天然水中のジルコニウムの分析法を開発した.試水1リットル中のジルコニウムを2-テノイルトリフルオロアセトン (TTA) ベンゼン溶液で抽出濃縮し, 有機試薬を分解後, 塩酸酸性でアルセナゾIIIを用いて分光光度定量する.この濃縮操作時に既知量の
95Zrを添加して化学収率を求めること, およびTTA抽出前にフッ化水素酸, 硝酸, 過塩素酸処理を行い, 試水中の全ジルコニウムを求めることの2点が特徴である.塩原, 日光地区の温泉, 湧水, 湖水等に適用し, 0.29-2.8μg/
lの値を得た.化学収率は90%以上のものも多かったが最低は10%であった.
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