固体高分子電解質を利用したトリチウム電解濃縮装置および操作法を開発した。この電解法が環境水濃度レベルのトリチウム水の電解濃縮法として有用かどうか検討した。電解濃縮前後の標準トリチウム水を液体シンチレーション計測し, トリチウム回収率および見かけのトリチウム分離係数を算出した。本装置の見かけのトリチウム分離係数を平均値β
a=5.6に固定して, 濃縮前の濃度を計算したところ, 1σ=4%の誤差で標準トリチウム水濃度と一致し, 安定性が確認できた。性能の安定性に加え, 実験操作の簡便さ, 安全性の高さ, 電解時間の短縮など多くの利点とあわせて, この電解法は環境水トリチウム分析用として, 実用的価値の高い方法といえる。
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