公共政策研究
Online ISSN : 2434-5180
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2 巻
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巻頭言
会長(2001~ 2002)基調講演
特集 政策評価のフロンティア
  • 古川 俊一
    2002 年 2 巻 p. 12-25
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    評価理論は,必ずしも独立した学問体系をもたず。むしろ実務に影響されてきた。評価は「言語的磁石」として,包括的な概念たりうるが,(狭義の)評価(evaluation),測定(measurement),分析(analysis)の3つのレジームに分けることができる。これらは,科学的・合理的な意思決定に資するという意味では共通なものがあり,相互に影曹しあって,歴史的に独自の発展をみせてきた。監査,監察,検在は伝統的にアカウンタビリティを確保するためのメカニズムであるが,近年,以上3つのレジームに影響されてきている。特に,測定レジームは,新公共管理法(NPM)との親近性をてこに伝統的な経営手法にととけこむ形で台頭し,その外延は,行政統制の手段としての監査制度にも及んできた。いずれのレジームを選択するにせよ,民主性の契機をどう包摂していくかという課題がある。

  • 山本 清
    2002 年 2 巻 p. 26-39
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    政策評価は政策のマネジメントサイクルに組み入れられようとしており,ニュパブリック・マネジメント(NPM)に甚づく経営改革と一体化しようとする。しかしながら,NPMは政治・行政と国民の関係の見匝しを求める。社会問題の解決を行う主体は政府・行政(ガバメント)でなく,市場原理の活用の他,国民や企業を巻き込んだガバナンスによるからである。ガバナンス関係においては,アカウンタビリティはガバメントにおける階統的かつ線形的連鎖構造と異なり,複雑かつ相互依存になり,評価や監在職能のアプローチも見匝しが迫られる。

    そこで,本稿では,NPMにおける評価の位置づけを明らかにし,評価の財務管狸的側面と業籟管理的側面の2つの流れのなかで,前者の評価の一形態である監査がどのような発展を遂げ,後者の評価やNPMとどのように対応しているかを諸外国の会計検脊機関の動向を踏まえて考察する。そして,わが国の評価制度とガバナンスおよび政府監査の係わり合いのあり方と課題について述べ,最後に政策提言を行う。

  • 堀江 正弘
    2002 年 2 巻 p. 40-54
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    中央省庁等改革の一環として国のレベルであらゆる行政分野を対象とする政策評価制度が導人され,平成13年(2001年)1月からは政府のガイドラインにより,平成14年(2002年)4月からは新しく制定された政策の評価に関する法律に基づいて実施されている。

    政策評価は,効率的で質の高い行政及び成果重視の行政の推進,国民に対する行政の説明責任の徹底等を図るため,各行政機関及び総務省により,事業評価,実績評価,総合評価等の方式で実施される。政策評価の客観的かつ厳格な実施を確保するため,計画から評価結果の公表,さらに,政策への反映までの政策評価活動の各段階について広範にわたる梢報が公表される。

    政策評価制度は,わが国の行政の在り方を大きく変える可能性を打するものであるが,定着するまでにはそれなりの時間と経験の積み重ねが必要である。そのためには,評価関係人材の育成・確保,評価手法等の調査,研究,開発,普及,データの幣備等による有用な評価の実施,評価結果の活用促進等に取り組むとともに,初めから高度かつ厳密な評価方法の画一的な適川を求めるより,簡易な評価方法であっても,その有用件が認められているものがあればこれを適用し,定着させ,知見を蓄積して手法の高度化を図ることによって評価の質を贔めていくという取組みが重要である。

  • 梅田 次郎
    2002 年 2 巻 p. 55-69
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    三重県の事務事業評価システムは,禅入当初から,その狙いが職員の意識改革と政策形成能力の向上であることを明確にしていた。自治体職員の意識構造は,長い間の中央集権システムの中で形成されてきたものであり,分権型社会への移行に対応するためには,その固定化している意識構造の改革から手をつけない限り,いかなる制疫改正等を行っても現実的には改革が進まないという考えに甚づいている。

    三重県庁では,1995年からの取組みによって職員の意識改革が一定の程度ではあるが進み,組織運用実態が変革してきている。それは議会連営,労働組合運営にまで及びつつある。

    この改革モデルは,ガバナンス議論において「伝統的経営」から「企業的経営」といわれるものへのシフトであるが,その「企業的経営」を最終的なものとしているわけではなく,「ネットワーク型経営」を目指す過程における戦略的な経過点である。

