目的:回復期リハビリテーション病棟における脳卒中者の強度別身体活動時間について,移動形態別に調査すること。
方法:本研究は7施設の回復期リハビリテーション病棟に入院中の脳卒中者を対象とした横断研究である。対象者119人に対し,入院後1か月時点のFunctional Ambulation Categories(FAC)とFunctional Independence Measure(FIM)を用いて,(1)歩行自立群(FAC 4以上),(2)車いす自走群(FAC 3以下,FIM車いす駆動6点),(3)移動非自立群(FAC 3以下,FIM車いす駆動5点以下)の3群に分類した。身体活動量は3軸加速度計(HJA-750C)を用いて測定し,入院1か月時点の座位行動,軽強度活動,中高強度活動を3群間で比較した。
結果:座位行動の中央値(四分位範囲)は移動非自立群が600.6(547.6, 636.4)分で車いす自走群の537.6(480.0, 592.2)分と歩行自立群の502.1(449.9, 563.2)分に比べて有意に長かった。軽強度活動は移動非自立群の98.8(76.5, 134.0)分が車いす自走群の195.0(165.9, 247.3)分と歩行自立群の155.4(138.0, 218.5)分に比べて有意に短かった。中高強度活動は歩行自立群の17.4(5.6, 33.9)分が移動非自立群の2.4(1.3, 4.0)分と車いす自走群の2.3(1.7, 6.7)分に比べて有意に長かった。
結論:回復期リハビリテーション病棟入院中の脳卒中者において,車いす駆動自立者の軽強度活動時間は歩行自立者と同程度であることが明らかとなった。
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