係に注目しながら,分権改革以降に起きたいくつかの事例を分析し,そこにおける葛藤が自治体の政策過程を変える技術としてさまざまに活用され,分権改革の実質化に資することを目的としている。

  • 植草 一秀
    2001 年 1 巻 p. 24-38
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    バブル崩壊後,10年以上の歳月が経過しているが,日本経済は未だに停滞を抜け出せていない。しかも財政赤字は膨張し,不良債権問題は巨額の損失処理の実行にもかかわらず依然として拡大している。

    日本経済長期低迷の原因は,政策当局が典型的な「ストップ・アンド・ゴー」政策を繰り返してきたことにある。92年,94年,95年,98年にとられた大型の景気支援の経済政策は,いずれも株価の急反発と景気の明瞭な改善の効果を発揮している。日本経済の改善が続かず,株価急落と景気再悪化を生じさせてきた理由は,政策当局が時機尚早に景気抑圧型の財政政策,あるいは金融政策を発動してきたためである。

    94年は時機尚早の金融引締めへの動きが事態悪化の契機になった。96年は大型増税の決定で,景気拡大軌道が崩壊した。2000年は森政権のもとで,財政・金融政策が足並みを揃えて緊縮政策を採用し,株価下落と景気悪化を招来した。

    日本経済を再浮上させるためには,この「ストップ・アンド・ゴー」の政策を是正することが必要である。ところが,一般世論は景気支援型の政策発動そのものが,日本経済長期低迷の原因だと論じている。経済学界を含めた言論空間が未成熟であり,正当な論議が十分に提示されず,またメディアも現実を批判的に分析する正当な批評家精神を失っている。日本再浮上のためには,日本の言論空間の質を高めることが必要である。

  • 加茂 利男
    2001 年 1 巻 p. 39-53
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    1990年代の政治改革が功を奏さず,政治が経済・財政危機に対する有効な対応をなしえずに漂流を統けているなかで,21世紀の開幕とともに再び政治改革が日本の課題としてクローズアップされている。とくに今日の政治改革論議では,政党政治の機能不全に対する不信を背景に人民投票的な制度への志向が高まり,議院内閣制という憲法的な統治原理の変更さえ議論されはじめていることが注目される。

    21世紀の政治改革を拷えるばあい,まず90年代改革の「失敗」をふまえた政治改革理論の再検討が必要であろう。政治改革の先行諸理論を改めて検討してみると,制度の機能に関する考察と政治社会の歴史的条件についての考察が慎重に組み合わされていたことが再発見できる。こうした「政治改革論の方法」に立って21世紀の政治改革を考えてみたとき,日本の政治改革では政治社会の分析や改革が軽視され,制度の改革に過大な期待をかける傾向が強く,先進国中最大規模の制度改革が行われているにもかかわらずその改革が空転している点に特徴があるように思われる。

    「首相公選制」をはじめとする21世紀の政治改革論にもこうした傾向がみられるが,このような改革が成功するかどうかは疑問である。政治社会レベルからの「ボトムアップ」型改革がより重視されてよい。

  • 木村 陽子
    2001 年 1 巻 p. 54-65
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    世紀の変わり目にあたる1990年代以降,先進諸国の社会保障制度にはいくつかの構造改革が見られる。70年代以降のそれまでの社会保障制度改革が収入を確保し,支出を抑制するといういわば制度のチューニイングであったのにたいし,構造改革は制度のよってたつ原理原則を変えるという大きな改革である。

    高齢化と経済状況の2つに対応でき,維持可能な社会保障制度を構築するという大きな課題に応えると同時に,制度の無駄を省き,より効率的で,消費者の満足度をより高め,保険者などの当事者の自己努力をより刺激するものでなければならないという,いくつかの要望に応えるためには,構造改革が必要なのである。

    本稿では,次の3つの構造改革とその背景を分析する。第1は,1999年より実施された,保険原理と所得再分配原理の分離を行ったスウェーデンの公的年金制度の改革であり,第2は,1993年に実施された保険者間に競争と当事者能力の向上を意図したドイツ疾病保険のリスク構造調整であり,第3は,イギリスのソーシャル・サービスの質を確保するために,2002年のケア・スタンダード法施行を前にして過渡期にある監査体制と苦情処理制度である。イギリスの改革は,ブレア政権下の第3の道路線上にあり,ニュー・パブリック・マネジメントの一環である行政評価や消費者志向の公共サービスが重視されている

