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稲垣 航大, スフバートル アナラソブド, 谷口 守
2024 年22 巻4 号 p.
538-543
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
コンパクトシティ政策の推進に向けて、その主体となる行政職員の認知・意向の実態を捉えることは重要である。行政職員の認知・意向の実態は、政策に関する制度改定の節目において変化してきたことが報告されている。そのため、本研究では3時点における全国の行政職員の認知・意向の実態を捉えるアンケート調査を実施した。その結果、1)行政職員の認知は、実現可能性を除き近年にかけて向上していること、2)政策実現への意向は、近年にかけて担当者の異動などが課題となってきていること、3)行政職員の中には、政策の重要性や必要性を認知せず、当事者意識も持たない職員が15%程度存在することを明らかにした。
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明治期から昭和初期の料理屋・待合茶屋・芸妓数の推移に着目して
久保 有朋
2024 年22 巻4 号 p.
544-551
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
"花街 "は、日本の伝統文化を包括的に継承する貴重な歓楽空間である。本研究は、新潟県における近代花街の変遷を明らかにすることを目的とし、近代花街を主に構成した料理屋・待合茶屋の軒数及び芸妓数の推移を地区単位で明らかにする。主な結果は以下の通りである。1)料理屋数は1893年から1930年まで増加傾向を示したが、1930年をピークに減少し、芸妓数の推移と正の相関を示した。一方、待合茶屋は明治中期に減少傾向を示したが、明治後期から昭和初期にかけて増加した。2)料理屋と芸妓は新潟県内の51地区すべてで見られ、その内新潟が最も多く、次いで長岡、高田の順で多かった。3)全国的な傾向と比較すると、大正期から昭和初期にかけての増加・減少傾向はどの業種も概ね同様だが、新潟県内の方が料理屋・芸妓数のピークと減少の始まりがやや早いことが確認された。
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南相馬市小高区を対象として
田澤 士琉, 川﨑 興太
2024 年22 巻4 号 p.
552-559
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究は原発事故から12年が経過した南相馬市小高区に帰還・移住し生活する住民の生活環境面でのWell-beingを調査し、今後の福島復興政策のあり方を検討する上での基礎資料を提供するものである。小高区の現在の「総合生活満足度」の平均点数は4.15点であり、原発事故前から1.61点低くなっていることが。回答者を「60代未満」と「60代以上」に分類し分析を行った。「60代以上」の「総合生活満足度」は「60代未満」よりも高く、「デジタル環境」と「防災環境(原子力災害)」の分野を除くすべての分野で「60代以上」の点数が「60代未満」を上回っていた。
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鈴木 伶音, 川﨑 興太
2024 年22 巻4 号 p.
560-564
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は、福島県、原発避難12市町村に対するヒアリング調査やアンケート調査の結果に基づき、原発避難12市町村における起業支援の現状と課題を明らかにすることである。本研究を通じ、原発避難12市町村における起業支援事業については「移住にかかわる補助金」や「初期投資にかかわる補助金」を実施している自治体が多いこと、「補助金の充実」や「住宅や事業所などの物件の確保」を起業者増加に向けての課題として考えている自治体が多いことが明らかになった。
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荒川 知輝, 川﨑 興太
2024 年22 巻4 号 p.
565-570
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は、福島県における震災語り部の実態を明らかにするとともに、震災を長期にわたり語り継ぐうえでの課題を明らかにすることである。本研究を通じ、福島県の語り部は70代以上が半数以上を占めており次世代の語り部の担い手が不足していること、情報の共有や語り部どうしの交流など団体間の連携をさらに強化する必要があること、時間の経過による風化の進行や認知度の向上が課題であると考えている団体が多いことなどが明らかになった。
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佐藤 陽菜乃, 川﨑 興太
2024 年22 巻4 号 p.
571-578
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は、福島市における子ども食堂の現状と課題を明らかにすることである。本調査を通じて、福島市の子ども食堂の多くはコロナ以降に設置されたこと、コロナ前と比較して「無料」の子ども食堂が増加していること、約74%の子ども食堂が物価上昇の影響を受けていること、子ども食堂の設置・運営における課題として「資金の確保」が最も多いことなどが明らかになった。
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福島県福島市を事例に
髙橋 和詩, 川﨑 興太
2024 年22 巻4 号 p.
579-583
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究の目的は、地方都市中心市街地の駐車場の立地や規模の現状を明らかにし、駐車場の形態別の立地要因を明らかにすることである。本研究を通じ、福島県福島市の中心市街地には計528箇所の駐車場が立地しており、中心市街地の20%に相当する26.3haが駐車場として利用されていることが明らかになった。また、福島駅から距離が近い場所には時間貸し駐車場が多く、福島駅から距離が遠い場所には月極駐車場が多く立地していることなど、駐車場の形態によって立地の特徴に違いが見られることが明らかになった。
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北九州市における産官学金メディア連携・多世代交流による「新ビジョン」への期待
尾藤 文人
2024 年22 巻4 号 p.
