運動疫学研究
Online ISSN : 2434-2017
Print ISSN : 1347-5827
16 巻, 2 号
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巻頭言
総説
  • Peter T. Katzmarzyk
    2014 年 16 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2020/12/22
    ジャーナル フリー

    Physical activity is associated with improved health status in children and youth. However, a large proportion of the world’s children are currently not physically active, and children in countries undergoing epidemiological transition may be vulnerable to decreasing physical activity levels. Thus, a research priority is the development of effective interventions that can be adapted and deployed in low, middle and high income countries. Given that most current research evidence is from studies conducted in high income countries, further work is required to understand the determinants and correlates of physical activity among children across low and middle income countries. This will require investments in large multi-national studies and in developing research infrastructure and capacity in regions of the world that have not yet conducted physical activity research.

  • 野村 卓生
    2014 年 16 巻 2 号 p. 76-82
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2020/12/22
    ジャーナル フリー

    目的:本論文の目的は,理学療法士を取り巻く現状と理学療法の専門性を解説し,理学療法領域における身体活動研究の動向について考察することである。

    方法:理学療法士の現状と専門領域の調査においては,日本理学療法士協会(JPTA)の公開データを用いた。身体活動研究の動向を確認するために「糖尿病,身体活動あるいは運動」をキーワードとして過去5年間の日本理学療法学術大会のデータベースを検索した。

    結果:2013年6月現在,理学療法士国家試験合格者の合計は110,675名であった。2013年6月,JPTAは日本理学療法士学会とその下部機関となる12の分科学会を設立した。専門性を認定する理学療法士の養成も最近制度化され,将来,専門性を有する理学療法士数の増加が予測される。日本理学療法学術大会データベースの検索の結果,「糖尿病,身体活動」,「糖尿病,運動」をキーワードとして,それぞれ8題,27題の一般演題があった。多くの研究は臨床実践を基盤とするものであり,研究デザインは疫学的には不十分かもしれない。

    結論:より適切なデザインで研究を進めるために,運動疫学領域との密な連携が必要である。

原著
  • 畑山 知子, 種田 行男
    2014 年 16 巻 2 号 p. 83-91
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2020/12/22
    ジャーナル フリー

    目的:完全非対面による通信型運動介入プログラムのコンプライアンスおよび膝痛緩和効果について,ランダム化比較試験にて明らかにすることを目的とした。

    方法:対象者は名古屋市健康福祉局健康増進課が開催した通信型体操教室に自主的に参加した軽度の膝痛を有する在宅自立高齢者150名であった。これらの対象者を介入群(n=75)および対照群(n=75)にランダムに割付けた。介入群には膝痛緩和のための通信型運動介入プログラム(主に大腿四頭筋の強化と関節可動域の改善を目的とした4つの体操)を印刷教材として郵送し,自宅で1か月間毎日体操を実施するよう指示した。膝痛の評価にはWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Indexに準ずる日本語版膝機能評価(以下,準WOMAC)を用いた。

    結果:介入期間中における全対象者の体操実施率は87.1±15.9%(平均±SD)であった。介入群の準WOMACスコアは対照群に比べて有意に改善した。準WOMACスコアの効果量(effect size)は0.50であった。

    結論:完全非対面の通信型運動介入プログラムの実用性および有用性が認められたことから,膝痛を有する高齢者の疼痛緩和のための地域保健事業として活用できる科学的根拠が示唆された。

資料
  • 種田 行男, 井上 茂, 武田 典子, Fiona Bull
    2014 年 16 巻 2 号 p. 92-110
    発行日: 2014/09/30
    公開日: 2020/12/22
    ジャーナル フリー

    身体活動の促進に関連する国家レベルでの政策や行動計画がどのように策定され,どのように実施されたかについての情報と経験を関係者らが共有することは,目的達成のために極めて重要なことと考えられる。 European network health-enhancing physical activity promotion (HEPA Europe) の身体活動促進の国家的アプローチに関するワーキンググループは,健康増進のための身体活動に関する政策監査ツール (Policy Audit Tool; HEPA PAT) を開発した。HEPA PATの開発目的は,健康増進のための身体活動に関連する各部門の政策を総合的に概観することである。このツールは身体活動促進のポピュレーションワイドアプローチを成功させるための17の基準によって構造化されている。HEPA PATを利用して政策監査を実施するためには,さまざまな政府機関や健康増進のための身体活動に関心をもつ組織の協力が不可欠である。したがって,HEPA PATの完成プロセスは将来の政策策定やその実施のために必要な部門間の連携強化につながる可能性がある。本稿はHEPA PATの開発経緯および監査内容について概説し,HEPA PATの原文を日本語に翻訳したものを示した。

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