都市計画報告集
Online ISSN : 2436-4460
23 巻, 4 号
都市計画報告集
選択された号の論文の50件中1~50を表示しています
  • 今村 洋一
    2025 年23 巻4 号 p. 432-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では、近畿地方の国立大学(滋賀大学、京都大学、京都学芸大学、京都工芸繊維大学、大阪大学、大阪外国語大学、大阪学芸大学、神戸大学、奈良女子大学、奈良学芸大学、和歌山大学)を対象に、旧軍施設の転用実態を整理する。罹災施設の代替使用の場合、新制移行後に旧校地へ復帰したり、新校地に移転したりした(大阪帝国大学工学部、大阪外事専門学校、兵庫師範学校)。独立校地の確保や大学昇格のための校地の確保の場合も、新制移行後は廃止や統合移転となった(京都青年師範学校、兵庫青年師範学校、兵庫県立医科大学予科、兵庫県立農科大学)。このように旧軍施設の使用が一時使用にとどまった事例がある一方で、大学の規模拡大(京都帝国大学)や、新制移行後の統合移転(京都学芸大学、奈良学芸大学、神戸大学農場)のために転用された場合は、その旧軍施設が現在まで継続して使用されている。

  • 豊洲運河クルーズを事例として
    梅津 沙世, 志村 秀明
    2025 年23 巻4 号 p. 440-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は、豊洲運河クルーズを対象として、その開催経緯と実績、また事前準備や当日作業、改善を重ねているチケット販売方法や広報の方法を明らかにすることで、地域住民向けの運河クルーズが促進されるための知見を得ることである。結論は以下のとおりである。豊洲のような人口増加地区では、1)主催団体が地域コミュニティの形成を目的とすること、2)実績を積み重ね、地域との信頼関係を築くこと、3)IT化により効率的で継続可能な方法を用いること、4)付加価値をつけること、で地域住民向けの運河クルーズを促進できる。

  • エネルギー施策とEVカーシェアリングの連携に着目して
    福村 颯太, 村木 美貴
    2025 年23 巻4 号 p. 446-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    我が国は、2050年脱炭素社会実現に向けた取組みを推進しており、家庭におけるエネルギーの高効率化が重要とされている。また、家庭のCO₂排出量に着目すると、約4分の1が自家用車由来であるため、家庭部門と併せた運輸部門の脱炭素化に向けた取組みが重要となっている。そこで、国は都市の脱炭素化に向けて、エネルギーのネットワーク化を推進している。一方、ZEH普及率を見ると、戸建住宅におけるZEH普及率は、団地等の集合住宅と比較して非常に高い。そこで本研究は、周辺地域と連携した団地の脱炭素達成のあり方を明らかにすることを目的とする。研究結果より、団地の脱炭素化に向けては、建物の省エネ化と周辺地域との電力融通が有効であることがわかった。

  • 札幌市都心部を対象として
    杉井 健, 村木 美貴
    2025 年23 巻4 号 p. 451-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年、日本政府はCO2排出量削減のため、エネルギーネットワークの構築を推進している。一方、都市部では再生可能エネルギーの賦存量が少ないため、オンサイトの環境対策だけでは脱炭素の実現は難しく、オフサイトの環境施策と連動した施策導入が必要である。本研究の目的は公共空間を活用したエネルギーネットワークの構築と連動した脱炭素施策展開のあり方を明らかにすることである。その結果、他地域と連携した再生可能エネルギー電力供給などのオフサイト施策の導入や補助金などの環境施策支援の拡充が重要であることが明らかとなった。

  • 中条 瑛子, 杉本 達宏, 植田 直樹, 伊藤 月乃, 松井 宏宇, 桂島 一
    2025 年23 巻4 号 p. 456-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、利用者個人の感情がプラスに作用した状態を「快適」と位置付けたうえで、東京都心部でのアンケート調査の結果を用いて来訪者が都市緑地の快適性をどのように捉えているかを具体的な事項として調査し、今後の都市緑地のあり方を議論するための情報を提供することを目的としている。結論として、快適性を都市緑地の利用者個人の感情がプラスに作用した状態とした場合には、「緑の豊かさ」は前提としながら、「感じる」カテゴリーに分類される感覚的な評価対象である空間の質の要素が大きく影響している可能性があることが分かった。加えて、そこに「過ごす」、「つながる」カテゴリーの要素が用意されることで、さらに快適性向上の可能性がある。

  • YOLOv8による物体検出手法を一例として
    萩原 和
    2025 年23 巻4 号 p. 462-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本報告では、さまざまに取り組まれている物体検出の中でも、ピクセル単位で検出できる「セマンティックセグメンテーション」に注目した。具体的にはYOLOv8を例として、ローコードプログラミングによる画像解析手法が、非専門家の立場であっても十分理解し活用可能なものなのか、その実際について明らかにした。これによって景観まちづくりにおける物体検出の社会実装への道筋を少しでも明瞭化するとともに、画像解析上でのさまざまな注意点を精査し、今後の実装における課題点を整理することを意図した。 その結果として、YOLOv8の3つの学習済モデルのファインチューニングを実施し、その追加学習の精度の状況、さらには物体検出の実装手順における使い勝手を検証することができた。本報告では、紙面の都合上、細やかな物体検出における微調整は省略したものの、約9時間に及ぶ追加学習は、景観要素検出の精度向上に大きく寄与することがわかった。その一方で、気軽に物体検出し、こなれた分析手法として位置付けるには、まだまだハードルが高いことも判明した。今後の検証では、さらに物体検出の研究レビューを進めるとともに、景観まちづくりに資する画像解析手法の精緻化、ならびに簡易化を模索していくことにしている。