  • 田中 紀夫
    2001 年 1 巻 p. 66-76
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    21世紀のエネルギーを巡る公共政策は,(A)地球温暖化,(B)化石資源の枯渇,の2つの対第を中心に展開される。新世紀の科学技術は加速度的に高度化し,人間との関わり方が根本的に間われるので,人類誕生以来のエネルギーとの関わりを整理したうえでエネルギー政絞を溝じることが求められる。(1)50万年前,人類は森林伐採と引き替えに薪炭エネルギーという「火」を手にした。強力なエネルギーと明かりを獲得して食物連鎖の頂点に立ち,他の動物と道を分かった。第1次エネルギー革命だった。(2)18世紀後半,「石炭と蒸気のエネルギーを結びつける」ことに成功した。森林衰退を食い止め,人カエネルギーによる家内作菓を機械エネルギーによる工場作業に転換し,農村社会を企巣社会に変貌させた,第2次エネルギー革命だった。(3)18世紀末,電気の実用化に成功し,身近なコンセントで明かりと動力を手にした。電気に石油が加わって自動車・航空機が普及し,「電気と石油の相乗効果」で医療機器,パソコン,視覚ゲームなど電化製品が普及した。第3次エネルギー革命だった。とくに第3次エネルギー革命以降,文明を支えるエネルギーが過大になったため,人類の自然環境への感覚は鈍麻し,若者の行動様式から変容し始めている。上記(A)と(B)は,現代エネルギー飽食文明への警告で,新世紀はエネルギー制約を大前提にしたエネルギー公共政策を樹立し,これを敢行してゆくことが求められる。

  • 長尾 悟
    2001 年 1 巻 p. 77-93
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    現在,国際政治の分析に政策決定アプローチは重要な視角の一つになっている。しかし政策決定分析モデルの乱立によって,研究者たちの見解は,混沌としている「印象」ということで一致している。本稿は,その混沌とした状況を整理するため,二つの作業を通じて外交政策決定の分析モデルと現実の対応関係を明らかにする試案を提起する。

    第1の作業は,既存の外交政策決定分析モデルの特質(モデルの機能から分析範囲,説明能力)を明らかにすることである。検討するモデルは,既存の研究から得られる五つのモデル(最終的には変種も加えて八つ)1)政府間政治モデル,2)組織側政治モデル,3)政府内政治モデル,4)国内政治モデルおよび5)トランスナショナル,ポリティクス・モデルである。第2の作業は,当該外交問題の発生によって規定される政策決定者をめぐる環境に関連した性質,問題解決のための手段と目標に関連した性質および問題解決の結果としての効果に関連する性質を抽出し,それらの性質が認められる外交問題の分析に,作業Iで検討した各モデルのいずれが妥当するのか探っていく。

    これらの作業で得られたデータが,日本の外交政策を研究する際に,適切な外交政策決定過程分析モデルはどれかを確定する方法として参考になるであろう。

  • 藤原 静雄
    2001 年 1 巻 p. 94-107
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    高度情報通信社会は個人情報の重要性が増す社会であるともいえる。そこで,民間部門に核となる個人情報保護法を欠くわが国では,公民を包括する個人情報保護の新たな枠組みが必要となる。法制化は,保護を欠くままで進んでいる個人情報の利用に対する社会の不安を除去し,経済及び国際社会の要請にも応えるものである。このような観点から,諸外国の法制も参考にしつつ,個人情報の保護に関する法律案(2001年3月国会提出)が策定された。

    この法律案は,国のすべての者,機関等に適用される基本原則を定めた部分(いわばモラルを求める基本法的部分)と,一定規模以上の個人情報データベース等を保有する民間事業者(個人情報取扱事業者という,ただしメデイアは適用除外)を規制する一般法的部分から成り立っている。法の目的は,現代社会における個人情報の有用性にも配慮しつつ,個人の人格権の保護を図ることにある。某本原則では, OECD8原則以来の個人情報保護法制における国際的な準則が5つの原則に整理され,民間事業者に対しては,これがさらに具体的かつ詳細な義務規定とされている。もっとも,民間部門に対する規律は,紛争の処理を含めて,あくまで民間部門の自主性を尊厘した枠組みとなっている。なお,この法律案の中で,現存の公的部門における個人情報保護法の改正が明言されている。

