理学療法学
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34 巻, 3 号
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研究報告
  • ―日本版膝関節症機能評価尺度(JKOM)を用いた評価―
    渡邊 裕之, 占部 憲, 神谷 健太郎, 濱崎 伸明, 見井田 和正, 須田 久美, 辺土名 隆, 藤田 護, 相川 淳, 糸満 盛憲, 二 ...
    原稿種別: 本文
    2007 年 34 巻 3 号 p. 67-73
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー
    膝関節に痛みを有する地域在住高齢者を対象に日本版膝関節症機能評価尺度(JKOM)を用いてQuality of Life(QOL)評価を行い,JKOMの結果と身体特性(形態,身体組成,運動機能)との関係について調査をおこなった。JKOMスコアと関係の高かった評価項目は痛み(VAS),屈曲可動域,膝伸展筋力,10m歩行速度であった。また,JKOM下位評価尺度と各計測項目との関係では,「膝の痛みとこわばり」,「日常生活の状態」とVASは高い相関関係にあった。10m歩行速度(快適,最大)は全ての下位評価尺度と関連を認め,ADLに基づきQOLに影響を与える規定因子と考えられた。
  • ―体幹前傾角度の違いが及ぼす影響―
    石田 弘, 渡邉 進, 田邊 良平, 江口 淳子, 小原 謙一
    原稿種別: 本文
    2007 年 34 巻 3 号 p. 74-78
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,立位での前かがみ姿勢で引き上げ運動を行う際に体幹前傾角度の違いが体幹および股関節伸展筋の活動に及ぼす影響を明らかにすることである。対象は19歳から29歳までの健常男性10名(平均年齢 : 23.1歳)とした。導出筋は腹直筋,腹斜筋群,L3,L5レベル脊柱起立筋,広背筋,大殿筋,大腿二頭筋とした。運動課題は体幹前傾30°,45°,60゜にてピークフォースの0%,30%,60%を行うこととした。筋電図の平均積分値は最大随意収縮(Maximal voluntary contraction ; MVC)を基準に正規化した(%MVC)。その結果,すべての筋で,いずれの前傾角度でも負荷が大きいほど%MVCは有意に大きかった。同一負荷では体幹前傾角度が大きいほど脊柱起立筋の%MVCは小さく,広背筋と大腿二頭筋の%MVCは大きかった。これらの結果から,脊柱起立筋活動が減少するような前かがみ姿勢では腰部の受動的な組織の負担は増していると考えられるが,肩関節や股関節伸展筋が活動量を増やして引き上げ運動を行っていることが示唆された。
  • 大谷 拓哉, 丸石 正治, 坂本 望, 金島 奈緒子, 砂堀 仁志, 前島 洋, 吉村 理, 飛松 好子
    原稿種別: 本文
    2007 年 34 巻 3 号 p. 79-87
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,認知課題が姿勢動揺に与える影響について脳外傷者と健常者で比較検討することである。軽症脳外傷者10名と健常者10名を対象に,1)立位保持課題のみ実施,2)立位保持課題と順唱課題を同時に実施,3)立位保持課題と逆唱課題を同時に実施,の3条件で,30秒間の圧中心移動軌跡を計測した。立位保持課題は,フォームラバー上で閉脚静止立位を保持する課題とした。また,逆唱課題が注意を要する課題であることを示すために逆唱課題が反応時間課題に与える影響も検討した。統計学的解析の結果,逆唱課題は反応時間課題に有意な影響を与えたが,逆唱課題が圧中心パラメータに与える影響については,脳外傷者と健常者で有意差が認められなかった。認知課題が姿勢動揺に与える影響は,軽症脳外傷者と健常者で著明な差が認められないことが示唆された。
  • 荒木 景子, 沖田 実, 吉田 大輔, 森 まどか, 福田 幸子, 中村 眞須美, 坂本 淳哉, 片岡 英樹, 中野 治郎
    原稿種別: 本文
    2007 年 34 巻 3 号 p. 88-94
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,不動によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮に対する持続的伸張運動と間歇的伸張運動の影響を比較検討することである。Wistar系雄ラット39匹を対照群10匹と足関節を最大底屈位でギプス固定する実験群29匹に分け,実験群はさらに固定のみの群(固定群,n=10),固定期間中に持続的伸張運動を行う群(持続伸張群,n=9),固定期間中に間歇的伸張運動を行う群(間歇伸張群,n=10)に振り分けた。そして,ギプス固定開始から2週後,4週後に各群任意のラットからヒラメ筋,足底筋を摘出し,組織化学的検索に供した。その結果,ギプス固定2週後においては両筋ともにすべての筋線維タイプの平均筋線維直径は固定群,持続伸張群,間歇伸張群の間に有意差を認めなかった。一方,4週後のヒラメ筋ではタイプⅠ・Ⅱ線維の平均筋線維直径は固定群と持続伸張群に有意差はなく,間歇伸張群はこの2群より有意に高値を示した。また,足底筋のすべての筋線維タイプの平均筋線維直径は固定群より持続伸張群,間歇伸張群は有意に高値で,この2群間には有意差を認めなかった。以上のことから,不動によるラット骨格筋の廃用性筋萎縮の進行抑制には,持続的伸張運動より間歇的伸張運動の方が効果的であることが示唆された。
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