  • 上山 信一
    2002 年 2 巻 p. 70-81
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    行政評価は,古色蒼然とした公共経営の分野に「科学革命」をもたらす画期的なイノベーションである。それは,政府の経営を19世紀以来の管理統制型から人間中心主義の自由閥逹な営みへと変えていく。なぜなら,行政評価は行政の活動と成果を客観数値化し,さらに経営管理名と現場部門の間に契約関係を確立する。さらにそれを拠り所に,現場部門に意思決定の権限委譲と自律的な業務運営を委ねる。その結果,現場部門は不断の切磋琢陪を促され,イノベーションを産み出す。さらに現場部門からの業績情報のフィードバックは,経営管坪者が戦略的な資源配分を行う材料となる。行政評価はこれらのメカニズムをフル回転させ,行政経営の生庁性と透明性を飛躍的に高めるのである。

    ところがわが国の自治体の多くは,このような行政評価の本質を洞察していない。特に,組織内への契約原理の導入や現場への権限委譲の重要性を見落としている。その結果,単に従来利の予算査定や総合計画のプロセスを計量化するだけに留まっている。しかも,多くの場合,行政評価は管理部門による現場統制の強化の手段として使われる。その場合,PDS(プラン—ドゥ—シー)のサイクルを目指すという宜言は精神訓示でしかない。

    行政評価の本質は,19世紀型の宜僚統制型組織を前提としては理解できない。研究者も実務家も21世紀のオープンネットワーク型組織を見据え,れ政評価の前向きな意義を再詔識すべきである。

  • 山谷 清志
    2002 年 2 巻 p. 82-95
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    政策評価は政策技術の合理性と民意の合理性(デモクラシー)の両方を反映していなければうまくゆかない。この両方の合理性に配瑚するNPOは,「政府の失敗」を市場化によって克服しようとする戦略ではなく,社会のネットワークやパートナーシップの連帯を強めることで克服しようとする志向をもつ。したがって,NPOが関わる政策評価は,これまでの政策評価論議では弱かったデモクラシーと政策評価の関わりの議論が必要になる。そこでは特に直接民主主義と関連する政策評価の可能性が議論されなければならない。もっとも,この参加型評価の議論は,政策評価それ自体がまだ洗錬の途上にあること,NPOがいまだに発展途上にあることによって制約される。しかし,政策評価は「デモクラシーの‘literacy skills’」として意識されており,NPOはそうしたスキルの普及,啓蒙の役割をになうはずである。

論文
  • 大住 荘四郎
    2002 年 2 巻 p. 96-111
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    NPM論は,学説的には伝統的な政策科学と公共政策分野における「評価論」を継承しており,単なる「ビジネス・モデル」の公共部門への適用にとどまるものではない。しかしながら,「ビジネス・モデル」の適用そのものが,公共部門のシステム改革に革命をもたらした。第1の政策科学との関連では,PPBSの核心にあった「経済的な合理性」から「政治的な合理性」を意思決定プロセスの核心に置く。同時に,公共部門の内部管理でも戦略経営プロセスを確保することで,ビジョンと政策目標の共有を図り「目標管理」の組織内部への動機づけをも意図する。第2の「評価論」との関連では,「実用的評価論」の台頭は,評価の視点からの「パフォーマンス・メジャーメント」の活用の途を開いた。

    NPM論の核心は「目標管理型システム」の導入にあり.「目標管理」とは.「ビジョン・目標」を実現するためのシステムである。NPMを主導した諸国では.「ビジョン・政策目標」は.本来「政治」がその役割を担ってきた。いわゆる「政治主導」の仕組みである。しかしながら,多くの諸国・政府では必ずしも「政治主導」の仕組みは十分機能していない。これは第1に,2大政党制をとる諸国においても対立する政党間での政策・政権ビジョンの相違が不明確となり,政治プロセスでビジョンや戦略を問うことが不十分となったこと.第2に,「政府の失敗」「市場の失敗」によりNPOなどを核とした新たなかたちでの参加の枠組みを確保することが先進諸国でも必要とされるようになったことによる。このような「政治主尊」の機能不全や「政府の失敗」により,昨今のNPM論は参画・協働を前提としたシステムヘと進化を遂げている。「顧客」「ステイクホルダー」「所有者(主権者)」としての住民の属性ごとの参加・協働の枠組みを活用する新たなガバナンス・マネジメント・システムが現在構築されようとしているのである。