584-585
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
現在、政府では「デジタル田園都市国家構想実現会議」が開催され、「デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されずすべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する」という構想である。これを受けて、国土交通省において「地域の公共交通リ・デザイン実現会議」が開催されており、共創モデル実証プロジェクトが立ち上がっている。『北九州魅力探究プログラム『アオハルし放題』』が同プロジェクトとして採択され、「北九州の魅力を『リ・デザイン』で探究する!」と題して、シンポジウムを2回、「レゴ®シリアスプレイ®ワークショップ」を1回開催し、交通まちづくり政策立案の可能性を探ったところである。時同じくして、北九州市では「北九州市新ビジョン検討会議」が開催され、「基本構想」と「基本計画」について議論がなされているところである。本プロジェクトが産学官金メディア連携及び多世代交流による「新ビジョン」への期待に繋がれば、幸いである。
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植田 直樹, 菊池 佐智子, 村上 暁信
2024 年22 巻4 号 p.
586-591
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
グローバルなESGへの取り組みが活発化している。その結果を非財務情報として開示する手法として、第三者認証制度が利用されている。第三者認証に関する研究は多いが、その認証結果に関する研究はない。そこで、日本における企業緑地の創出・維持を評価するSEGESとABINCの2つの認証制度を選定し、認証取得事例を調査した。認証取得件数は年々増加している。パフォーマンスを俯瞰するため、土地や建物を所有(タイプⅠ、Ⅱ)するか、売却(タイプⅢ)するかで分類した。所有する場合は、自社事業用(タイプI)か賃貸事業用(タイプII)かに分類した。その結果、所有タイプIとIIでは、緑地の総合的な価値を評価するSEGESが好まれることがわかった。また、2つの制度の認証更新率は、タイプIIIでは低かった。TNFDの公表により、非財務情報開示の動きはさらに強まることが予想されるが、第三者認証制度がこの流れに対応し続けられるかどうかは、認証取得を目指す企業の意識調査によって見極める必要がある。
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今村 洋一
2024 年22 巻4 号 p.
592-597
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、北陸三県の国立大学(富山大学、金沢大学、福井大学)を対象に、旧軍施設の転用実態を整理する。富山県では、罹災した富山師範学校が、郊外の旧軍施設(旧歩兵第35連隊)に移転し、新制移行後30年以上かけて、その校地及び隣接地に集約移転した。石川県では、非罹災の金沢高等師範学校や石川青年師範学校が、郊外の旧軍施設に移転した。一方、占領軍の方針もあり、城郭部の旧軍施設が新制金沢大学のメインキャンパスとなり、集約移転が進められた。福井県では、罹災した福井師範学校が、郊外の旧軍施設(旧歩兵第36連隊)に移転した。また、後の福井地震で罹災した福井青年師範学校も郊外の旧軍施設(旧歩兵第36連隊)に移転した。新制移行後は、福井市内の工学部周辺への集約移転が進められた。
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今村 洋一
2024 年22 巻4 号 p.
598-603
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では、甲信越三県の国立大学(山梨大学、信州大学、新潟大学)を対象に、旧軍施設の転用実態を整理する。山梨県では、罹災した山梨師範学校と山梨工業専門学校が、近隣接する旧軍施設(旧歩兵第49連隊)に移転し、新制移行後、その校地と元の校地の一帯に集約移転した。長野県では、非罹災の松本医学専門学校が、郊外の旧軍施設(旧歩兵第50連隊)に移転し、新制移行後、松本市内に限っては、その校地及び隣接地に集約移転した。新潟県では、新潟第二師範学校が、隣接する城址の旧軍施設(旧第13師団司令部)に女子部を開設して校地を拡張した。また、非罹災の新潟青年師範学校や新潟県立農林専門学校は、他都市の旧軍施設(旧歩兵第16連隊、旧歩兵第16連隊第3大隊)に移転した。新制移行後は、新潟市郊外の新たなキャンパスへの集約移転が進められた。
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新井 拓朗, 村木 美貴
2024 年22 巻4 号 p.
604-608
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
我が国は、脱炭素社会実現に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化を推進している。なかでも住宅地では、省エネルギー化と太陽電池の普及が必要とされている。さらに、エネルギーの地産地消に向けては蓄電池の導入が重要である。本研究の目的は、太陽電池に併設する蓄電池を導入するべき街区の特性を明らかにすることである。研究の結果、戸建住宅の多い大規模な街区において蓄電池を導入することが有効であること、密集市街地整備と連動して蓄電池を導入することで効果がより大きくなることが明らかとなった。
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梶原 彰吾, 近藤 民代, 新田 有沙, 北岡 直子
2024 年22 巻4 号 p.
609-615
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本研究では重要伝統的建造物群保存地区を対象に、住民の防災対策行動へ至る過程とそれにかかわる要因を調査した。本研究により、重要伝統的建造物群保存地区の住民が防災対策を実践する過程が明らかになった。また、当該地区では、地域によって住民の住宅改修工事の目的が異なることが明らかになった。それを踏まえたうえで、目的に応じて支援を変える必要性を考察した。また、住宅の防火対策に対する住民の関心が意思決定に直接関係していないことが明らかになった。住民が防災対策を講じる過程には2つのパターンが存在する可能性を考察した。地域差や住民一人ひとりの防災レベルを理解した上での行政支援が必要であると結論づける。
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令和6年能登半島地震を対象に
坂巻 哲, 今中 啓太, 大島 一夫, 阿南 朱音
2024 年22 巻4 号 p.
