目的:本論文の目的は,理学療法士を取り巻く現状と理学療法の専門性を解説し,理学療法領域における身体活動研究の動向について考察することである。
方法:理学療法士の現状と専門領域の調査においては,日本理学療法士協会(JPTA)の公開データを用いた。身体活動研究の動向を確認するために「糖尿病,身体活動あるいは運動」をキーワードとして過去5年間の日本理学療法学術大会のデータベースを検索した。
結果:2013年6月現在,理学療法士国家試験合格者の合計は110,675名であった。2013年6月,JPTAは日本理学療法士学会とその下部機関となる12の分科学会を設立した。専門性を認定する理学療法士の養成も最近制度化され,将来,専門性を有する理学療法士数の増加が予測される。日本理学療法学術大会データベースの検索の結果,「糖尿病,身体活動」,「糖尿病,運動」をキーワードとして,それぞれ8題,27題の一般演題があった。多くの研究は臨床実践を基盤とするものであり,研究デザインは疫学的には不十分かもしれない。
結論:より適切なデザインで研究を進めるために,運動疫学領域との密な連携が必要である。
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