  • 山形県を対象にして
    武田 竜慈, 岡崎 篤行
    2025 年23 巻4 号 p. 470-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    酒蔵数は全国的に減少傾向にあるが、近年では酒蔵を地域の観光資源として活用する動きがあり、酒蔵見学や建物内で販売、酒に関する展示を実施する酒蔵も見られる。そこで、本研究は全国における網羅的調査の一環として、山形県の酒蔵建築を対象に立地と活用の実態を明らかにすることを目的とする。既往研究として全国的な酒蔵の構造や地域的特徴を述べたものがあるが、山形県の全酒蔵を対象にした研究はない。

  • 羽田空港跡地第1ゾーンを対象として
    黒須 好信, 村木 美貴
    2025 年23 巻4 号 p. 472-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    国連で「持続可能な開発目標(SDGs)」が採択され、日本政府も官民挙げてSDGsを推進している。しかし、企業・団体等による地区単位の取組を評価する指標・評価方法の策定は行っていない。また、評価に必要とされるデータの単位に着目すると、地区単位のものは取得数が少ない。ここで、データ取得の観点でみると、我が国はスマートシティ構築を推進しており、地区等の小規模な範囲で幅広いデータの取得を試みている。本研究の目的は、スマートシティ事業を考慮したSDGs達成度の定量的評価のあり方を明らかにすることである。その結果、アウトプット指標・アウトカム指標の2種類の評価指標を設定することで、成果・効果を客観的に示しつつ、取組度を明確にすることが可能となること、スマートシティ事業を活用することで評価に用いる指標の拡充が可能であることが明らかになった。

  • 長野県を対象として
    尾﨑 真冬, 岡崎 篤行
    2025 年23 巻4 号 p. 477-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日本酒の年間消費量と製造免許場数は減少傾向にあり、酒蔵の地域性が失われてしまう可能性がある。一方で近年、酒蔵建築物を観光地として活用する動きも見られ、地域の活性化に繋がっている。したがって、全国に残る酒蔵の状況や酒蔵建築の活用実態を総合的に把握する必要がある。これまでの研究では、新潟県などで調査を行ってきた。本稿では、これまでの研究を参考に、長野県において同様の研究を行う。

  • 南海本線の41駅を対象として
    吉田 隼大, 宮地 茉莉, 岡 絵理子
    2025 年23 巻4 号 p. 479-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、沿線における各駅の開設要因を調査し、その後の駅周辺市街地の変化に伴う駅特性の変容傾向を明らかにし、将来の鉄道利用促進に向けた知見を得ることを目的とする。まず、なんば駅から和歌山市駅までの南海線の41駅について、駅開設時期と開設要因を調査し、特徴ごとに分類した。次に、駅から徒歩圏内の半径500メートル以内の現在の土地利用状況を調査し、5つの型に分類した。最後に、開設当時と現在における駅特性を比較し、その変化を分類し、駅特性の変容傾向を明らかにした。その結果、駅開設当時は沿線全体に観光・行楽地だけでなく、様々な地場産業が集積していたが、現在では駅周辺の産業構造や土地利用が変化し、かつて地場産業発展地であった駅周辺の主要産業は臨海部の工業へ移り、観光・行楽地から工業地、そして住宅地へと土地利用が変化した駅も多くあることが明らかとなった。

  • 2000年から2020年までの岩手県盛岡市を対象とした分析
    平原 幸輝
    2025 年23 巻4 号 p. 483-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    これまでの都市社会学などにおける都市の社会空間構造に関する研究は、主に大都市圏を対象として、行われてきた。本分析では、地方都市の社会空間構造の変容を捉えることを目指し、分析を行った。具体的には、大字・町を分析単位とした、クラスター分析を行ったところ、都市の中核エリアから外周部にかけて、ホワイトカラー層が多い地域、グレーカラー層が多い地域、第一次産業従事者が多い地域が位置するといった空間構造が確認された。このホワイトカラー層の多い地域は、交通網に沿って広がっていたが、人口減少時代においては、そうしたホワイトカラー層が多いという特徴が潜在化している可能性も指摘された。

  • 那智勝浦新宮道路を例として
    平原 幸輝
    2025 年23 巻4 号 p. 485-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日本において、政治家らによって、地方経済の活性化のために、地方におけるインフラ整備が進められてきた。本分析では、人口動態の観点から、高速道路の開通が地域社会に与えた影響について検討した。ここでは、地域メッシュデータを用いて、高速道路の周辺地域の人口動態を分析した。その結果、高速道路の周辺地域においては、他の地域と比較して、人口流入が促進され、人口減少傾向が抑制されている様子が捉えられた。ただ、全ての地域で一律にそうした傾向が確認されるわけではなく、地域間で差があることも確認された。

