既報,
137Csをとりこませたメダカ,
Oryzias latipes, の肉と混入した肉 (対照) の, 各放射性餌料投与によるキンギョ,
Carassius auratus auratus, の
137Cs濃縮機構を解明するため, メダカにとりこまれた
137Csの生化学的存在形態について調べた。
メダカにとりこまれた
137Csは, 事実上非蛋白態窒素化合物 (NPNC) 区に存在し (92%以上) , 対照である無機の
137Csを混入したメダカの肉との違いはほとんどみられなかった。
また, NPNC区にっきゲルろ過分離を行ったところ,
137Csをとりこんだメダカの肉では, 対照および
137CsCl水溶液と同様一つの放射能ピークのみが検出され, しかも各ピークの位置はそれぞれ一致した。一方, 蛋白質の各ピークの位置は, 放射能ピークの位置と異なり, とりこまれた
137Csの大部分は, 蛋白質と結合していないことがわかった。
さらに, シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィや, 陽イオン交換樹脂による分離, リンモリブデン酸アンモニウムとの反応においても,
137Csをとりこんだメダカの肉は, 対照である無機の
137Csを混入したメダカの肉と違いはほとんどみられなかった。
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