管理図は, 工程の異常を検出するために有効な手法であるが, 実際の製造工程では結果である品質特性を一定に保つためにフィードバック制御を導入している場合が多く, 品質特性そのものについて管理図を作成しても異常をうまく検出できない場合が多い.本研究では, フィードバック制御を行っている工程において, どのような変数について管理図を作成するのが工程の変動を検出する上で最も効果的か, 確率論的なプロセスモデルを用いて明らかにすることを試みた.結果として, フィードバック制御が存在する工程では, 管理特性として品質特性の値を用いるのは適切ではなく, 制御変数の値と品質特性の値から制御変数の効果を差し引いた値とを, 割引係数や計測誤差の大きさによって使い分けるのが有効であることがわかった.
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