本研究の目的は,地域子育て支援拠点における,困難や悩みをもつ親に対する介入的支援の実際について検討し,支援の課題と発展性を探ることである。来所者のなかで気になる親,相談のニーズのある親,虐待リスクのある親,生活困難の親,一人親,地域で孤立している親に焦点を当て,15か所の支援担当責任者に聞き取り調査を行った。その語りの分析の結果,地域子育て支援拠点が最初の支援へのアクセスの場として有効であり得ること,そのための条件として,支援者の多様なニーズへの感受性と柔軟な対応,実際面と心理面での支援,継続支援,他機関との連携,保育・福祉・精神保健の統合された支援概念の支援職集団での共有の必要性が示された。
抄録全体を表示