616-620
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本調査では,「サービス」が移動するモビリティと連携した防災まちづくりを検討する基礎資料を得ることを目的に,石川県能登地方において被災者の生活を支援するモビリティの活用状況を調査・分析した。その結果,「サービス」が移動するモビリティの支援には,「食」「洗濯・入浴」「宿泊」「医療」「インフラ」と5分野あること、また上下水,電力および通信といった「インフラ」に関わるモビリティは,発災後1~5日と早期の段階で被災者の支援を開始していることが確認できた。そして、「サービス」が移動するモビリティによる災害支援の重要性や、モビリティによる災害支援には自治体間での応援協定や自治体と民間会社・業界団体との連携協定の有用性は高いことが把握できた。
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定額制住み放題サービス ADDress 社の会員を対象として
山口 千晶, 近藤 民代, 室崎 千重, 澤田 亘輝, 吉村 陽彩
2024 年22 巻4 号 p.
621-624
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
この研究では,定額住み放題サービスを提供するADDress社の利用者を対象として,多拠点居住者のホームと多拠点居住者にとっての拠点の意味を明らかにし,多拠点居住者が求めている住まい方について考察する.多拠点居住者のホームは精神的なホームと場所的なホームの組み合わせにより形成されている.さらには多拠点居住には利用者のホームを変化させる影響力がある.また拠点には9つの意味が存在することを明らかにした.この結果から,多拠点居住者は住まいの中に他者とのコミュニティを取り込むこと,住まいの中に可変性があること,多様な住まい方を経験することを求めていると考えられる.
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千葉県における多様な産業の受け皿づくりの取り組みについて
小川 剛志
2024 年22 巻4 号 p.
625-628
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本報告は、都道府県は市町村の産業誘致に対し、どのような支援ができるのか。千葉県の取り組みを事例として、地方分権下における都道府県の役割について検証する。千葉県は、高速道路等の整備と成田空港の機能強化、そして本県が持つ特性や地域資源を最大限に生かし、インターチェンジ周辺や成田空港周辺地域等に多様な産業の受け皿づくりを進め、本県の発展と地域の振興に寄与することを目的として、県の市町村への支援、相互の連携を促進ための多様な産業の受け皿づくりのの基本的な方針を定めた。基本的な考え方として、①計画的な土地利用の促進、②多様な産業の立地促進、③周辺環境・景観と調整した土地利用の促進、④市町村と県の緊密な連携による取り組み、⑤民間活力の導入の5つを示した。県は市町村からの産業誘致の受け皿づくりやまちづくりに関する総合的な相談窓として「まちづくり支援室」と「受け皿づくり支援チームを設置し相談・調整し支援する体制を整えた。地方分権により、都市計画法の決定権限等が市町村に移り、まちづくりの主体は市町村である。都道府県は、経験のない市町村に調整ノウハウや手続きの進め方等を支援する必要がある。すべての市町村が自らの力でまちづくりを行ける日まで市町村を支援することは都道府県の重要な役割であると考える。
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千葉県の都市づくりビジョンと広域都市計画マスタープランの策定を事例として
小川 剛志
2024 年22 巻4 号 p.
629-634
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本報告は、地方分権下の都市計画において、都道府県は何ができるのか。市町村に対しどのような支援ができるのか。千葉県の取り組みを事例として、都道府県の役割について検証する。 これまでの都市計画は、人口の増加、産業の拡大を前提としたが、今後の人口減少を受け、大きな転換期を迎えている。そして、生活圏・経済圏の拡大により、市町村の区域を越えた広域的な都市計画が必要となっている。千葉県は、現在の都市計画区域の区域を越えた県全域を対象とし、広域的な視点から本県の将来の都市づくりの⽅向性を⽰した都市づくりビジョン」を策定した。このビジョンに基づき、都市計画の見直し基本方針を策定した。都市計画区域マスタープランを広域都市計画マスタープランへの転換することとした。 広域都市計画マスタープランは、都市計画区域外も含め6つの広域都市圏を設定した。都道府県の役割は、県全域における都市計画・まちづくりの指針となるビジョンを策定すること。そして、広域マスタープランにより、広域的に必要な道路や施設の決定や一体的な整備、そして土地利用や開発のルールを調整し、示していくことが重要な役割である。加えて、都道府県と市町村が連携・協力して都市計画を行っていくための仕組みづくり、マネージメントが、今後の都道府県の担うべき役目でもある。
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近隣地域ごとの詳細な設定を中心に
荒井 栄輝, 岡崎 篤行
2024 年22 巻4 号 p.
