186Re標識1-hydroxyethylidene-1, 1-diphosphonate (HEDP) は癌性疼痛緩和に有効と報告されている。日本原子力研究所が
186Reの試験製造を開始したことから, HEDPの
186Re標識条件,
186Re-HEDPのマウス体内挙動を検討した。種々の標識パラメータの探求から, 副作用が問題となる以下のHEDP量で疼痛緩和に必要な放射能量の
186Re-HEDPを高い放射化学的収率で与えるキットを開発した。本キットで作製した
186Re-HEDPは
99mTc-HEDP,
99mTc-HMDPと同等の骨集積を示し, 従来の報告にある
186Re-HEDPと同程度の疼痛緩和効果が本薬剤の投与で期待される。一方, 従来同様に生体内における
186Re-HEDPの分解が観察され, Reの化学的性質を考慮した新たな配位子の開発が要望される。
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