  • 増島 俊之
    2001 年 1 巻 p. 108-126
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    2001年1月6日,再編成された新しい省庁が発足した。省庁半減といわれた抜本的な中央省庁笠の改革は,かって橋本龍太郎内閣によって1996年10月の総選挙において公約された。この改革案は選挙後直ちに設置された内閣総理大臣自ら座長とする行政改革会議において検討され,1997年12月に最終報告が提出されたーこの最終報告の内容を実現するために中央省庁等改革基本法案が1998年に国会に提出され,成立を見た。この中央省庁等改革基本法を踏まえ,橋本政権を引き継いだ小渕恵三政権は,各省庁等設置法等に着手し,最終報店に盛り込まれた要法律改正事項の立法化に成功したした。これらの改革事項は,次々と21世紀初頭に施行される。

    本稿は,この中央省庁等改沖.(以下「橋本・小渕行革」と略称。)が,20世紀後半50年における行政改革の努力の中でどのような位骰付けを持つかを明らかにするとともに,それは21世紀におけるどのような行政改革の展望につながっていくかについて考察する。そこで,本稿は,21世紀後半50年間において,それぞれのときの政枠が取り組んだ行政改革の進展を辿り,行政改革の改革目標,改革事項,改革手法,改吊の成呆,その重点の変遷を述べることとする。特に,1981年に鈴木善幸内閣の下て発足した第2次臨時行政調査会の答申を土台とするいわゆる臨調行革は,国鉄・電電等三公社の民営化をはじめ多くの成果を挙げたものであるか,その臨調行革との対比で橋本・小渕行革はどのような特色を持つかを明らかにする。最後に,行政改革に関する国会審議などを参考にしつつ,戦後50年の時期をとらえても画期的内容をもつ橋本・小渕行革がどのような問題点を抱え,かつそれらが21世紀におけるどのような行政改革の課題あるいは展望につながっていくかについて述べることとする。

論文
  • 宗前 清貞
    2001 年 1 巻 p. 127-140
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本稿では,政策評価が実際の政治過程でどのように機能するのかについて論じる。近年,注目を集めるようになった政策評価をめぐる議論は,どちらかと言えば規範的なガヴァナンス論として成立しているが,政策領域ごとの特質,言い換えると政策アリーナごとに異なっている政治の特徴は考慮に入れられていない。筆者はこうした立場をいったん離れ,政治過程という「紛争の調整と解決の場」で「評価」という機能がどのように働き得るかを考察する。また政策過程の前決定過程(アジェンダセッティング)において有意に行動できる条件が,広義の政策情報にあることに焦点を当て,政策評価が政策過程の各段階と連関したものであること,言い換えるとPlan-Do-Seeアプローチのように各段階が自律した上で経時フローする過杵の一環として存在するのではなく,各段階が濃密に関連したフラットな過程として政策過程を捕らえるべきことを検証したい。

  • 台 豊
    2001 年 1 巻 p. 141-151
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    都道府県の出捐による第三セクター型検診機関が抱える主要な課題としては,第一に,公的関与の下に運営される検診機関として受け持つべき業務範囲の検訛を欠いていること,第二に,公費への依存により不効率な経営をもたらしている可能件があること,の二点があげられる。

    本稿では,まず第一の課題に関し,公共経済学の視点から第ニセクター型検診機関の業務範囲に関する検証を加え,同機関が今後果たすべき役割として,新しい検診技術の普及先導,山間・へき地等におけるサービス供給の確保,外部経済効果の著しい検診の実施を提示する。さらに,価格が重視される検診市場においては,検診機関が精度管理のためのコストを回避する力向にインセンティブが働き,検診精度の向上が阻害されているという「市場の失敗」の存在を指摘し,高い精度を実現している第ニセクター型検診機関が,一定の条件下で,市場競争を通じ,域内検診機関の精度向上の牽引車として機能し得ることを指摘する。

    また,第二の課題に関し,第三セクター型検診機関の会計の方式や自治体の財政支援の方式に検証を加え,設置目的の明確化と事業の再編成,管理費・事業費に対する補助金支出の客観的な基準の設定など,運営の効率化方策を提案する。