635-639
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
日本の用途地域と比べ、ゾーニング先進国である米国ボストン市では、近隣地域ごとにゾーニング種別や規制内容が多岐に渡る。本研究の目的は、ボストン市におけるゾーニングの変遷及び規制状況を明らかにすることである。分析の結果、以下のことが明らかになった。1)ボストン市のゾーニングは1924年1962年、1984年に変化しており、2)中心部と、新しい郊外と、新しい中心部の3つのタイプの地区が存在しており、3)3つのタイプのゾーニング種別は合計220種類あり、4)特に新しい郊外の住居系では規制値やゾーニング種別が細かく分けられている。
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福島県を対象として
佐野 拓海, 岡崎 篤行
2024 年22 巻4 号 p.
640-643
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
日本酒の年間消費量や清酒免許場数は減少傾向にある。これでは、酒蔵の地域性が失われる可能性がある。一方で、近年では酒蔵建築を観光地として活用し、地域の活性化につなげる動きも見られる。このため、国内に残存する酒蔵の立地状況や酒蔵建築の活用実態を明らかにする網羅的な調査が必要である。これまでの研究では、新潟県、福井県、石川県、富山県で調査を行った。本研究では福島県における酒蔵建築の調査結果について述べる。
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千代田区大手町・丸の内・有楽町地区を対象として
平岡 拓, 村木 美貴
2024 年22 巻4 号 p.
644-648
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
中心業務地区の事業継続の観点から、分散型エネルギーシステムの構築が注目を集めている。これに対し国は、蓄電池整備とEVを活用した次世代の分散型電力システムの構築を目指しているものの、EVや蓄電池を保管可能なスペースは限られている。ところで、公共交通の利便性の高さによって、東京都区部では駐車場義務の過剰整備が課題となっている。本研究の目的は、事業継続に向け、未利用駐車空間へEV及び蓄電池の整備手法を明確にすることである。本論中では、未利用駐車空間の総量を算出し、EV及び蓄電池の導入を検討した。その結果、防災性は規制緩和したパターンにおいて確保された。また、電気自動車の平常時の利用や間接便益を考慮することで、収益性を確保し、事業の有効性を明確にした。
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札幌市都心部と郊外部の連携に着目して
小森 廉太, 村木 美貴
2024 年22 巻4 号 p.
649-653
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
我が国はCO2排出量の削減に向けて、再生可能エネルギーの導入拡大とエネルギーの地産地消を推進している。しかし、再生可能エネルギーは都心部における賦存量が少なく、その供給は不安定である。そこで、地域熱供給と地域新電力が連携して地域に賦存する再生可能エネルギーを活用することが重要とされているが、その具体的な事業手法は明らかでない。本研究の目的は、市街地更新を契機とした地産地消型の熱電併給事業展開のあり方を明らかにすることを目的とする。結果、都心部における地産地消型の熱電併給事業展開に向けては、郊外部と連携した再エネ熱電の供給拡大と地域経済波及効果を考慮した熱電併給事業の評価が重要であると明らかになった。
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コロナ禍における‘Hisaya-odori Park’を事例として
飯田 和也, 岡本 肇
2024 年22 巻4 号 p.
654-658
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
昨今、公園のサードプレイスとしての機能が注目されている中で、本研究では個人がのんびりできる公園が現代社会にとって必要不可欠な存在であると考える。そこで名古屋市のオフィス街に位置する「Hisaya-odori Park」を研究対象とし、コロナ禍の時期の平日の滞在者の動向を定期的な写真撮影や目視調査等で把握し、のんびり過ごす空間として機能しているのかを検証した。その結果、のんびり過ごす空間として機能していることを確認できた。そしてよりよく機能させるためには日照条件を考慮しながらその公園で滞在する属性や性別に寄り添って設計することが必要であると結論づけた。しかし2021年と2022年を比較すると滞在者は減少しており、今後さらなる詳細調査が必要であると考える。
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小塚 みすず, 久谷 真輝
2024 年22 巻4 号 p.
659-664
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
障がいのある人々にとって外出は容易なものではない。本研究の対象である,重度の肢体不自由と知的障がいのある「重症心身障がい者」は身体的機能や介助者の負担などから外出自体が困難な場合がある。新型コロナウイルス感染症の蔓延禍では,障がい者は健常者以上に影響を受け,外出先での活動内容の見直しや外出機会自体が減少したと考えられる。本研究では,コロナ禍において障害福祉サービス等事業所が外出を伴う余暇活動を実施する際に考慮事項や課題を明らかにすることで,外出時の障がいとなる要因を把握するとともに,外出時の身体的負担を軽減するための配慮事項や取組を探る。
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オタカロ・エイボン川回廊再生計画を事例に
石原 凌河, 大庭 哲治, 栗山 尚子, 大島 洋一, 岡 絵理子, 辻川 ひとみ, 松本 友惟, 宮部 浩幸, 森田 恭平
2024 年22 巻4 号 p.
665-669
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
本稿では、ニュージーランド・カンタベリー地震でレッドゾーンに指定され、その区域内の再生を図るための計画である「オタカロ・エイボン川回廊再生計画」を事例として、レッドゾーン区域内での土地の再生戦略について報告するとともに、災害による居住禁止区域内での土地の利活用のあり方について考察した。 その結果、災害による居住禁止区域内での土地の再生戦略として、1)市民との対話を重視して計画が策定されたこと、2)国土全体への波及効果も目指していること、3)震災の経験を踏まえた国際的な研究を推進すること、4)国有地の暫定利用を奨励していること、5)ビジョンを達成するための道筋を段階的に描いていること、の5点が重要であることが示唆された。
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澤田 亘輝, 近藤 民代, 室崎 千重, 山口 千晶, 吉村 陽彩
2024 年22 巻4 号 p.