  • 空き家活用を行なう民間企業を中心として
    桐岡 真歩, 井上 亮, 小林 久高
    2025 年23 巻4 号 p. 487-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、民間企業による空き家などの活用を伴うまちづくりが積極的に行なわれている大田市温泉津伝統的建造物群保存地区に着目し、民間企業による空き家の宿泊施設や飲食店への転用が周辺地域に与える波及効果を明らかにした。調査の結果、温泉津においては、民間企業の取り組みを契機に「分散型ホテル」のような宿泊形態が形成されつつあり、地域資源を活用した観光スタイルの多様化が進行していた。また、民間企業による外来者への支援や地域住民の理解を経て、まちづくりに携わる人々の関係が構築され、ますます地域活性化が見込まれる地域であった。これらの実態と温泉津の地域性を考慮し、今後は民間企業、地元住民、移住者、行政などの関係者間で共通の長期的な方針を策定することが重要であると提言した。

  • 神﨑 達也, 嚴 先鏞, 鈴木 勉
    2025 年23 巻4 号 p. 493-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年、コンパクトシティの推進に伴い、環境に優しい鉄道輸送の活用が重要視されている。しかし、都市の人口集積と鉄道網の連携に関する研究は十分に進んでいない。本研究では、都市の人口集積の動向を把握し、それが鉄道網の発展とどのように関連しているかを分析することを目的とする。モラン係数を用いた集積性の指標に鉄道網の移動時間短縮効果を組み込み、世界および日本の大都市を対象に計測を実施した。さらに、都市構造と鉄道網の関係を示す連携度・短縮度指標を算出し、都市を分類した。その結果、多くの都市で人口の分散化が進んでいること、鉄道網の発達が人口集積に一定の影響を及ぼしていることが明らかとなった。

  • 山口 千陽, 宮地 茉莉, 岡 絵理子
    2025 年23 巻4 号 p. 499-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、伝統的住宅の意匠の一つである「格子」が現在どのように建物ファサードの中で使用されているのかを明らかにすることを目的とする。対象地は京都市の歴史的保存エリアであり、商業地区である「田の字地区」北東エリアとした。現在、京都市では法律や条例による格子の設置義務はない。調査結果から、エリア内の建物数に対する格子の設置率は32.2%であり、その中でも伝統的住宅の意匠と同じ使われ方をしているものが42.3%であることが明らかとなった。一方で、格子の意匠が多様化していることも確認された。また、店舗経営者へのアンケート調査では、約6割が「京都らしい町並みに格子が重要」と回答し、自主的に格子を設置していた。

  • 長崎県の市町を対象に
    本村 優香, 片山 健介
    2025 年23 巻4 号 p. 503-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では、長崎県の市町に導入されているコミュニティ交通を対象に、住民参加の実施の有無、住民参加がもたらす効果や課題等の住民参加の実態を明らかにすることを目的としている。研究の方法として、長崎県の市町のコミュニティ交通の導入状況や住民参加の全体的な傾向を把握したうえで、特徴的な住民参加を行っていた市町を取りあげケーススタディを行った。結果として、長崎県の市町では、需要に応じた取り組みや意識啓発の取り組みを行っている市町が多いこと、住民主体による運行・運営の検討や住民負担の取り組みを行っている市町は少数であることが分かった。また、ケーススタディから、法定の組織が大きな役割を果たしていること、既存の公共交通との共存に関わる部分については住民の意見の反映に限界があることなどが明らかとなった。

  • 長崎県内の市町を事例として
    林 ひかり, 片山 健介
    2025 年23 巻4 号 p. 510-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、長崎県の市町での多文化共生社会に向けた中間支援の現状や課題を明らかにすることを目的としている。既往文献等をもとに外国人が直面する壁について整理したうえで、中間支援の実態を明らかにするため長崎県内の中間支援組織にヒアリング調査を行った。研究の結果、活動地域や支援対象の特性に応じた支援の形がみられた。また、各主体間には重層的な関係があり、各主体の足りない部分を補い合っていることがわかった。また、「まちづくり」の視点をとりいれた支援は、日本人と外国人だけでなく、地域と外国人をつなぐ役割をもち、多文化共生社会を目指すうえで重要であることを指摘した。

  • 本州瀬戸内海沿岸を中心として
    鈴木 瞭真, 岡崎 篤行
    2025 年23 巻4 号 p. 516-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日本では近世都市の歴史や文化を知るために近世都市の研究が行われているが、近世港町の研究の数は近世城下町と比べると少ない。中世から港での交易の記録があるため、本州の瀬戸内海沿岸では特徴ある都市形態を持つ近世港町が成立していたと考えられるが、その実態は明らかでない。本研究の目的は、本州の瀬戸内海沿岸を中心とした近世港町の成立経緯と都市形態を明らかにすることである。分析の結果、近世港町は海と川の両方に面し、船着場は川に面している傾向がみられた。