  • 福井 秀樹
    2001 年 1 巻 p. 152-165
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    2000年2月1日の改正航空法施行により,日本の国内航空市場はほば完全に自由化された。だが,この自由化に対する評価はあまり芳しくない。それは,混雑空港における国内線発着枠配分規則を通じて裁量行政が実質的に維持されており,その結果,新規参入の促進や手続の客観性・透明性,更には競争を通じた利用者利便の向上といった点で十分な成果が得られていないためである。こうした現状を受け,発着枠配分規則の代替案として提起されているのが競争入札制である。競争入札制は,「競売」と「効率性入札」の二種に大別されるのだが,いずれも評価方式の限界を克服し得る発着枠配分方式として期待を寄せられている。もっとも,発着枠の競争入札制に関する先行研究の多くは,現行ないしその他の配分規則に対する競争入札制の利点を論証するにとどまっており,競争入札制に内在する限界やその具体化に伴う問題の分析,あるいは,入札手法の選択にあたり考慮されるべき条件の検討が十分に尽くされていないように思われる。本稿は,先行研究に認められるこうした空白の補完を試みた。その結果,滑走路容量の拡大が可能である場合には競売が望ましく,逆の場合には,個別具体的状況の下で,負の入札制等に補完された競売と効率性入札とのどちらがより望ましい結果をもたらし得るのかを比較検討する必要のある事が明らかにされた。

  • 古川 俊一
    2001 年 1 巻 p. 166-178
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本論文は,法学的な概念規定から,実定法における独立行政法人の制度化をまず明らかにし,次に行政改革戦略としての独立行政法人の評価を試みる。公務員制度,会計基準の特徴からの考察を行い,現在議論を呼んでいる国立大学の事例をとりあげる。

    もともと「独立行政法人」の用語は,行政法学上の概念である。英国のエージェンシーをモデルにしたものの,伝統的法学概念により制度設計された。行政の効率化をめざしたものの,職員の身分間題が議論を呼び,公務員の身分を有する法人が圧倒的多数ながら,公務員定員削減の対象外とする奇妙な結論となっている。かつ,会計基準をみても,公法人としての性格を強く打ちだし,「独立」の契機が弱いことが推察できる。国立大学も独立法人化が議論されている。最終的には,本来の独立行政法人とは別個の体系となるようである。最大の要員を抱える国立大学が特別扱いとなるのであれば,そもそも独立行政法人設立のもともとのねらいが達成できるか,疑問である。

    独立行政法人の制度設計は,マネジメント改革から組織改革と身分問題に関心が移り,「第2の特殊法人」となりかねない矛盾を抱えることになった。

研究ノート
  • 中野 雅至
    2001 年 1 巻 p. 179-197
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本論は「先導的自治体の影響力が他の地方自治体の政策立案にどの程度影響を与えているか」という政策波及に関する問いに対して,ケーススタディを用いて答えようというものである。この問いを扱う背景には,冷戦後の現代においてはかっての革新自治体のように先導的自治体の影響は直接的に及ぶのではなく,より複雑なものになると想定されるからである。本論においては,政策分野として地域特性が重視されるがゆえに水平的波及効果が強いと思われる地域情報化政策を,先導的自治体としては岡山情報ハイウェイを構築した岡山県を取り上げる。論の構成としては第一に地方自治体レベルでの情報政策の特性について分析を加え,第二に各都道府県の情報ハイウェイ構築について比較検討した上で,岡山情報ハイウェイが各都道府県の情報ハイウェイ構築にどのような影響力を及ぼしているのかを分析する。これらの分析から導かれる結論としては,①先導的自治体は確かに他の地方自治体に影響を及ばしているが,後発する地方自治体の側も先行事例を参考にしながら独自性を付け加えていること,②そのようなことから後発する地方自治体の政筑立案コストは決して低くはないというものである。

  • 堀 真奈美
    2001 年 1 巻 p. 198-212
    発行日: 2001/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    近年,医療過誤訴訟の増加,レセプト開示やカルテ開示の法制化の動きなど患者の権利意識の向上を背景として,医療サービスの質がこれまで以上に問われるようになっている。このような中,サービスの品質管理という観点からリスクマネジメントやEBM(科学的根拠に基づく医療)の推進に積極的な姿勢を示す医療機関も少しずつではあるが表れるようになっている。政第レベルでも,医療保険の財政悪化を背景として医療代抑制と両立する形で質確保・向上(良質な医療の効率的な提供)が求められている。実際,医療保検改革の審議においてもその重要性は認識されているが,「医療従事者の資質の向上を図る」や「情報提供の堆進」が漠然と唱えられるにすぎず,具休的な議論には発展していない。また,そもそも医療サービスの質が何を示しているのか,そしてどのように評価するのかに対する合意が得られていない。

    そこで,本研究は,医療サービスの質およびその評価方法の整理分類をするともに,その間題を考える上で有用な考察フレームワークの提供を第一の目的とする。さらに,医療サーヒスの質の評価システムを積極的に導入している米国の現状動向の分析を通じて第三者評価の利点・課題を検討する。

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