陳旧性心筋梗塞の予後評価を
201Tl心筋シンチグラフィおよび
99mTc心シンチグラフィによって57例について発症後5年間follow upを行い, 検討した。
心筋梗塞発症時期を60歳以上の高年者群と60歳未満の比較的若年者群で比較すると心係数では経時的な変化はなく, 左室駆出率は比較的若年者群で有意な (
p<0.05) 低下を示した。また, 右室駆出率については著変を認めなかった。冠動脈造影によるCAGスコアとhandgrip負荷での△LVEFの変化は
y=-1.34
x+3.61 (
r=-0.400,
n=44,
p<0.01) と弱い逆相関を認めた。またT1欠損率の初回および最終検査を高年者, 若年者間で比較すると有意差はないが, 若年者群で欠損率の上昇傾向があった。
以上, 心機能・心筋血流の核医学的検査が心筋梗塞の予後の評価として有意な検査法であり, リハビリテーションおよび日常生活指導に役立つと考えられたので報告する。
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