670-674
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
フリー
ワーケーションを実践する事で生じる、住意識の変化や住まい方志向を明らかにすることが、本研究のテーマである。実践者は実践地での体験から、自らの住まいや住まい方の選択肢について考えるようになっている。実践地での仮住まいを通して、人との関わり、自然環境、職場環境などに影響を受け、定住地に対するこだわりが小さくなっている層が現れている。ワーケーションという気軽にできる仮住まいを繰り返すことで、実践者たちは自分たちの理想の生き方を模索し、それを実現しようとしている。
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樋野 公宏, 安部 孝文, 雨宮 護, 後藤 智香子, 花里 真道, 石井 儀光, 鎌田 真光, 中迫 由実, 高柳 百合子, 寺内 義典, ...
2024 年22 巻4 号 p.
675-682
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
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小学生の通学実態を把握するため、2023年秋、市区町村立の小学校に通う子を持つ20~49歳の女性を対象にオンラインアンケートを実施し、6000人の有効回答を得た。過去1週間、毎日徒歩で登校、下校した子は各82%, 67%で、都市規模が大きいほど高割合だった。徒歩以外では家族の車が多いが、下校時は塾や学童の送迎も多かった。スクールバスを月11日以上利用した子は、登下校とも2%未満だった。近所の子との登下校(登下校班含む)が多いが、単独の子も各15%, 11%存在した。単独行動(いわゆる移動自由性)については、77%が下校を許可される一方、校区外への移動は15%、バスや電車の利用は11%と許可割合が低かった。遭遇するリスクとして、不審者は登下校時、交通事故と熱中症は登下校以外に高かった。本調査データは、通学時の安全と身体活動の両立を検討するための資料とする。
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名谷駅・西神中央駅を事例に
雫石 千代乃, 太田 尚孝
2024 年22 巻4 号 p.
683-686
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
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人口減少や高齢化に起因する諸課題を背景に、集約型都市構造化が進んでいる。またポストコロナの多様な暮らし方や働き方により副都心的地域の重要性も高まっている。これらの背景を基に、本研究では多極分散型の都市構造を前提に副都心的地域の駅周辺での総合的空間形成を目指す取り組み「リノベーション・神戸」を対象に、その成果や課題をを見出すことを研究目的とした。実態解明に向けて、広場利活用支援事業者に対して調査を行った。「リノベーション・神戸」は市民へのPR効果や都市機能誘導効果があるとみられるが、取り組みが不明瞭なことや事業者の企業努力に頼っている部分が大きいといった課題が明らかになった。
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中核市を事例として
金城 涼太, 石川 永子
2024 年22 巻4 号 p.
687-690
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
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本研究では、中核市へのアンケート結果を基に災害時食物アレルギー対応の実態と課題について分析を行った。(1)9割以上の中核市においてアレルギー除去食品が備蓄されているなど、法律などで求められている食物アレルギー対応は既に行われている。(2)食物アレルギー対応について、周知方法や分配方法が特に決まっていない中核市が最多となっており、除去食品のバリエーションを重視していない中核市が多い。また、第2~4成分(管理者視点)の分散の合計は第1成分(当事者視点)の約2倍となっている。(3)中核市は今後、既に行っている食物アレルギー対応について情報発信を行い、また当事者目線に立って対応を進めていくべきである。
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鳥取市袋川の写真による印象評価
加藤 禎久, 一木 真理子
2024 年22 巻4 号 p.
691-696
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
研究報告書・技術報告書
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本研究は、鳥取市市街地を流れる袋川の歴史的変遷と現在の整備状況を踏まえ、印象評価調査を通じて景観保全の方向性を探ることを目的としている。袋川緑地の緑視率、プロフィール分析、主成分分析を組み合わせることで、歩きやすさ、親しみやすさ、緑の豊かさなどの属性が景観評価に重要な影響を与えていることが明らかになった。また、都市空間の社会的・機能的な質と自然環境的な質のシナジーが重要であることが示された。緑視率が高い河川緑地も、適切な植生管理と歩道の整備がなければ、好印象にはつながらない。本調査では限られた数の写真と回答者を用いたが、今後の調査で対象を拡大することで、より一般化された高評価の河川緑地空間形成に寄与することが期待される。
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滋賀の織物産地における文化遺産と産業景観の構造
平田 廉, 轟 慎一
2024 年22 巻4 号 p.
697-701
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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滋賀県の地場産業を把握するとともに、そのうちの一つである高島市新旭町の繊維産地の立地と展開、産業空間の構成について明らかにした。対象とする産地は衣料用織物業、産業資材用織物業、撚糸業により形成されており、今日においては後継者不足や需要の低迷などによる事業の縮小で、稼働していない工場も点在する。ここに残る木造繊維工場に見られる特徴と立地について調査することにより、建築に見られた特徴や、廃業後の繊維工場を活用した事例や倉庫として使用されている事例を把握した。産地には多くの繊維工場が残るが、これまでは景観資源としての言及はされておらず、高島綿織物の空間資源活用への可能性が捉えられた。
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秋田川反を対象として
阿部 七徳, 岡崎 篤行
2024 年22 巻4 号 p.
