γ線照射ジャガイモ (男爵) アルコール抽出液について, 変異原性の有無を検討した。抽出法および抽出液の性状については前報で報告した。
サルモネラ菌を用いて, ヒスチジン要求性ならびに, ストレプトマイシン依存性に関する復帰突然変異試験を行ったが, いずれの結果も陰性であった。大腸菌を用いてinductest (プロファージ誘導試験) を行ったが, 陰性であった。さらに, 哺乳動物細胞の染色体に及ぼす影響を観察するため, チャイニーズ・ハムスター培養細胞を用いる染色体異常誘発試験ならびに, マウスを用いる小核試験を行ったがいずれも陰性であった。
以上の結果から, 照射後, ただちにジャガイモから調製したアルコール抽出物中には, 変異原性は認められず, また, 照射することによって変異原性が高まるような物質が生産される可能性はないものと思われる。
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