日本信頼性学会誌　信頼性

マルコフ再生確率ペトリネットによる信頼性評価事例

岡村寛之, 土肥正

2016 年 38 巻 6 号 p. 340-349
発行日: 2016年
公開日: 2019/08/01

DOIhttps://doi.org/10.11348/reajshinrai.38.6_340

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本稿ではマルコフ再生確率ペトリネット（Markov regenerative stochastic Petri net; MRSPN）を用いたシステムの信頼性評価を紹介する．MRSPN は確率ペトリネットの拡張であり，様々なシステムの振る舞いを表現することができる．特に，本稿では MRSPN によるモデル記述と一般的な解析を概説した後に，MRSPN による RAID システムの信頼性評価事例を紹介する．

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システム非機能要件の定量評価のための確率モデルの生成・解析手法

但野紅美子

2016 年 38 巻 6 号 p. 350-357
発行日: 2016年
公開日: 2019/08/01

DOIhttps://doi.org/10.11348/reajshinrai.38.6_350

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社会の重要インフラとして機能する情報通信システムでは，システム構成や運用を含む多岐に渡る観点から，属人性を排した一貫した方法で高信頼性・高可用性などのシステム非機能要件の充足を保証することが肝要である．この課題を解決するため，筆者のグループでは，システム非機能要件の定量評価のための情報通信システムのモデル化と解析の研究に取り組んでいる．本稿では，（1）情報システムの多様な観点から信頼性，可用性，性能，復旧時間などを調べるためのモデル化手法について近年取り組んだ研究と，（2）信頼性に関わるモデルの解析に有用な海外大学のツールとその背景理論，の 2 つの概要を紹介する．（1）については，人的要因を考慮した情報通信システムの障害復旧に関する設計限界の定量評価を中心に全体を概説する．（2）については，モデルに対する数学的制約が従来のツールより少なく，洗練されたインタフェースを持つフリーダウンロードの解析ツールORIS Toolを中心に概説する．以上，モデル化技術と解析技術という 2 つの観点から，情報通信システムの設計の継続的な改善のために，非機能的なシステム指標の効率的な定量評価を支援する技術を紹介する．

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通信プロトコルとサーバ運用の確率モデルの構築と最適方策

水谷聡志, 木村充位, 今泉充啓

2016 年 38 巻 6 号 p. 358-365
発行日: 2016年
公開日: 2019/08/01

DOIhttps://doi.org/10.11348/reajshinrai.38.6_358

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通信システムに関する確率モデルをいくつか紹介する．特に (1) 通信確認による定期点検，(2) 無線ネットワーク，(3) TCP の各モデルについて紹介する．最初に，監視システムがサーバと定期的に通信確認を行うモデルを紹介する．次に，無線ネットワークについて，筆者らが提案した Go-Back-N 型および，パケット誤り制御のもう１つの代表的なプロトコルである Selective-Repeat 型の確率モデルを紹介する．最後に，TCP について，ネットワーク系の輻輳に対応した可変ウィンドウ方式の信頼性モデルを紹介する．

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通信網の信頼性設計実務におけるモデル化の意義

渡邉均

2016 年 38 巻 6 号 p. 366-371
発行日: 2016年
公開日: 2019/08/01

DOIhttps://doi.org/10.11348/reajshinrai.38.6_366

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本稿では，我国の基幹通信網である電話網の信頼性設計実務の歴史的変遷を振り返るとともに，モデル化の果たした役割を概観し，今後の展望を示す．

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ソフトウェア信頼性評価への複雑性尺度およびテスト環境データの適用

井上真二, 山田茂

2016 年 38 巻 6 号 p. 372-377
発行日: 2016年
公開日: 2019/08/01

DOIhttps://doi.org/10.11348/reajshinrai.38.6_372

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達成されたテスト網羅度や実行されたテスト項目数など，実際のソフトウェア開発におけるテスト工程では，テスト環境を特徴付ける数多くの要因が存在し，これらはソフトウェア故障発生現象やフォールト発見事象に影響を与えることが考えられる．本研究では，ソフトウェア複雑性メトリクスの1つであるプログラム規模を考慮した二項ソフトウェア信頼性モデルの構築枠組みにおいて，回帰構造を導入しながら，テスト環境を考慮した新たなモデルを構築する．最後に，実際のソフトウェア開発で観測されたデータを用い，構築したモデルに基づいたソフトウェア信頼性解析例を示す．

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Analyzing claim data for detecting major quality problems and examining effectiveness of actions taken

Meena Watcharathiansakul, Watalu Yamamoto, Kazuyuki Suzuki

2016 年 38 巻 6 号 p. 389-406
発行日: 2016年
公開日: 2019/08/01

DOIhttps://doi.org/10.11348/reajshinrai.38.6_389

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Claims on quality problems should be handled carefully and should be resolved individually. However, claims are also valuable sources of information for claim management system. Statistics on claims for monitoring and improving the performance of the claim management function should be gathered. This paper presents two statistical methods for analyzing claim data with use of Quality Claim Management Matrix (QCMM) effectively. The first method is proposed for detecting major quality problems from monthly claim counts. Companies can apply this method to identify major quality problems in a timely manner. The second method is designed for examining the effectiveness of actions taken against quality problems, based also on claim count data. The properties of proposed methods are investigated numerically. These methods are applied to two example cases from industry.

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