702-703
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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花街は伝統的な歓楽街を表す日本の用語である。 日本の伝統文化を総合的に継承している。 川反は秋田最大の花街である。 本研究は、1926年、1937年、1965年、2023年における花街の建物分布の推移を明らかにすることを目的としている。 結論を以下に示す。 1) 置屋の数は 1926 年から 1937 年にかけて増加し、その後減少した。 2) 料亭の数は 1926 年から 1965 年にかけて増加していた。 3) 料亭が最も多かった地区は川反 4 丁目、置屋が最も多かった地区は川反 5 丁目であった。 4)置屋、料亭の多くは川反4丁目、川反5丁目に分布していた。
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インターネット地図機能を用いた基礎的広域調査
増田 大和, 岡崎 篤行, 沖田 竜馬, 于 子珂
2024 年22 巻4 号 p.
704-705
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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歴史的建造物である町屋の棟向きは、地域性を有し、町並みを形成する重要な要素である。また町屋の棟向きは局所的に変化する場合があるため、広域的かつ網羅的な調査を行わなければならない。しかし近年、町屋を含めた歴史的建造物は減少傾向にあるため、早急な調査によって各地域の特徴を把握する必要がある。本研究は、静岡県を対象としている。また、各集落の町屋の残存状況や細部意匠についても考察する。
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インターネット地図機能を用いた基礎的広域調査
五十嵐 皓喜, 岡崎 篤行, 沖田 竜馬, 于 子珂
2024 年22 巻4 号 p.
706-708
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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歴史的建造物である町屋は、地域特有の町並みを形成する重要な資産である。特に、町屋の棟向きは町並みの特徴を表す要素であり、集落単位で変化する場合があるため、広域的かつ網羅的に調査する必要がある。しかし、近年町屋は減少傾向にあるため、全国の棟向きの分布の把握は急務である。本研究は棟向きを中心とし外観に特化した基礎的調査であり、インターネット地図機能を利用した迅速な調査である。本研究は全国調査の一環として三重県北部を対象に、町屋の残存概況及び棟向きの分布を明らかにすることを目的とする。
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インターネット地図機能を用いた基礎的広域調査
徐 路遥, 岡崎 篤行, 沖田 竜馬, 于 子珂
2024 年22 巻4 号 p.
709-712
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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棟向きは歴史的建造物である町屋を説明する際に基本的な要素であり。近年,町屋の数は急速に減少しているため,広域的かつ網羅的に基礎的調査する必要がある。また,狭い範囲で棟向きが変わることもあるため,集落ごとに全国的な棟向きの調査を行う必要がある。岐阜県全域を対象として町屋の残存状況も調べます。
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趙 夢柔, 岡崎 篤行
2024 年22 巻4 号 p.
713-716
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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21世紀以降、中国大都市の都市拡張が徐々に減速し、都市発展が新しい段階に入った。多くの行政機関による、歴史的文化遺産の情報のデジタル化が行われ、こうした都市計画情報を活用した。本研究では、杭州市を研究対象として、今後の杭州市の歴史的環境保全に生かす方策を検討するために、杭州市の歴史的環境保全制度に関する条例と計画の展開を整理し、デジタル社会における杭州市の文物保護事業の状況を把握する。そして、行政、住民との交流手段の変化を明らかにすることを目指している。
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西坂 涼, 古谷 勝則
2024 年22 巻4 号 p.
717-720
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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本稿は東日本大震災の震災遺構の整備・活用における市民参加の実態を調査した。300件を超えるデータを収集し、49件の市民参加の事例をまとめた。様々な市民参加の手法を抽出・分類し、市民参加のあり方について考察した。市民参加のあり方は「市民が受け入れる市民参加」、「市民から働きかける市民参加」、「市民が担う市民参加」に分類された。結論として、震災遺構の整備や活用において、市民参加の手法や頻度に加えてあり方に着目し、市民からの働きかけへの柔軟な対応や協働関係の構築といった視点から、市民参加を計画する必要性を示した。
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東京都世田谷区を対象とした事例分析
平原 幸輝
2024 年22 巻4 号 p.
721-722
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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本分析では、東京都世田谷区における市街地再開発事業に伴い、人口の変化や、職業階層・学歴構造・所得階層といった社会階層の変化が、どれほど生じているのかを、データから確認した。その結果、市街地再開発事業に伴い、各地域で人口が増加していることが確認された。また、2000年代以降、事業が行われた2つの地域では、職業階層・学歴構造・所得階層が上層化しており、ジェントリフィケーションが生じていることが確認された。加えて、都心に近い地域では、職業階層の上層化が生じているのに対して、都心から離れた地域では、職業階層の上層化が生じていないことも確認された。
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岩手県盛岡市を対象とした分析
平原 幸輝
2024 年22 巻4 号 p.
