鶏消化管における内容物輸送のマーカーとしての適否を明らかにするために,
198Au-コロイドおよび
51Cr-クロム酸ナトリウムの鶏体内分布, 吸収ならびに排泄について比較検討した。経口投与した場合,
198Au-コロイドは消化管から吸収されず, すべてが屎として体外に排泄されたが,
51Crクロム酸ナトリウムはその一部が消化管から吸収され, 体内各臓器に分布した。静脈内注射した場合,
198Au-コロイドは消化管壁を通して消化管内に排泄されなかったが,
51Cr-クロム酸ナトリウムは排泄された。消化管粘膜への吸着は
51Cr-クロム酸ナトリウムより
198Au-コロイドのほうが少なかった。以上の結果から,
198Au-コロイドは鶏消化管における内容物輸送のマーカーとしてすぐれており,
51Cr-クロム酸ナトリウムはかなり劣るものと思われた。
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