いわゆるプラトーに達して退院した脳血管障害者182例の退院時の家庭内自立度について検討し,以下の結果を得た。
1. 家庭復帰した脳血管障害者182例中58例(32%)が,家庭内自立に至らなかった。
2. 移動は自立しながらも,身の回り動作に介助を要した症例が9例みられた。
3. 家庭内自立群の下肢Brunnstrom Stageは,98%がStage IV上であった。
4. 高次脳機能障害は,家庭内非自立群の76%にみられ,半側空間失認と構成失行,意欲低下と痴呆(長谷川式簡易知的機能スケールで痴呆・準痴呆)の重複が多かった。
5. 日常生活動作の自立あるいは介助量の軽減の目的で行っている家屋改善は,トイレと風呂場の改善が多かった。
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