  • 古山 周太郎, 高久 ゆう, 吉田 祐記, 河原 真麻, 木村 直紀
    2025 年23 巻4 号 p. 524-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年、日本においては、法改正により小規模施設で事業が可能になったことに加えて、様々な時代的背景のもとで、マイクロブリュワリーの数は着実に増加している。本研究では、マイクロブルワリーと地域の様々な主体や組織との連携や関係性の実態を明らかにすることを目的とする。対象としたのは、全国各地にある10のマイクロブルワリーで、スタッフに対して半構造化面接を実施した。その結果として、、各マイクロブルワリーは、生産者、事業者、他ブルワリー、行政・他組織、住民・住民組織と様々な活動を通じて関係を構築していることがわかった。また活動内容なかでも、イベント開催、ビールづくり、ホップ栽培、設立協力の4つの活動では、複数の主体・組織との連携がみられた。以上より、マイクロブルワリーは、集客力、副原料を用いるビール製造法、小規模ゆえの連携の必要性といって特徴があり、地域にとって有用な資源のひとつといえる。

  • 名古屋市中川区の田畑を比較して
    金澤 竣之介, 岡本 肇
    2025 年23 巻4 号 p. 528-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    昨今都市農地の保全・活用の必要性が叫ばれているが、都市計画においても市街地形態の観点から都市農地を積極的に位置づけていく必要がある。このような関心のもと、本研究では名古屋市中川区を対象地域とし、農地の区画規模(農地面積)、接道面数、接道街路の幅員、農地が立地している用途地域を指標に、土地区画整理事業完了後に残された都市農地の存続・消失条件を明らかにすることを目的としている。その結果、農地面積に関しては他の指標と比べて相対的に存続条件が明確に抽出され、畑に関しては農地面積50㎡~300㎡、水田に関しては300㎡~650㎡であることが明らかになった。これらは農地を都市の中に位置づける際、水田・畑等の違いも吟味しながら保全・活用等検討することが好ましいことを示唆しているものだと考える。

  • 棟向きを中心としたインターネット地図機能を用いた基礎的広域調査
    沖田 竜馬, 岡崎 篤行
    2025 年23 巻4 号 p. 533-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    町屋の棟向きが集落ごとで変化する場合があることが明らかになっている。また年々減少している。そのため、早急かつ全国を対象として網羅的に調査する必要がある。本研究では東京都・神奈川県・長野県の町屋における残存状況、棟向き及びその他の外観特性の分布を明らかにする。調査の結果、東京都・神奈川県・長野県の町屋は横屋が主流である。

  • 渋谷駅中心地区を対象として
    寅屋敷 哲也, 佐伯 潤
    2025 年23 巻4 号 p. 537-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では渋谷駅中心地区における高層複合施設を対象として、一時滞在施設における課題を整理することを目的とする。課題は次の13に整理された。(1)発災直後の方針、(2)初動対応者の配置、(3)移動経路の安全性、(4)トイレ対応、(5)室内環境、(6)滞在者管理、(7)気候に伴う安全性、(8)対応人員確保、(9)利用空間の確保、(10)備蓄倉庫の運用、(11)トイレキャパシティ、(12)ゴミ処理、(13)管理人員不足時の運営。本研究の成果により、高層複合施設特有の一時滞在施設の対策の難しさを明らかにすることができた。施設の対策を促進するためには、取り組みの評価やインセンティブに加えて、対策のハードルを下げる仕組みが必要である。

  • 永末 圭佑, 似内 遼一, 真鍋 陸太郎, 村山 顕人
    2025 年23 巻4 号 p. 545-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    都市計画による市街地の水害対策の一施策として、住宅の高床化など市街地の耐水化が存在する。その推進の上では、費用便益費などに基づく客観的な合理性が求められるが、その分析手法は曖昧となっている。そこで本研究では、市街地耐水化の効果を予測するシミュレータを構築し、2つの地区を例に適用した上で、シミュレータの限界の検証を行った。結果、現在得られるデータに基づく費用便益分析手法を提示できたが、そこでは耐水化住宅の性能や、浸水の頻度や浸水深などデータの不足による限界も大きかった。今後は、建築分野や河川・土木分野の貢献によるデータ拡充が求められるほか、地区の水害対策について、費用便益分析以外も網羅した、分野横断的かつ統合的なアプローチが重要となる。

  • 飯塚 裕介, 小林 桃子
    2025 年23 巻4 号 p. 553-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、災害情報における指示内容と文末表現の組み合わせが、人々の避難行動に与える影響を調査し、メタメッセージを考慮した適切な表現を明らかにすることを目的とする。東京都内の大学生を対象にアンケート調査を実施し、指示内容(5種)と文末表現(5種)を組み合わせた25種類の避難指示文に対する避難意識を5段階で評価した。その結果、「命を守る行動を取る」「逃げる」「避難する」といった指示内容や、命令形・丁寧な文末表現が避難意識を高める傾向にあることがわかった。しかし、指示内容と文末表現の組み合わせによっては相乗効果が見られない場合もあり、「避難する」に命令形を組み合わせると効果が高い一方、推奨・依頼の表現では効果が低下するなどの例が見られた。このことから、災害情報を効果的に伝達するためには、指示内容と文末表現を適切に組み合わせることが重要であることが示唆された。

