安静立位と転倒性の外乱刺激を与えた場合の老年群と青年群との姿勢調節の巧拙を足底圧中心軌跡(重心動揺)の移動距離と面積で比較検討した。老年群(平均68.1歳)17名と青年群(平均21,2歳)10名を対象に,足底面0度と不意に踵下がりに3,6,9度で急傾斜させた場合の重心移動距離と面積を,重心動揺計で30秒間測定した。
重心移動距離,面積共に0,3,6,9度において老年群の値は青年群よりも高値を示し,老年群で姿勢調節能は劣っていた。
両群とも傾斜角度の増加に伴って0,3,6,9度の順に距離も面積も増大し,9度と6度間の増大が非常に大きかった。
両群とも測定回数があとになるほど距離,面積共に小さい値を示す傾向がみられ,学習の影響を無視できないことを窺わせた。
後方傾斜に対する姿勢調節は両群とも前後方向で行われていた。
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