  • 申 斗燮
    2002 年 2 巻 p. 112-126
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本稿は,準公共財である文化芸術に対する政策の理論的,制度的分析を行い,これからの政策方向を示唆することを目的にしている。文化芸術を支える財政システムには,政府・民間をはじめ,非営利を含んだ3つの部門が混在していると言われている。実際に,最近非営利部門からの文化芸術に対する支援についての研究も盛んに行われている。本稿では,このような状況を踏まえた上で,政府の芸術文化に対する支援の正当性と文化芸術支援政策の形態,各国の文化政策を考察する。その結果,文化芸術の長期的また内実ある発展のためには,民間部門を含んだ社会各部門からの継続的また均一な支援と後援体系が定着しなければならないことが明らかとなる。また,本研究では,支援方法の1つである税制による間接支援政策を中心として理論的分析を行い,この結果,所得控除方式のもとで,政府が寄付控除率を引きLげることは,個人の寄付金支出を増加させることになり,また所得税率を引き上げた場合,個人の寄付金支出は,所得効果と代替効果の大小関係で符号が変わってくることがわかった。さらに,日本のように累進税制のもとで所得控除方式が採用されている場合,税額控除方式への移行が検討されることがあること,税額控除方式の場合,税率が寄付の価格に影評を与えないため,すべての所得階層で寄付の額は同じになること,また,寄付控除率を引き上げた場合も,個人は寄付金支出を増加させることが明らかになった。

研究ノート
  • SAGARA Takashi
    2002 年 2 巻 p. 127-145
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本稿は,東京都における「ディーゼル車No作戦」の研究の一部であり,本稿では,なぜ東京都がディーゼル車政策を大きく変えられたのかについてポリシーネットワークの理論を用いて分析する。本稿の1節目においては,ポリシーネットワークとポリシーチェンジについての英国における理論の説明を行う。1節目では,まず始めにポリシーネットワークの概念とその仕組みについて見てみる。次に,ポリシーネットワークの2つの型,つまりポリシーコミュニティとイシューネットワークについての説明を行う。そして般後に,1節日においてはポリシーチェンジとポリシーネットワークについての考察を行う。

    ポリシーネットワークとポリシーチェンジの説明を終えた後,本稿は東京都の「ディーゼル車No作戦」について考察する。ただし,本稿の目的はどのようにしてディーゼル中に対する環境政策が東京都によって変えられたのかという,ポリシーチェンジについて考えることであり,その他の政策過程を見ることではないので,どのようにその政策が実施されたかについての説明は本稿では行わない。2節目では,まず日本国内と世界におけるディーゼル車に対する環境政策について見てみる。これらのことを考察することは,ディーゼル車規制におけるポリシーネットワークの特徴を理解するために不可欠である。日本と世界のディーゼル車政策の杓察後,この節では,束求都における「ディーゼル車No作戦」がどのようにして生まれたのかについて見てみる。

    本稿の3節目では, 1節目で説明したポリシーネットワークとポリシーチェンジの理論を用いて,ディーゼル中に対する環境政策と東京都の「ディーゼル車No作戦」の分析を行う。この節においては,まず理論を用いてディーゼル車政策をめぐるポリシーネットワークの分析を行い,その後東京都で起こった「ディーゼル車No作戦」というディーゼル車政策におけるポリシーチェンジの分析を行い,最後にポリシーネットワークとポリシーチェンジの理論が東京都のケースに当てはまるかを検証する。そしてその結果,(1)日本のディーゼル政策におけるポリシーネットワークは,関係省庁と自動車業界を中心にして形成されたポリシーコミュニティであること,(2)東京都におけるポリシーチェンジはいくつかのポリシーチェンジに必要な要素が組み合わさり引ぎ起こされたこと,そして(3)ポリシーネットワークとポリシーチェンジの理論は,束点都のケースに当てはまることが判明する。

    そして,本稿は,最終節において,以下の3つの結論に逹する。(1)ポリシーコミュニティがある場合は,ポリシーコミュニティはポリシーチェンジの大きな妨げとなり,ポリシーコミュニティからは,革新的な政策は生み出されない,(2)ポリシーコミュニティが存在するにも関わらず,革新的なポリシーチェンジが起こることは可能だが,それにはいくつもの要素が同時に揃うことが必要であり,そういったことが現実に起こることは難しい,(3)地方自治体には,ポリシーチェンジをもたらす可能性がある。

  • 木原 隆
    2002 年 2 巻 p. 146-154
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本研究は,便益価分析法を用いて,都市交通整備計画の評価を行うことを目的としている。広島市の「東西線」整備計画を適用事例として用いた。

    「東西線」整備計画とは,広島市中心部に建設が予定されている新規軌道系交通機関の棺備計画である。計画には当初,「高架案」,「地下案」,「路面案」の3つの代替的な案が設定されていた。費用便益分析法を用いた試算では,建設費の違い等から費用史益比は高架案1.80,地下案1.30に対して,路面案は6.38となった。

