理学療法領域における,治療効果やその病態に関する神経生理学的評価の手段にLLR検査を応用することを目的として,等尺性収縮度の変化に対する長潜時反対の反応性を検討した。
対象は健常者15名の利き手側上肢15肢,方法は,母指と中指の対立運動による最大収縮力を測定し,その25,50,75,100%での収縮中に,正中神経を手関節部で20回電気刺激し,母指対立筋より長潜時反射を導出した。結果は,振幅比は収縮度の増加に比例して増大し,位相数は減少した。また,立ち上がり潜時と持続時間には変化が認められなかった。本研究の結果から,皮質を経由すると考えられる長潜時反射は,導出筋の収縮度に大きく影響をうけることが示唆された。
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