  • 愛知県岡崎市乙川リバーフロント地区を対象にして
    黒川 春香, 野原 卓
    2025 年23 巻4 号 p. 558-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年、公園や道路の再開発・活用が盛んに行われており、個々の事例に関する知見は多く蓄積されている一方、個々の事例にとどまらず、複数の公共空間を統合することが重要であると考える。公共空間の再整備・活用を、個々の事業ではなく、ある地区内で公共空間群を一体的に計画・実装させる手法・戦略を先進事例である岡崎市の乙川リバーフロント地区を対象に、明らかにすることを本研究の目的とする。結論として、まず公共投資の視点を変換したことが公共空間群を連携させるために大きく関与したことが明らかになった。その後、行政計画を実現させるために、地域の実践を反映したQURUWA戦略を策定するプロセスにおいて、専門家・市民・行政がそれぞれの力を発揮できる環境を整備したことがハード面だけでなくソフト面でも公共空間を連携させた大きな要因である。これらの要素が、この地域の公共空間をつなぐ戦略の鍵となった。

  • 奥田 夏加, 石川 永子
    2025 年23 巻4 号 p. 562-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は生活支援コーディネーターが地域防災において果たす役割を明らかにすることである。本研究では生活支援コーディネーターのインタビューデータの分析を行った。調査結果の概要は以下の通りである。(1)生活支援コーディネーターによる取組は住民同士の関係づくりや日頃の見守りに繋がっており、これらが災害発生時の共助や避難生活期における高齢者の安心の提供に役立つ可能性がある。(2)防災をツールとして活用することで、災害時に顕著に表れる地域課題にアプローチすることができる。(3)生活支援コーディネーターは避難生活期における高齢者のニーズに対応することが期待される。

  • 横浜市を対象に
    吉延 朋起, 石川 永子
    2025 年23 巻4 号 p. 566-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は、横浜市の密集市街地を分類し、それぞれの特徴や課題を明らかにした上で、有効性の高い整備案を検討することである。本研究では、密集市街地を社会的・物理的特性を用いて分類する。分類の結果、社会的特性では4つのクラスター、物理的特性では5つのクラスターに分類することができた。それぞれのクラスターには、異なる特徴や課題が存在する。それぞれの問題に対処するためには、それぞれの地域に適した整備案を検討する必要がある。また、密集市街地が自然に解消しにくいと考えられる地域には、行政が介入することも重要である。

  • 南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)後に備えた/備えなかった理由に着目して
    多田 陽音, 石川 永子
    2025 年23 巻4 号 p. 572-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)前後の単身世帯の意識と行動を分析した。結果、以下のことが明らかになった:(1)単身世帯は近所づきあいが希薄であり、災害時、情報が届きにくいという課題が予想される(2)臨時情報を知って約50%が「避難場所や避難経路の確認」、「水や食料の備蓄の用意」を行うべきと回答した(3)居住地に緊急地震速報(警報)が発表されたかどうかで、実際に備えを行ったかに差が見られた(4)居住地に緊急地震速報(警報)が発表されたかどうかで、抱く不安が異なる(5)備えを実行する際に金銭や手間、 地震への恐怖の薄れが課題となる

  • 留学生の担い手としての可能性に着目して
    山口 愛, 石川 永子
    2025 年23 巻4 号 p. 576-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は、浅草での防災訓練を例に、留学生が災害時に外国人観光客の支援の担い手となる可能性を検討し、そのような活動を促すための支援体制を考えることである。結果的に、訓練で担い手を体験することで、学生の共助の重要性に対する意識が高まることや災害時の担い手としての活動に興味を持つ学生が多くいることが明らかとなった。しかし、具体的な計画がないため、災害発生直後に活躍できるかどうかは不透明な状況にある。さらに、日本語能力や日本での滞在期間の長さが、留学生自身ができそうだと考える協力内容に影響を与えていた。

  • 持続可能な世界に向けたまちづくりの再資源化の研究8
    土肥 真人, 柴田 久, 所谷 茜, 髙久 ゆう, 木村 直紀
    2025 年23 巻4 号 p. 580-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿の目的は、社会の価値観の変化に対応した新しい価値をまちづくりに見出すことである。(シリーズ第8稿)本研究では、福岡市博多湾で湿地の環境保全に取り組む市民団体「ウエットランドフォーラム」を取り上げ、その実践者にインタビュー調査を行い、7つのまちづくりの新たな価値が同定された。 博多湾の自然環境は開発の影響を受けながらも、変化する環境に合わせて、希少種を含む豊かな生態系が成立している。ウエットランドフォーラムは、博多湾に飛来した渡り鳥が国境を越えて導くスケールアップを利用して国際的なネットワークとつながり、湿地の自然環境を子どもに紹介し、自然環境の重要性を多言語で伝え、共感を呼び起こすことで、自然が私たちや都市をデザインしていることを伝えている。