    「東西線」について,定量的な項目だけでなく,定性的な面も合めた多次元的な目標を体系化し,調査によって各項目についての目標重点度や評点化のための目標到逹疫の数値を計量化した。この結果から,使益価分析法を用いて各代替案の整備効果をスコアにより評価した。各代替案の使益価は,高架案3,325,地下案3,243,路面案3,231となった。これは従来補量的にしか評価されなかった項目を一元的に測定したために得られた結果であり,定量的な項目中心の費用便益分析法と比べて,この評価法の適用がより有効であったことを示唆している。

  • 山本 竜大, 郭 員英
    2002 年 2 巻 p. 155-166
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    本稿の目的は,日韓の国会議員によるホーム・ページ(HomePage: HP)開設に影響を与える要因を明らかにすることである。両国は新情報伝逹技術を利用したIT社会の樹立を目指す士で類似する政策を掲げる。しかし,2000年までの成果では,韓国は世界の中でも急速にその辻成を果たすのに,日本は意図どおり進んでいるとは思い難い。そこで,われわれは政策リーダーである国会議員のHP開設の状況に焦点を定める。

    モデルにおいて仮説とともに考慮するのは,以下の6変数である。①議員の年齢,②在職期間・当選回数③選挙における選出区分,④都市度,⑤学歴,⑥各党派と(日本の自民党にある7つの)派閥・グループである。

    回帰式の結果から,両国のICT化の促進要因が選出区分と都市度であり,停滞要因が年齢である。面白いことに,自民党内で大派閥になるほど政党HPに依存するが,規模の小さな派閥が個人HPを開設する傾向を政界全体で示した。民主党は政治情報の発信の推進役である。対照的に,斡国の主要政党によるHP開設への影讐はなかった。

    ゆえに, HPが都市型メディア・ツールであり,競争閑様が政治愉報の発信に寄与している。キャリア上昇の割に,誠員社会における新ICTの樽入をすすめる韓国に対して,政策の旗振り役としてのU本の党派が示した内向的な組織志向や政策態度が最も際立った特徴であった。

  • 兼平 裕子
    2002 年 2 巻 p. 167-176
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    2007年をめどに電力小売りは完全自由化される。臨界事故や電力自由化の影曹で,新規原子力発電所の立地が困難になっている一方で,総論としては賛成される再生可能エネルギーや分散型エネルギー普及のための積極的な政策はとられていない。

    供給者側ではRPSのような財政メカニズム政策により再生可能エネルギーの普及が効果的に進むと考えられる。しかし,これらの財政メカニズムも暫定的な方法であり,再生可能エネルギーと化石燃料源との価格差を誰が負担すべきか,という問題に対しては税の果たす役割を無視できない。低率の炭素税でも電力の燃料源の転換には効果的であり,販売電力を課税対象とする軍源開発促進税を炭素含有贔に応じた炭素税へと改編する方法が考えられる。この場合,原子力へと流れている電特会計の改編や原子力を課税対象とするか否かの再考も必要である。

    電力市場完全自由化を前提にするとグリーン電力市場の開設も可能となる。電力市場自由化と環境保全が両立するためには,供給者側の化石燃料依存からの脱却とともに,需要者側がグリーン電力を選択しやすくなるインセンティブが必要である。

    2008年から国際的な排出権取引が始まると,国内排出権取引市場も幣備されてくる。需要者側のグリーン電力購入が省エネ法の削減実績として認められ,更に排出権取引との連動によりCO2排出削減量にカウントできることが望ましい。

  • 高橋 克紀
    2002 年 2 巻 p. 177-186
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2022/01/18
    ジャーナル フリー

    公共政策への市民参加は,社会問題の集合的コントロールであると考えられる。本稿は,市民参加を規範主義的に捉えるのではなく,社会的コントロール理論を応用して,社会関係を形成するさまざまなコントロールをバランスさせなおす働きとして捉える。「市民社会」が成立したかどうかではなく,人々が具体的な問題をどうコントロールするのかに関心を向けるのである。

    もっとも,市民社会概念も変質を見せている。市民社会は非営利活動や親密な共同性から構築されるとされ,国家の定義する公共性や市場メカニズムに対抗する活動への参加を呼びかけている。しかし,市民社会や公共性は国家的権力と切離すことはできず,市民参加の対抗性を強調するのは限界がある。社会生活の分析は,公式・非公式な制度に某づいた作用と,それを通して制度を再編しようとする意味世界に碁づいた行為に目を向ける必要がある。そこで,ある種のコントロールに頼るのではなく,コントロールの連結によって人々が自主性を確保できるようなバランス化が望まれる。

    本稿は,こうした視角を公共政策学に接続することを試みるべく,70年代と今日の市民参加概念のポイントを確認する。これらの議論では今日求められている市民参加の様相が把握しづらいため,社会的コントロール理論の有効性を検討する。

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