RADIOISOTOPES
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63 巻, 8 号
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原著
  • 沼田 和臣, 佐藤 公法, 藤本 光一郎, 藤原 一彦
    2014 年 63 巻 8 号 p. 389-397
    発行日: 2014/08/15
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
    無機層状化合物サポナイトナノ粒子の破壊メカニズムを,X線回折法(XRD),電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM)観察,フーリエ変換赤外線吸収分光(FT-IR),熱分析-示差熱熱重量同時測定(TG-DTA),ポジトロニウム寿命測定法により分子レベルで調べた。サポナイトナノ粒子の破壊は,ナノシートそのものが垂直に細断されるプロセスに加えて,ナノシートの構成要素である八面体の粉砕に起因する剪断剝離的プロセスが同時進行して引き起こされることがわかった。上記プロセスにより,ナノ粒子既存の空隙は減少するが,微細化して無秩序に配向したナノシートが準安定な空隙を生成することが確認された。
技術報告
  • 服部 隆充
    2014 年 63 巻 8 号 p. 399-403
    発行日: 2014/08/15
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
    液体シンチレーションカウンタ(LSC)計測実習への適用性の観点から,ベトナムウォッカは,たとえば,無色透明でエタノール濃度は高く,蒸留酒のためエタノール以外の不純物をほとんど含まない,などの優れた特徴を有する。このベトナムウォッカがLSC計測実習用の測定試料として適切であるか否かの検討を行った。化学的な前処理操作を行わない14Cの直接測定により3種類のベトナムウォッカと純粋な試薬エタノールについて,放射能濃度と比放射能を求めた。その結果,放射能濃度は試料中のエタノール濃度に比例し,ベトナムウォッカと純エタノールの比放射能は標準データである0.25Bq/g炭素と良い一致を示した。このことから,ベトナムウォッカは高い精度でLSC計測実習の測定試料として適用可能であることが結論づけられた。
連載講座
メスバウアー散乱法による固体表面分析の基礎と応用
  • 野村 貴美
    2014 年 63 巻 8 号 p. 405-427
    発行日: 2014/08/15
    公開日: 2014/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
    メスバウアー散乱法のうち,転換電子を検出する方法(CEMS)では約100nmの薄い皮膜の状態が,X線を検出する方法(XMS)では10μmの厚さの表層の状態が分かる。転換電子及び共鳴X線を同時に検出する二重検出器によって鉄材料の表面の層別状態分析が容易になる。放出される転換電子のエネルギーを弁別すること,又はγ線の入射角を低入射角に変えることによって数十nm以下のより薄い皮膜の層別状態分析が可能になる。これらは深さ選択性CEMS(Depth selective CEMS)又は視斜角CEMS(Glancing angle CEMS)と呼ばれる。CEMS解析の例として,ステンレス鋼の蒸着膜はマルテンサイト変態していること,その磁気モーメントの方向はDC及びRFスパッタ方法により異なること,また表面研磨によってもオーステナイト相はマルテンサイト相に誘起されることが示される。イオン注入鉄のナノ粒子解析のための磁場印加CEMS,多層膜の界面磁性や薄膜の表面磁性の解析のための放射光ビームによる核共鳴のブラッグ反射スペクトル及び全反射スペクトルについても紹介する。
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