外頸静脈カテーテルによる連続採血法を用いて, 投与経路の差異に基づく血中
67Ga動態の相違について検討を加えた。
67Ga-citrate185kBq (5μCi) を静脈内, 皮下および腹腔内へ投与したさいの血中消失曲線および薬物動態学的パラメータを求め比較した。静脈内および皮下投与時の消失曲線は, いずれも3-コンパートメントモデルに適合し, 血中濃度下面積もほとんど等しかった。一方, 腹腔内投与時の消失曲線は, 2-コンパートメントモデルに適合し, 薬物動態学的パラメータも静脈内および皮下投与時と大きく異なっており,
67Gaは長時間血中に滞留していた。以上の結果から, 皮下投与は静脈内投与にほぼ匹敵しており, 動物実験における投与法として有用であるが, 腹腔内投与は, その長い血中放射能の残存によって, シンチグラフィやオートラジオグラフィなどの体内分布研究には不適当であると思われる。しかしながら, 長時間にわたる血中
67Gaの残存を必要とするような特殊な実験には, 腹腔内投与を利用できるかもしれない。
抄録全体を表示