近年の科学技術の進歩は, より一層エレクトロニクス製品を, 我々の身近なものにしてきている.このエレクトロニクス製品のライフサイクルに着目した場合, 短くなってきている場合もあれば, 場合によっては, より重要な用途に長期間使用される場合もある.これらエレクトロニクス製品には, 殆ど例外無く, 多くの半導体デバイスが搭載されている.半導体デバイスは多くの構成材料(シリコン, 酸化膜, 金属配線材料, 絶縁膜など)からなり, いまや数千万個のトランジスターとそれ以上の数の電気的接続点を持ち, そのチップを格納するパッケージも含めると, 膨大な規模のシステムを構成している.このような大規模システムになっても信頼性要求水準は以前と変わらないか, あるいは更に厳しい信頼性を要求される場合もある.半導体デバイスは機械的部品に比較して, 一般的には高信頼性であるが, その半導体が搭載される機器と使用目的に応じた適正な信頼性保証が行われる必要がある.今回, 特に近年の過剰信頼性試験条件について, その加速性を理解し, 市場目標信頼度に基づく適正な試験時間, 試験ストレスを設定する事により, 高効率な信頼性試験実施が可能となるよう, 長年信頼性業務に携わってきた技術者(EIAJ半導体信頼性サブコミティ委員)により, 加速寿命試験に関する現時点での業界の常識水準をガイドラインとして制定した.40頁におよぶこのガイドラインの中から, 参考に一部を以下に紹介する.
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