  • ロンドン・パリ・東京の街並み比較
    山崎 元也
    2025 年23 巻4 号 p. 586-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    都市の街路において車両走行時の快適性を向上させることはCS向上の観点からも重要で、既存社会インフラの有効利用を図るためにも必要な視点である。これまで車両走行時の街路景観と快適性の関係を分析した研究は少ない。本研究では、道路構成要素と快適性との関係を数量化理論Ⅰ類を用いて分析・把握する。アイテムとしては 「道路幅員」、「街路樹」、「建物」、「駐車状況等」が快適性評価に与える影響を分析する。対象地としては日本の街路の景観を改善させるために、旧山手通り、駒沢通りを選定した。また、ロンドンはabbey Road,パリはトロカデロ通りを選定した。

  • 生活を取りまく経済環境について
    野口 真花, 菱山 宏輔, 加藤 禎久
    2025 年23 巻4 号 p. 588-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本稿は、インドネシア・バリ島に位置するプンリプラン村の経済環境を観光と生活の視点から分析する。同村は、伝統的景観と文化を魅力とし、持続可能な観光を行う観光地として発展している。観光経済の側面では、祭事運営や村人の報酬に使われ、特産品の生産・販売・流通は村内で完結している。一方で、生活経済においては、市場での消費活動や観光以外に企業で収入を得ている。このように観光に過度に依存せず、また観光収益を公平に分配する仕組みは、持続可能な観光に繋がるものがあると考えられる。

  • 横田 茜, 中川 晴賀, 三村 泰広, 三寺 潤, 薬袋 奈美子
    2025 年23 巻4 号 p. 593-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究では、生活道路における交通安全対策としての法定外表示の可能性に着目した。特に路面に設置される法定外路面表示に関し導入実績や表示に関する課題を把握する目的で、全国の都道府県庁所在地及びそれら以外の政令指定都市の計52自治体を対象としたアンケート調査を実施した。アンケート調査の結果から、1)人口の多い自治体ほど法定外路面表示の導入実績を持つ傾向があること、2)法定外路面表示の設置や維持管理に係る費用、効果に関して課題を感じている自治体が多いこと、3)法定外路面表示設置時の近隣住民等への説明・相談は「町内会・自治会」>「近隣小学校」>「沿道住民」の順に多く行われていることが明らかとなった。

  • 福島県双葉町を対象として
    神前 由佳, 栗山 尚子, 松森 梨佳子, 保高 徹生
    2025 年23 巻4 号 p. 597-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は原発事故の影響を受けた双葉町を対象として、避難指示解除後の土地・建物の更新の動向を把握し、まちの復興と移住・定住に関する知見を得ることを目的としている。空き家・空き地バンクの調査から、住宅と事務所の需要が高いがマッチングがうまくいっていない点、土地・建物の現地調査から、産業関連の施設の住宅から解体や新築が行われている点、移住者への調査から、町内で住宅が不足しているため、近隣の市町に住み、車で町へ通勤する生活が主流である点を明らかにした。事業者が事務所と社宅を準備するというように、雇用と住宅の両方を同時に整備する視点が、今後の双葉町の復興には必要だと考える。

  • 地方創生に向けた官民連携・中間支援モデル事業の事例を通して
    佐藤 彩香, 吉積 巳貴
    2025 年23 巻4 号 p. 603-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日本の地方では人口減少が進み、地域経済や社会機能の維持が困難になりつつある。本研究は、地方創生の担い手として食企業に着目し、その役割を考察する。食企業は地域資源を活用し、商品開発やブランド化を通じて地域経済の活性化に貢献するだけでなく、関係人口を巻き込んだ地域づくりのファシリテーターとしての機能も果たしている。本研究では、内閣府の「地方創生SDGs官民連携プラットフォーム」と「中間支援組織の提案型モデル事業」に採択された9事例を分析した。その結果、食企業は、事業利益や内部資金、補助金・寄付などの資金を活用しながら、地域課題解決と経営の持続可能性を両立させていることが明らかになった。本研究は、食企業が地域社会と協働し、持続可能な地域づくりを推進する可能性を示唆するものであり、今後は地域特性や業態の違いを踏まえた比較研究が求められる。

  • インドネシア・ジャカルタのKota Tuaを対象として
    ヤンセン ラマプテラ, 宮地 茉莉, 岡 絵理子
    2025 年23 巻4 号 p. 609-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    インドネシアの都市部では不法露店が長年の問題となっており、首都ジャカルタの歴史地区Kota Tuaにおいても顕著である。2017年以降、地方自治体はこの問題に対処するため、不法露店商を商業施設へと収容する取り組みを進めてきた。本研究では、これら6つの商業施設の整備プロセスと利用実態を、ヒアリング調査、インタビュー調査、実測調査を通じて明らかにした。施設整備は(1)地方自治体による新設、(2)個人による改修、(3)民間企業による改修の3つに分類できる。特に自治体新設施設では、当初の施設計画と後の再開発方針の不一致が課題となった。また、施設のテナント入居率には立地や視認性、周辺の不法露店の存在が影響を与えていた。

