古くから, 動物にX線を全身照射すると, hyperferremiaを起こすといわれている。著者らは, 担がんマウスに10Gy (1, 000rad) の
60Co全身照射して, 血清鉄値を変化させて,
67Gaの体内分布および
67Gaの尿, 糞からの排泄を調べた。その結果, 10Gy (1, 000rad) の全身照射によって初めに血清鉄値は低下し, その後上昇した。血清鉄値の低いときには, 腫瘍はじめ各臓器への
67Gaの取り込み率は上昇した。反対に, 血清鉄値の高いときには, 取り込み率は低下した。また,
67Gaの排泄は, 血清鉄値が低いときには, やや遅延した。反対に, 血清鉄値の高いときには,
67Gaの排泄は促進し, 糞よりも尿から多く排泄した。すなわち,
67Gaの代謝は, 血清鉄値により著しく影響されることを知った。
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