退院時歩行自立できなかった脳血管障害患者(N = 85,平均年齢66.4歳)の歩行自立度についてフォローアップを行い検討し,以下の結果を得た。
1 )年齢が低く,下肢の運動麻痺が軽症なものほどフォローアップ時の歩行自立度が良好であった。
2 )退院時における坐位および歩行能力が高いものほどフォローアップ時の歩行自立度が良好であった。
3 )フォローアップ時の歩行自立度を従属変数とし,年齢・下肢Brunnstrom stage・歩行能力・高次脳機能障害を独立変数として多変量解析を行った結果,慢性期脳血管障害患者の歩行自立度を規定する因子としては,退院時における歩行能力が最も重要であり,その他の諸要因として年齢,下肢Brunnstrom stage,高次脳機能障害などが関係してくると考えられた。
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