723-724
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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本分析では、岩手県盛岡市を対象として、地域メッシュ単位の人口および世帯に関する社会地図を作成し、地方都市の空間構造を可視化することを試みた。その結果、高齢者が郊外に多く生活し、単身者が中心地に生活するような、同心円状の居住分化が生じていることが確認された。また、外国人は都市の中心地に集中していることが確認された。そして、この5年の間に、単身の働き手や、子育て層が、都市の中心エリアに、集中する傾向も確認された。
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全国の政令指定都市・中核市に対するアンケート調査に基づいて
花積 優喜, 野澤 千絵
2024 年22 巻4 号 p.
725-730
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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本研究では、民間の交通関連データや交通系ICカードデータに着目し、地域公共交通計画の策定や路線再編の検討におけるデータ活用の実態と課題を明らかにすることを目的に、全国の政令指定都市・中核市へのアンケート調査、及び交通系ICカードデータを活用する熊本市へのヒアリング調査を行った。その結果、既にデータ活用を行う自治体の68.6%が「説得力増強に寄与した」と回答しており、交通系ICカードデータは、交通事業者間の利害調整や交通需要の定量的分析・評価に一定の効果があった。その一方、全体では交通系ICカードデータの活用率は30%程度に留まっていた。その理由は、交通事業者から交通系ICカードデータ収集の困難性、データ活用のための人員や予算の確保の困難性などであった。よって、各都市圏で公共交通事業者が主体となりデータ提供のルールづくりや、自治体職員の専門知識やスキルのレベルに関係なく路線再編等の検討をデータに基づき行える体制づくりに対して支援策を充実することが必要である。
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宮川町を対象として
深澤 拓海, 岡崎 篤行, 井上 年和
2024 年22 巻4 号 p.
731-732
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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花街は、日本の伝統文化を包括的に継承する場である。宮川町は京都五花街の1つである。だが、近年お茶屋が減少し花街本来の姿は変化しつつある。本研究の目的は、宮川町を対象に戦前の史料を基に貸座敷の分布を調査し、最盛期の花街の姿を可能な限り、明らかにすることである。
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持続可能な世界に向けたまちづくりの再資源化の研究4
土肥 真人, 木塲 佳音, 所谷 茜, 木村 直紀
2024 年22 巻4 号 p.
733-739
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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本稿の目的は、社会の価値観の変化に対応した新しい価値をまちづくりに見出すことである。(シリーズ第4稿)本研究では、水俣において子どもたちにふるさとを作る「いなか学校」の実践者にインタビュー調査を行い、新たな価値の抽出と言語化を試みた結果、6つのまちづくりの新たな価値が同定された。「いなか学校」においては、実践者個人の経験や繋がりが社会化さることで、子どもたちが、農山漁村地域の自然や社会に根差した体験を通じてふるさとを作り、地方のまちに誇りをもたらし、公害で分断したまちの回復に寄与した。核家族世帯として都市に住みながら、祖父母世代を含む3世代の繋がりでふるさとの価値を継承することは、子どもたちが土地に根ずくことを学び、持続可能なまちづくりに貢献する可能性を示している。
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柴山 慶子, 岡崎 篤行
2024 年22 巻4 号 p.
740-743
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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見番は芸妓に関する事務などを行い、花街において重要な役割を持つ。見番の建物は基本的に事務室と芸妓衆の稽古場で構成されるが、その建築形態は多様である。近年では、見番建築がイベント等で活用され、地域の伝統文化を発信する重要な場所である。しかし、全国の見番建築の建築的特徴や活用の内容は明らかになっていない。本研究の目的は全国の見番建築を対象にその建築的特徴および活用の実態を網羅的に明らかにすることである。
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朝市大規模火災を対象にALOS-2緊急観測結果を用いた結果について
斎藤 陽生, 古市 琢雄, 寺木 彰浩, 阪田 知彦
2024 年22 巻4 号 p.
744-747
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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2024年1月1日の能登半島地震に際し JAXA は ALOS-2 に搭載された合成開口レーダで緊急観測されたデータを公開した.本稿はそのデータを使用して朝市大規模火災が発生した地区の被災状況を把握することを試みた結果について報告するものである.差分抽出と RGBカラー合成画像作成の2通りの方法を試みた結果,被災前後で変化量が大きい場所があることが明らかとなり,無償で公開されたデータとフリーウエアの活用により一定の効果が得られることが示された.実際の災害対応での使用については精度や運用上の課題があることが示唆される.
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秋田県を対象として
佐々木 優玖, 岡崎 篤行
2024 年22 巻4 号 p.
748-749
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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日本酒の年間消費量と製造免許場数は減少傾向にあり、酒蔵の地域性が失われてしまう可能性がある。一方で近年、酒蔵建築物を観光地として活用する動きも見られ、地域の活性化に繋がっている。したがって、全国に残る酒蔵の状況や酒蔵建築の活用実態を総合的に把握する必要がある。これまでの研究では、新潟県などで調査を行ってきた。本稿では、これまでの研究を参考に、秋田県において同様の研究を行う。
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荏田北2 丁目地区を対象として
谷川 一, 吉田 聡, 稲垣 景子
2024 年22 巻4 号 p.
