抄録: 超高齢社会を迎え, 訪問リハビリテーション (以下, 訪問リハ) を受給している要介護者は, 老化に伴う身体機能や認知機能の低下にくわえ, 複数の慢性疾患を併存する者も多く, 多種多様な臨床像を呈する. 特に内科系疾患を有する者は, 病状変化や急変を来すことが多く, 入退院を繰り返すことも少なくない. よって, 訪問リハ従事者は, 身体機能の改善のみならず, 全身状態管理や生活指導・支援, 患者教育等の役割も担う必要があり, 多職種と連携した包括的アプローチが重要となる. 本稿では, 訪問リハ対象者の変遷からリスク管理の重要性を再認識し, 対象者の全身状態を把握する手段の一つであるフィジカルアセスメントについて解説する. また, リスク管理能力を高めるための方策や臨床における実践方法についても示し, 安全で質の高いリハビリテーション実践の足掛かりとする.
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