アンダーセン型集塵器で粒度別に採取した筑波地区大気浮遊塵試料につき, フィッショントラック法, 中性子放射化法で, それぞれウランならびに数種の微量元素の定量を行った。その結果, (1) スカンジウム, コバルト, 鉄等の親石元素, 親鉄元素は粒径の大きい部分に多い。 (2) ヒ素, セレン, アンチモン等の親銅元素は粒径の小さい部分に多い。 (3) ウランは両部分にほぼ同程度に分布する傾向が認められた。これより, 筑波地区の大気浮遊塵は, 岩石・土壌起源のもののほか, 都市・工業活動起源の飛来性のものの影響を受けていることが示された。
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