750-753
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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地域の景観の維持、保全、地域のブランド力の強化、安全性の向上などを目的として、自治体スケールのまちづくり協定の活用が期待されている。その中で、流行に大きく影響を受ける壁面色彩ガイドラインに着目し、アンケート調査による、景観印象評価を行った。因子分析、重回帰分析により、壁面色彩は印象に大きく影響を及ぼす重要な因子であることがわかった。色彩ガイドラインの幅を狭めることで、入居者の障壁になってしまわないようにすることが今後の課題である
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持続可能な世界に向けたまちづくりの再資源化の研究5
土肥 真人, 土井 良浩, 太田 和, 木村 直紀
2024 年22 巻4 号 p.
754-759
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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本稿の目的は、社会の価値観の変化に対応した新しい価値をまちづくりに見出すことである。(シリーズ第5稿)本研究では、黒石市の中心市街地で伝統的な空間を活かしたまちづくり活動を行う「横町十文字まちそだて会」の実践者にインタビュー調査を行い、6つのまちづくりの新たな価値が同定された。津軽平野の長い冬と雪が生みだした「こみせ」「かぐじ」は、行政、市民の時代に応じた的確な協働により守られ、まちのフレームワークが維持されてきた。今日、独立した個々の家が形成する「こみせ」「かぐじ」は、新たな経済活動や文化を受け入れる優れた空間となっている。加えて、本研究からは、津軽平野の風土と文化圏が、黒石と他の町を繋ぎ、まちづくり活動のスケールアップに貢献していることが把握された。
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秋山 政武, 村木 美貴
2024 年22 巻4 号 p.
760-764
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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2050年の脱炭素実現に向け、建築物由来の温室効果ガス削減が求められている。特に、東京都心部は、老朽化した小規模ビルの集積がみられ、エネルギー利用効率向上のための建替えや省エネ改修が求められている。しかし、建替え・改修は、多額の費用負担が課題となるため、適切な更新時期の選択やインセンティブ付与による事業性向上が求められている。本研究は、中小ビル街区全体の脱炭素達成に寄与する環境施策導入と、それに対するインセンティブ付与・事業スキーム構築のあり方を明らかにすることを目的とする。研究の結果、環境貢献に対する容積インセンティブを活用した協力金・補助金スキームの構築により、新築・既存建物の双方において事業性を確保した環境施策導入が可能となることが明らかとなった。
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宮岸 凌也, 衣笠 匠斗, 小山 桜馨, 中村 圭汰, 東條 秀祐, 中川 真輝, 山岡 祐貴, 樋野 公宏, 雨宮 護
2024 年22 巻4 号 p.
765-770
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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近年Children’s Independent Mobility(CIM)が国際的に議論されている。本研究は、日本全国を対象としたアンケート調査から、日本におけるCIMの実態と環境要因との関係を明らかにすることを目的とした。具体的には、代表的なCIM指標であるSix licensesの合計得点と各項目に関する分析を行った。その結果、用途地域・団地居住・治安意識とCIMに有意な相関があることが明らかになった。また、道路密度・校区面積・公共交通のアクセス性と各CIM項目との関連が確認された。以上の結果から、都市間でCIMを比較する際に環境条件を考慮する必要性が示唆された。
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カナダ、トロント市のThe Bentwayを対象として
古川 翔, 黒瀬 武史, 矢吹 剣一
2024 年22 巻4 号 p.
771-776
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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近年、都心部の高架構造物の転用や撤去を伴う都市再生プロジェクトが盛んに行われている。その実現や効果の発現には一定の時間がかかり、周辺地区の空間計画に反映されるまでには時間がかかる。本研究では、トロント市のThe Bentwayを事例として、慈善財団によって短期間に高架高速道路下の公共空間化を実現したプロジェクトが、周辺地区を対象とした空間計画に与えた影響を分析する。分析の結果、同プロジェクトの実現前後で、空間計画における高架高速道路に対する位置づけが、障壁から可能性がある場所へと変化したことがわかった。また、様々なプログラムを通じて周辺地区の団体と関わることで、The Bentwayのプロジェクトの空間そのものも、公共空間の拠点から、パブリックラボへと位置づけが変化していった。
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栗山 尚子, 堀 裕典, 阿久井 康平, 蕭 耕偉郎
2024 年22 巻4 号 p.
777-781
発行日: 2024/03/11
公開日: 2024/03/11
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米国シアトル市は2018年よりデザインレビューに向けての地域社会への早期の情報提供制度(アウトリーチ制度)を運用している。本稿では、アウトリーチ制度の概要とアウトリーチで得られた地域社会からの意見と竣工済みの建築物の状況把握を通して、制度の特徴等の考察を目的としている。調査方法は、市のホームページと担当者からの情報収集、学識経験者へのヒアリング調査、開発事例の現地調査である。研究の結果、本アウトリーチ制度は、多種多様な情報の伝達方法が設定されており、市内の各地域社会の情報リテラシーに応じて伝達方法を選び、情報伝達の不公平さが発生しないよう制度設計がなされている点が特徴であることを示した。
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