小動物を用いた前臨床分子イメージングは基礎研究と臨床研究をつなぐ手段として認知されている。しかし残念ながら,イメージング装置はその操作の特殊性のため誰もが気軽に利用できるものではない。本稿は分子イメージング初学者に対し実験に必要な最低限の知識を提供することを目的として,前臨床核医学イメージングの基礎について解説する。
福島大学環境放射能研究所では2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故以降に網羅的に採取された土壌試料約18,000点が原子力規制庁から移管され,2019年から土壌アーカイブ試料として環境放射能に関する研究への試料提供を開始している。本報告は土壌アーカイブ試料,及び,当該試料のデータ集積と利用促進を目的に整備された土壌アーカイブデータベースシステムの概要について報告する。
井戸形電離箱を用いた基準空気カーマ率測定では,線源型式の違いによるレスポンス差異の補正が必要となる場合がある。本研究では,2種類の井戸形電離箱を用いて60Co線源及び新型の192Ir線源のレスポンスを補正するための線源補正係数ksourceを算出した。2019年に報告した線源形状補正係数ksgは不確かさを更新し,名称を線源補正係数ksourceとして改めた。この補正係数により,井戸形電離箱校正サービスの対象拡大が期待できる。