RADIOISOTOPES
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56 巻, 3 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 山田 崇裕, 中村 吉秀, 佐藤 泰, 柚木 彰, 桧野 良穂
    2007 年 56 巻 3 号 p. 93-101
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    現在, 我が国においては, 数種の放射性医薬品が広く利用されている。これらは主に99mTc, 67Ga, 201T1, 18Fといったγ線放出核種からなる診断薬である。放射能測定には井戸形電離箱が主に利用されている。欧米諸国では, これらの診断薬のみならず, 骨疼痛緩和など治療を目的とする89Srや90Yなどといった放射性薬剤が利用されて, 我が国での利用も期待される。これらの放射性治療薬はγ線をほとんど放出しないβ核種であり, 井戸形電離箱では制動放射線のみに反応し, 通常のγ線放出核種と比較しレスポンスは極端に低い。したがって, 井戸形電離箱を用いて精度のよい測定を達成するには, 校正方法, 不純物核種の影響, 容器形状・材質依存などについて十分に検討する必要がある。
    そこで本実験では, 井戸形電離箱測定におけるこれらの影響について検討するとともに, CIEMAT/NIST法により放射能絶対測定をした89Sr標準溶液を用いた井戸形電離箱校正を試み, 十分な不確かさでの校正が可能であることを確認できた。特に不純物核種の影響については, 電離箱感度に有意な影響を及ぼす85Srについて検討し, 補正係数を得た。これらの結果, 市販のドーズキャリブレータによって89Sr薬剤の放射能測定が, 十分な不確かさの範囲で病院などにおいても実施できることがわかった。
  • 後藤 典子, 山崎 正夫, 関口 正之, 等々力 節子, 宮原 誠
    2007 年 56 巻 3 号 p. 103-113
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    照射香辛料と非照射香辛料を混合した混合香辛料を, 黒コショウとパプリカについてそれぞれ5検体ずつ作製した。5.4kGy照射した黒コショウを2% (w/w) 混合した混合香辛料では照射による発光極大が認められなかった。照射したものを5又は10%混合した場合では, 「照射」, 「一部照射」, 「どちらでもない」と判定された。照射したものを20%混合したすべての試料は「照射」と判定された。5.0kGy照射したパプリカを5.0%混合した混合香辛料はすべて「照射」と判定された。照射試料を0.2%以上混合したものでは, すべての試料では150~250℃の範囲に発光極大が認められた。
    以上の結果では, スパイスの種類によって「照射」と判定できる混合割合が異なることを示した。TL発光量の積算温度範囲を70~400℃とTLD100に基づく約150~250℃に近い範囲にすると, TL発光比は後の方が低くなるが, 「照射」と判定される試料はほぼ同じ判定であった。放射線を照射していない黒コショウとパプリカに紫外線を照射しても, 放射線を照射したと判定されることはなかった。
  • 土井 妙子, 佐藤 深, 佐藤 純
    2007 年 56 巻 3 号 p. 115-130
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
    東アジアの大陸の大気中210Pb濃度は, 冬季に5~8mBqm-3, 夏季に0.0~0.5mBqm-3の「一山型」の季節変化であるが, 日本の太平洋沿岸の筑波における大気中210Pb濃度は0.2~0.8mBqm-3で, 春季と秋季に高く, 夏季と冬季に低い「二山型」の季節変化を示した。210Pb濃度と降水量との相関は筑波では低いが, 東アジアの大陸域では相関があった。
    東アジアの大陸気団の一部は冬季に日本列島に達していて, 大陸大気中の210Pbの18~43%が日本海沿岸に到達していると考えられた。一方, 日本の太平洋沿岸の大気中210Pb濃度に対する大陸気団の影響は3%以下と推定された。冬季に大陸エアロゾルは土壌粒子を多く含み, 筑波のエアロゾルより210Pb比放射能が低かった。また, ウルムチ, 蘭州, 北京, ソウルで採取したエアロゾル試料は25~35%のフライアッシュを含んでいた。土壌粒子とフライアッシュがエアロゾルへ混入するとエアロゾルの210Pb比放射能が低下する傾向にあった。
  • 小野口 昌久, 高山 輝彦, 川井 恵一, 森 厚文
    2007 年 56 巻 3 号 p. 131-139
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • 絹谷 清剛
    2007 年 56 巻 3 号 p. 141-152
    発行日: 2007/03/15
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
  • 2007 年 56 巻 3 号 p. 153
    発行日: 2007年
    公開日: 2010/07/21
    ジャーナル フリー
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