脳血管障害の疑われる患者21例 (脳出血5例, 脳梗塞10例, 一過性虚血性脳発作2例, 原因不明の運動障害4例) に対して,
N-イソプロピル-
p- (
123I) ヨードアンフェタミンを静注し, 脳血流断層像を得た。出血では血腫周辺の血流低下を認め, 特に内包出血例では神経路に一致した大脳皮質の血流低下を認めた。梗塞例ではX線コンピュータ断層撮影 (CT) の低吸収域よりも大きな血流低下部位を認め, より生理学的な情報が得られると考えた。基底核部小梗塞例では, 画像上基底核付近の血流量の評価は困難であったが, この付近に設定した関心領域 (ROI) 内の平均カウントと, そのスライスの平均カウントとの比を求めると, 右0.89±0.09, 左0.89±0.08 (mean±S.D.) で, 正常 (右0.99±0.02, 左0.97±0.03) に比して低値を示すものが見られ, 客観的評価が可能と考えた。
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