本研究では、脊髄損傷者が車いすを使用する際の座位姿勢を長期間計測するための座位姿勢計測装置を開発した。この装置は、車いすの座面に設置したエアバックと圧力センサを用いて、座面にかかる圧力をリアルタイムで計測し、そのデータを基に車いすに座っている姿勢の検出や時間を算出する。実際に吉備高原医療リハビリテーションセンターに入院中の脊髄損傷者に対して計測を行った結果、車いすに座っている時間や移乗回数、プッシュアップなどの荷重軽減姿勢の回数を詳細に捉えることができた。さらに、車いすにおける安静時の座位姿勢や体幹の傾きによる姿勢の特徴も明確に確認できた。本研究の成果は、褥瘡予防やQOL向上に向けたリハビリテーション医療にも貢献する可能性があり、今後の研究や実践への応用が期待される。
障害児の成長を促すために五感への働きかけや動物との関係から生まれる経験も重要である。そこで、動物を介する施設(動物園)における、障害児への配慮や取り組みなどの実態を把握するため、アンケート調査を行った。さらに訪問調査により事例を収集した。その結果、障害児やその家族に配慮した体験プログラムなどは、施設の規模や立地条件には関係がないことがわかった。ICTの活用などで誰もが楽しめる工夫がある一方で、人手不足などを理由に福祉に力を入れることができない施設もあり、人材育成や勉強会などが必要であることも明らかになった。
本研究では、統合失調症患者における精神症状とバイオマーカーとの関連を検討した。ストレスのバイオマーカーとして唾液α - アミラーゼ活性、疲労のバイオマーカーとしてCEMを測定し、精神症状の指標としてBPRSとPANSSを測定した。その結果、バイオマーカーと精神症状の指標との間に有意な相関が認められた。このことから、ストレスおよび疲労のバイオマーカーが精神症状の状態把握における指標となる可能性が示された。
スポーツとは、もともとは「気晴らし、休養、遊び」などを意味したラテン語の「デポルターレ」が語源と云われている。障がい者にとってスポーツは、新たな自己実現でもあり、積極的な自立と社会参加を促進する上でも重要な役割を持つものである。数あるパラスポーツの中で車椅子ソフトボールは、屋外で行われるベースボール型の団体競技である。今回、筆者も競技者として参加している車椅子ソフトボールの競技用車椅子作製に携わる機会を得た。そして、利用者自身が実際にスポーツの魅力に惹かれて、活動範囲や生活が大きく変化する場に立ち会えたので報告する。
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