伊豆大島火山1986年溶岩流の
238U-
230Th-
226Ra放射非平衡から,1986年の噴火活動におけるマグマ発生から噴出に至る時間を推定した。伊豆大島火山1986年溶岩流では,
230Th-
226Ra間は,
230Thに比べて
226Raが多い
226Ra/
230Th>1の放射非平衡であった。
226Ra/
230Th放射能比と
238U/
230Th放射能比及びBa/Th濃度比との間で,伊豆大島火山1986年溶岩流のプロットが正の相関を示したことにより,1986年溶岩流の
238U-
230Th-
226Ra放射非平衡は,マグマ発生時に起こったものであると考えられる。伊豆大島火山1986年溶岩流が
230Th-
226Ra間の放射非平衡を保持していることより,1986年に噴出したマグマの発生から噴出までの時間は,玄武岩から玄武岩質安山岩までの結晶分化の時間も含めて,8000年以内であると推定された。
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