  • 生活道路での走行実験及び意識調査による検証
    中川 晴賀, 三寺 潤, 三村 泰広, 薬袋 奈美子
    2025 年23 巻4 号 p. 613-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    「路面装飾」は、通行者に人優先の道路であることを視覚的に伝え、安全で快適な生活道路を実現するための手法である。先行研究では、ドライバーの走行挙動の分析から路面装飾がドライバーの歩行者を意識した運転を促進する可能性が示唆された。しかし、路面装飾への印象が走行挙動に与える影響や、「人優先」の道路空間の醸成効果については十分に検証できていないことから、本研究ではこれを検証した。結果、路面装飾に懸念されるドライバーの安全運転に負の影響を与えないこと、路面装飾が歩行者に好意的な印象を与え、快適な道路空間の醸成につながること等が明らかとなった。

  • 世界遺産登録とウィスキー産業の関係に関する文献研究
    近藤 紀章, 松本 邦彦
    2025 年23 巻4 号 p. 619-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、泥炭地保全、世界遺産登録、スコットランドのウィスキー産業の関係性を文献調査により検証した。1,332件の論文分析の結果、2020年以降に泥炭地保全研究が顕著に増加し、特に2024年のフロー・カントリー世界遺産登録年に研究が活発化した。泥炭地保全とウィスキー産業の研究は独立して進展している一方で、文化的景観の視点を統合した研究は限定的であることが明らかになった。泥炭地保全を環境問題に加えて、地域の文化的アイデンティティと伝統産業を包含した文化的景観の保全という視点から捉え直す必要性が示された。

  • 近藤 紀章, 柏尾 珠紀, 松本 邦彦
    2025 年23 巻4 号 p. 625-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、琵琶湖における漁獲データの歴史的変遷を整理し、水産資源管理と文化的景観保全を統合する新たな枠組みを提案した。1960年以降、統計集計方法が港や地域レベルから琵琶湖全体の集計値へと変化したことで、地域固有の漁業活動や環境変化の把握が困難になった経緯を明らかにした。また、漁獲高データを単なる資源管理の指標ではなく、文化的景観の変容を示す指標として再評価する視点を提示した。これらの知見に基づき、市民科学手法による詳細なデータ収集、定量データと定性的価値評価の統合、多様なステークホルダーとの協働による政策形成を含む、新たな証拠に基づく政策フレームワークを提案した。

  • 和歌山市内川を事例として
    伊賀 大晟, 佐久間 康富
    2025 年23 巻4 号 p. 632-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    近年、都市河川は潤いや安らぎを提供するオープンスペースとして再評価され、中心市街地の賑わい創出やまちの回遊性向上の観点から全国で河川を活かしたまちづくりが推進されている。和歌山市でも、遊歩道の整備など都市河川の利活用が進められている。その河川を活かした魅力ある空間の形成には土地の利活用など河川沿いの特徴を把握し、河川だけでなく河川に面した建物の一体的な整備や景観の保全・創出が重要となる。そこで、本研究では和歌山市を事例に沿川市街地の土地利用の変遷と、河川沿いの景観評価を明らかにする。

  • 小塚 遥仁, 鶴田 佳子
    2025 年23 巻4 号 p. 640-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    コンバージョンビレッジ(以下、CV)制度は、農村地域における魅力的な居住地の形成のために2017年のデンマーク計画法改正で導入された。CV制度には農村地域の厳しい開発規制を緩和する効果があるが、各地区ではCV内外に関わらず可能である開発のみ許可されていた。また、住宅開発を目的としたCV地区であるTørsbøl地区では「都市化」とみなされない範囲の開発しか認められず、その後CV指定を取り消した。さらに、住宅の再配置を目的としたNy Stenderup地区では当初構想していた再配置先に対し実際指定されたエリアはかなり狭くなっていた。そのため、国のCV制度と運用自治体の将来ビジョンがマッチングしていない課題が指摘されている。

  • 棟向きを中心としたインターネット地図機能を用いた基礎的広域調査
    川村 優那, 岡崎 篤行, 鈴木 海翔, 沖田 竜馬
    2025 年23 巻4 号 p. 646-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    町屋(日本の伝統的な商家の住宅)の棟向きは集落単位で変化する可能性がある。さらに町屋の数は年々減少傾向にある。そのため各地域の町屋の残存概況を網羅的に把握することが急務である。本研究は全国調査の一環として三重県南部と和歌山県における町屋の残存概況と棟向き、外観特性の分布を明らかにすることを目的とする。調査を通じて三重県南部と和歌山県の町屋の分布が明らかにする。

  • 四国及び淡路を対象として
    小林 一希, 岡崎 篤行, 鈴木 瞭真
    2025 年23 巻4 号 p. 649-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    日本における近世の町に関する研究は、近代都市構造の基盤を形成してきた城下町、宿場町、港町を対象として、主にその歴史的および文化的意義に焦点を当ててきた。港町は経済や物流ネットワークにおいて重要な役割を果たしていたものの、その都市形成に関する研究は限られており、特に四国や淡路においては十分に進んでいない。本研究は、これらの地域における港町の形成過程と都市形態を考察するものである。調査の結果、近世の港町は一般的に海と河川の両方に面して立地している一方で、船着場は主に河川沿いに設けられていたことが明らかになった。

