近年, 脳死の判定基準が議論されている。脳シンチグラム, とくにダイナミックスタディによる脳死の判定はすでに報告されている。また,
123I-IMPおよび
99mTc-HMPAO等のアミンを用いた脳シンチグラムは脳が描出されないという特異な所見により, 脳死の診断に有用な情報を提供することが知られている。しかしながら,
99mTc-HMPAOの静脈注射時に同時に行おれるダイナミックシンチグラムは著者らの知る限り報告がなく, 古典的な脳死の所見である“HOT NOSE SIGN”を呈することにより脳死の判定に附加的情報を提供した。われわれは
99mTc-HMPAO静注時に施行されたダイナミックシンチグラムによって“HOT NOSE SIGN”を呈し, 引き続いて行われたSPECTによって脳の描出を見なかった脳死の一例を報告し, その静注時のダイナミックシンチグラムの意義について議論した。
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