【目的】高校教員のヤングケアラー支援に対する意識について明らかにする.
【方法】I県立高校の管理職, 養護教諭, 教育相談担当教員を対象に, 郵送による無記名自記式質問紙調査を行った. 質問項目は, 基本属性, 教育相談における意識, ヤングケアラーとの関わりに関する40項目とした.
【結果】153名 (91.0%) の教員が, これまで勤務した学校でヤングケアラーを認識していた. ヤングケアラー支援に対する教員の意識は, 管理職は「外部との連携」, 教育相談担当教員は「進路選択に関連する情報提供」, 養護教諭は「生徒の言動から家庭の問題に気づく」等, 役割によって「出来る」と考えていることが異なっていた(p<.05).「アルバイト等をして家計を支えている」ヤングケアラーを認識している教員は81%を超えたものの, 本人からケアについて話を聴いた教員は36.9%に留まった.
【結論】ヤングケアラー支援における体制が未確立であるなかで, 高校教員はそれぞれの役割を活かし, 支援を推進してきたことが示唆された.
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