品質
Online ISSN : 2432-1044
Print ISSN : 0386-8230
34 巻, 4 号
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特集
投稿論文編
報文
  • 池庄司 雅臣, 圓川 隆夫
    原稿種別: 報文
    2004 年 34 巻 4 号 p. 388-397
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2018/05/22
    ジャーナル 認証あり
     顧客満足度の企業のマーケットシェアや財務的な経営成果への定量的関係を把握するためには,顧客満足度の時系列的な測定が必要であるとともに,顧客満足度の性質やその生成メカニズムについて考察しておく必要がある.顧客満足度は,その調査の様式や形式によってモナディク指標と累積指標の2つに分類される.前者の指標については,わが国における耐久消費財を対象とした顧客満足度の代用指数の経年的な調査から,顧客満足度の大きさが株価に代表される時代の景気感と強い負の相関をもつことが示されている.本研究では後者の代表的な指標であるACSIを用いて,その生成メカニズムを踏まえた上で仮説を設定し,国家および産業セクター別における景気感との関係を分析することを目的とする.その結果
     (1)ACSIにおいてもその平均的大きさとダウ平均株価などの経済指標との間には,モナディク指標に比べて弱いものの有意な負の相関関係があること
     (2)さらに産業別ではスィチングコストの高い産業では特に負の相関が強く,それが低く企業間の競争が激しい産業ではその傾向が弱まることを明らかにした.
    最後にこの結果を踏まえて景気感による影響を考慮することで,ACSIと企業の経営成果の関係がより鮮明化する分析事例を示す.
  • Juichi TAKAHASHI
    原稿種別: 報文
    2004 年 34 巻 4 号 p. 398-406
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2018/05/22
    ジャーナル 認証あり
     高品質のソフトウェアを出荷するためにはソフトウェアテストは必要不可欠であり,ほとんどすべてのソフトウェアがその作業が必須となっている,しかし,ソフトウェアテストの方法論は往々にして単体で動くプロセス,もしくは静的なソフトウェアに対しての研究が主となっており,並列コンビュータシステム,分散コンピューティング,並行処理ソフトウェアに関しての研究は非常に少ない.そのため,本研究ではペトリネットを用いた並行処理ソフトウェアに対するテスティングの研究を行った.さらに,ペトリネットは一般的な複雑な構成をしているため,到達木を用いることによりテスティングを容易にする手法を提案した.
  • Zhihong CAI, Masami MIYAKAWA, Manabu KUROKI
    原稿種別: 報文
    2004 年 34 巻 4 号 p. 407-418
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2018/05/22
    ジャーナル 認証あり
     Shaininの提案したvariable Searchは,品質特性に影響を与えると考えられる要因から,少数の実験回数で重要な要因を見つけ出す実験計画法の一つであり,品質改善に大きな貢献をしている.その一方で要因間の別名関係が明らかにされていないなど,いくつかの問題点が指摘されている.
     そこで,本論文ではvariable Search の数理的側面に着目し,推定可能な効果と要因間の別名関係を明らかにする.また,variable Searchの有効性と限界についても検討する.
調査研究論文
  • 加藤 誠, 中條 武志
    原稿種別: 調査研究論文
    2004 年 34 巻 4 号 p. 419-428
    発行日: 2004/10/15
    公開日: 2018/05/22
    ジャーナル 認証あり
     製品開発の初期段階でコンセプトテストを行う際の難しさの一つは,コンセプトの内容を言葉で表す場合が多いため,その表現方法に注意しないと,コンセプトテストの結果と実製品の評価との間にずれが生じる場合が少なくないことである.
     本論文では,製品コンセプトがアイデマとベネフィットから構成されるととらえた上で,言葉による表現に焦点を絞り,各々の具体性のレベルを変えたときに評価結果がどのように変化するか,複数の製品を取り上げて実験した.結果としてベネフィット,アイデアをどの程度具体的に表現するのがよいかは,「性能」「操作性」「安全性」などの品質項目で異なること,「性能」については,アイデアの表現の具体性は低<おさえた上で,ベネフィットを具体的に表現するのがよいこと,他方「操作性」については,製品属性によって異なるが,専門知識の必要でないものについてはベネフィットの表現の具体性を低くおさえるのがよいことなどがわかった.
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