浅海海底土中の
239, 240Puおよび
144Ceの含量を化学分離後
239, 240Puについてはα線スペクトロメトリ,
144Prについてはβ線計測法により測定した。試料は茨城県沖で, 東海再処理工場の操業前後の比較のために, 1977年および1980年に採取した。海底土試料中の
239, 240Puおよび
144Ce含量の範囲と平均値は,
239, 240Puについて0.02~2.85Bq/kg-乾 (0.55~77pCi/kg-乾) , 1977年の平均値0.93Bq/kg-乾 (25pCi/kg-乾) , 1980年0.52Bq/kg-乾 (14pCi/kg-乾) で,
144Ceについては0.67~19.5Bq/kg-乾 (18~526pCi/kg-乾) で, 1977年の平均値5.44Bq/kg-乾 (
147pCi/kg-乾) , 1980年1.59Bq/kg-乾 (43pci/kg-乾) であった。分析値から, これらの核種の環境蓄積は認められなかったことが示された。両核種の含量は相互に強い相関を示した。1977年の柱状試料の分析から
239, 240puの存在量は43.7MBq/km
2 (1.18mCi/km
2) と見積られ, この値は東京における蓄積降下量の報告値とほぼ同じであった。
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