  • 今岡 南奈帆, 宮川 智子
    2025 年23 巻4 号 p. 651-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究の目的は、和歌山城址公園の広場で行われるイベントを分類して利用状況を把握し、イベント開催中の利用者の所在や行動を観察・調査することで、空間の利用状況を明らかにすることである。その結果、開催されているイベントは、祭り、スポーツ、物販に分類できることが明らかになった。また、イベント開催中はグループ間の距離が離れるエリアや人が密集するエリアがあることも明らかになった。

  • 田邉 美紗貴, 宮川 智子
    2025 年23 巻4 号 p. 654-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    和歌山市は「歩きやすい快適なまちづくり」を推進しており、にぎわい創出と回遊性向上を目的に和歌山城前広場を整備した。本研究では、利用者へのアンケート調査を通じて、和歌山城前広場の利用目的や和歌山市中心部の課題を把握することを目的とした。調査結果から、広場利用者の多くはイベント参加や周辺施設への来場が目的であり、舗装構造にも満足しており、回遊性向上に効果があることがわかった。

  • 飲食店分析を行う際にどのデータを用いるか?
    土屋 泰樹
    2025 年23 巻4 号 p. 656-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    都市分析を行う際に、飲食店を分析対象とする研究が行われているが、どのデータを用いるべきかという議論はさほどなされてこなかった。公的統計である経済センサスには信頼性が高いという利点があるが、最小の集計単位が500mメッシュであること、調査が数年に1度であることなどの欠点がある。そこで、近年では民間のグルメ情報サイトや電話帳のデータを用いて、任意の時点のポイントデータを用いて都市分析を行う研究が複数行われている。しかし、飲食店データの特徴やデータ間の比較は行われていない。そこで本研究では、各データの特徴や掲載数を比較し、どのデータを用いるべきかを検討した。

  • ミュンヘン市開発住宅地の再調査から
    橋本 みなみ, 三輪 律江
    2025 年23 巻4 号 p. 661-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、ノイペルラッハ地区のグルンドシューレ学区におけるあそび環境を、34年前の国際比較研究と照らし合わせて再調査した。42名のこどもを対象にアンケート調査を実施し、定量的手法を用いてあそび環境の変化を分析した。その結果、平均あそび時間は1.33時間減少し、家庭や学校など限定的な空間での遊びが増加していることが明らかとなった。地区内の自然環境は維持され、大きな空間的変化は見られなかったが、戸外遊びの機会は大幅に減少していた。一方で、室内遊びの機会は増加したものの、あそび方法の分析からは、依然として戸外遊びへの支持が強いことが示された。本研究は、都市空間においてこどもの遊びに対する制約が生まれている現状を明らかにし、都市計画における重要な課題として指摘する。

  • 東京都の都市計画決定事例を対象に
    柴田 将伍, 中野 涼, 宇於﨑 勝也
    2025 年23 巻4 号 p. 664-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、東京都の都市再生特別地区における国際競争力強化の実態と課題を明らかにすることを目的とし、国家戦略特区制度導入前後の公共貢献の変化を比較し、特定の分野で国際競争力強化に資する貢献が増加していることを明らかにした。特にMICE(国際会議・展示会)関連施設の整備が進められているが、一部の施設で十分に活用されていない実態が明らかになった。また、施設規模の制約により、大規模国際会議の誘致が困難であることや、既存の大規模会場の利用が制限される問題が指摘された。一方、宿泊施設では外国人宿泊者割合が高く、国際競争力が一定程度確保されているが、カンファレンス施設との連携は限定的であり、さらなる強化が求められる。今後は都市再生特別地区間の連携を深め、より戦略的な公共貢献の運用を推進し、国際競争力を高めるための統合的な施策が必要である。

  • 川崎市を対象として
    荻原 暁彦, 村木 美貴
    2025 年23 巻4 号 p. 672-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    COP21で採択されたパリ協定は、環境配慮型エネルギー利用への転換、特に都市の脱炭素化の必要性を訴えている。日本では991自治体がゼロ・カーボン都市を宣言し、地域のエネルギー消費構造を踏まえた脱炭素計画の策定が課題となっている。本研究は、建物の使用状況など地域特性に応じた対策選択と近隣自治体間のエネルギー協力が鍵であることを示唆している。

  • 棟向きを中心としてインターネット地図機能を用いた基礎的広域調査
    于 子珂, 岡崎 篤行
    2025 年23 巻4 号 p. 677-
    発行日: 2025/03/14
    公開日: 2025/03/14
    研究報告書・技術報告書 フリー

    本研究は、全国調査の一環として、東北南部三県における町屋の残存概況及び棟向きや外観特性の分布を明らかにすることを目的としている。主な結果は以下のとおりである。残存棟数および密度の上位42集落のうち、15集落はこれまでの町並みに関する文献で言及されていない。145集落を調査した結果、140の集落において、妻入および複合型が優勢であることが明らかとなった。したがって、南東北三県では主に妻入住宅を特徴とする地域であるといえる。

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