保育学研究
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55 巻, 3 号
―特集 子どもの生活における家庭の役割と保育・教育との連携―
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
第1部 特集論文
<総説>
原著<論文>
  • 北野 幸子
    2017 年 55 巻 3 号 p. 9-20
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/16
    ジャーナル フリー

    家庭教育環境や社会の急激な変化に伴い,子育て支援の必要性は益々高まり,複雑化している。それに応じるため,2000年以降子育て支援や家庭との連携は保育者の職務として規定されることとなった。また,この10年,地域子育て支援は,広がり,発展しつつある。これらを踏まえ,子育て支援や家庭との連携と関わる保育者の専門性の再概念化を図る必要性があると考える。そのために,本研究では,家庭との関係性についての保育者の専門性について,規定や養成要件,保育の質評価の指標,さらには関連する議論について文献を中心に検討した。その結果,家庭支援のみならず,家庭との連携,さらにはパートナーシップの構築による協働が保育者の専門性として位置づけられることが明らかになった。

  • 坂上 裕子, 金丸 智美
    2017 年 55 巻 3 号 p. 21-32
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/16
    ジャーナル フリー

    本研究では,子どもが幼稚園生活に慣れるまでの過程を母親がどう支えてきたのかを,母親へのインタビューから検討した。通園をめぐり泣きや抵抗を示した子どもの母親は,幼稚園での子どもの様子を心配していたが,家では子どもがリラックスできるよう,甘えさせたり園のことを訊かないようにしたりしていた。その結果,母親は,子どもの様子を知りたいけれども知り得ない状態に置かれた。そのジレンマに母親がどう対処したかは,園からの連絡の多寡によっても異なり,入園後間もない時期に,家庭と園が子どもの様子を互いに伝達,共有することの重要性が示唆された。

  • ―「食事の連絡帳」のやりとりの分析から―
    伊藤 優
    2017 年 55 巻 3 号 p. 33-45
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/16
    ジャーナル フリー

    本研究では,連絡帳での保育士と保護者のやりとりを乳児の食事内容に焦点を当てて検討することによって,保育士が保護者と連携して子どもに支援する様相を明らかにすることを目的とする。その結果,保育士の「食事の連絡帳」での支援を受け,保護者と子どもが互いに影響を受け合いながら,それぞれの支援や行動を変容していく様相が明らかとなった。また,保育士と保護者の関係性の変容に伴い,保育士と保護者の単なる情報交換の道具として使用されていた連絡帳が,次第に子どもを支援するための媒介物としての役割も果たすようになっていった。そして,保護者は子どもの食事量や食べられる食材の増加から,子どもの成長を実感したり,子育ての不安を軽減することができており,「食事の連絡帳」が子育て支援や保護者支援としての効果をもたらすまでに,「食事の連絡帳」の機能が変容していったことが示された。

  • ―運営間もない放課後児童クラブ(学童保育)の実態分析を通して―
    諏訪 きぬ
    2017 年 55 巻 3 号 p. 46-56
    発行日: 2017年
    公開日: 2018/03/16
    ジャーナル フリー

    子どもの生活に対する家庭の役割は押しなべて脆弱化し,社会的な支援が必要不可欠となっている。学童期の子どもの場合も例外ではない。小学校における学習・遊び・生活(学校給食)による子どもの生活権・発達権保障の役割は大きいし,放課後の学童の生活を学童保育によって守られている子どもも100万人を超えている。ここでは学童保育の運営に着手して日の浅い学童保育のフィールドワークとアンケート調査を通して,学童保育がどう家庭・学校・地域と連携しようとしているか,事例的にその実態を明らかにする。

第2部 委員会報告
第17回国際交流委員会企画シンポジウム報告
課題研究委員会企画シンポジウム報告
放射能災害にかかる保育問題研究委員会シンポジウム報告
第3部 保育の歩み(その2)
英文目次
編集後記
奥付
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