保育学研究
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最新号
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第1部 特集論文
<総説>
原著<論文>
  • 横山 草介
    2025 年63 巻3 号 p. 11-22
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー
    本論は就学前教育と初等教育という異なる制度的文脈の移行に伴う段差の経験を,それぞれのフィールドに張り巡らされたフォークペダゴジーの差異という概念的視座のもとに整理した上で,この段差の超克をJ. S.ブルーナーの意味生成の行為という着想のもとに捉え直すことを試みたものである。意味生成の行為という視座を通して我々は,就学前教育と初等教育の連携と滑らかな接続に向けた展望は,子どもたちと教育の現場とが互いに異なる当たり前さを抱えたまま出会うことによって生じる葛藤や摩擦の経験を「乗り越え得る段差」として理解し直し,ともに新たな学びと生活の物語を創り出していくための可能性の文脈を探索する過程として描き直される必要があることを論じた。
  • ―日本とスウェーデンの動向に着目して―
    矢崎 桂一郎
    2025 年63 巻3 号 p. 23-34
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー
    本稿では,日本とスウェーデンの幼小連携に関する制度・政策的動向を整理しつつ,「連続性」概念の拡張を試みる。OECDは3つの連続性の概念として,発達の連続性,職の専門性・労働環境の連続性,教育方法・内容の連続性を提示している。日本の動向では主に教育方法・内容の連続性に焦点が当てられていた一方,スウェーデンの動向の分析から,3つの連続性に加え,第4の概念として「理念の連続性」を見出し,拡張することができた。「理念の連続性」は,民主主義の価値観や意見表明権や参加の権利といった子どもの権利に基づき,特別な配慮や支援の必要な子どもを含めたすべての子どもの視点を包摂することを志向する。
  • ―2018年の義務教育化と「学校化」をめぐって―
    大野 歩
    2025 年63 巻3 号 p. 35-46
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,2018年以降に義務教育化されたスウェーデンの就学前クラス改革に焦点を当て,接続期教育の政策体系の変化とそれらが制度設計や実践へもたらす影響を「学校化」の観点から検討することを目的とする。研究方法は,文献調査と現地調査である。分析の結果,次の3点が明らかになった。①義務教育化改革後の就学前クラスにおいては,カリキュラム,評価,実践ともに「学校化」のプロセスが認められた。②就学前クラスの「学校化」プロセスは,接続期教育特有の曖昧さを明瞭化させたことによって進行した。③「学校化」プロセスは,あらゆる子どもへの保育・教育の機会均等を保障しようとする社会包摂的政策と,同時並行に生起していた。
  • ―小学校入学への時間的接近に伴う変容と時間的拡張自己の形成を視点として―
    松田 登紀
    2025 年63 巻3 号 p. 47-58
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,5歳児がカリキュラムとして小学校に出会っていく経験も含み小学校入学に時間的に接近していくことが,社会文化的な場としての「小学校」と自己との関係をどのように変容させ,未来の自己である時間的拡張自己を形成しているのかを描き出すことを目的とした。その結果,時間的接近と時間的拡張自己の形成は必ずしも関連しないこと,現在の自己と連続した未来の自己が形成される場合と異質な未来の自己が形成される場合があることが明らかになった。本結果は,幼小移行を経験する主体としての5歳児にとって,小学校は未来時間に就学する場という意味にとどまらず,自己形成を支える表象としても意味をもつ可能性を示した。
  • ―子どもの親密性に着目して―
    片岡 今日子, 松井 剛太
    2025 年63 巻3 号 p. 59-70
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー
    本研究は,幼小交流活動において,子ども同士の親密性の変化,及び自発的な交流を可能とする要因を明らかにすることを目的とした。親密圏の概念を参照し,交流活動における子ども同士の相互承認の変化に着目して分析を行った。その結果,子どもの声に応じた交流を重ねていくことで,当初は社会的な承認の視点で互いを見ていたが,次第に個々の子ども独自の承認の視点が生まれ,関わりが深まることが分かった。自発的な交流を可能にするには,交流活動に入る前の経験,休み時間における日常的な関わり,子どもとともにつくる活動を通して,それぞれの教育の質を高められることが重要であることが示唆された。
  • 森 友子
    2025 年63 巻3 号 p. 71-82
    発行日: 2025年
    公開日: 2026/04/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,評価の視点から幼小接続期の子供の育ちや学びの姿を継続して捉え,幼児期の育ちと学びを児童期につなぐ評価方法を検討した。評価方法として共有用記録を作成し,5歳児を対象に評価を行い,担任へのインタビュー及び保護者へのアンケートを行った。小学校入学後には学習評価用ワークシートの作成と授業記録を行い,共有用記録を用いて担任へのインタビューを行った。 その結果,①幼児期の育ちや学びの姿には児童期で捉えられているものがある②子供の育ちや学びの姿には捉えにくいものがある③共有用記録による評価の利点等が明らかになった。これらの結果から,幼小接続期の評価方法として,共有用記録の有用性を見出した。
第2部 学会活動報告
第3部 保育の歩み(その2)
英文目次
編集後記
奥付
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