実験音声学・言語学研究
Online ISSN : 1883-6763
7 巻
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寄稿論文
論文
研究ノート
  • 池田 潤, 桐越 舞, 川邉 貴英
    原稿種別: 研究論文
    2015 年7 巻 p. 65-74
    発行日: 2015/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    子音文字の視覚情報処理に関する基礎実験として、4 名のヘブライ語母語話者に表2 の視覚刺激を呈示し、それらを黙読する指示を与えて事象関連電位を測定した。N170 に着目した予備実験(池田ほか2014)の結果は部分的にしか再現しなかったが、N170 とP250 の電位差に着目したところ、母音記号を付した刺激の方が付さないものよりも一貫して電位差が大きく、1 ユニットからなる刺激の方が2 ユニットのものより一貫して電位差が大きいという興味深い特徴が確認された。今回の実験結果から、ヘブライ文字の場合、N170 とP250 の電位差が母音記号の有無という物理量、およびユニット数という認知量を反映している可能性が示唆される。

  • 福盛 貴弘
    原稿種別: 研究論文
    2015 年7 巻 p. 75-84
    発行日: 2015/03/24
    公開日: 2023/06/15
    ジャーナル フリー

    本研究では、「いかだ:烏賊だ/筏」や「こうし:子牛/格子」のように、同じかな文字表記であっても形態素分析によって意味するところが変わる同字異義の語彙に対して、事象関連電位が関与するか否かを検証した。視覚刺激として格処理に関わらないという条件で形態素数が異なる組み合わせの語彙を被験者に提示し、文字知覚から前語彙的処理を行なっていると仮定されているN170 成分およびP250 成分を含んだ電位量の比較から、形態素処理が負荷となって事象関連電位に反映するかを試みた。結果として、N170 およびP250 成分については、O1、O2、T5、T6 において増大した。しかし、部位間および形態素の数の違いに関して電位量については有意差が得られなかった。この点から、形態素処理に関しては特段の負荷がかかっていないため、事象関連電位に反映しなかったと考察した。

彙報
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