99mTc供給不足という厳しい状況で,
99mTc標識放射性医薬品を列挙し,その臨床的有用性を述べた。我が国での
99mTc製剤の供給と
99Mo/
99mTcジェネレータ販売実績を経時的に記述した。一体型SPECT/CT装置は2核種同時収集と機能,形態の両方の情報が得られるため,更なる普及が望まれる。パリで開催されたOECD/NEA要旨とトロントで開催された第56回米国核医学会議での記者会見を紹介し,現在の問題点,取り組むべき課題を提示した。埼玉県内で施行されたアンケート調査では,
99Moの国産化などが
99mTc供給不足の解決策として挙げられた。これに関連して,JMTRでの
99Mo国産化計画が現在,進行中であることを紹介した。
99mTcの安定供給を確立した上で今後核医学が発展するための課題として,半導体検出器を用いた一体型SPECT/CT装置の開発,新しい放射性医薬品の臨床応用,従来のSPECT検査の再評価などを挙げた。
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