理学療法学
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早期公開論文
早期公開論文の12件中1~12を表示しています
  • 問田 純一, 内藤 卓也, 平賀 勇貴, 平川 善之
    論文ID: 11445
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/07/28
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】義肢が身体の一部であるように感じる身体化が生じると,義肢操作性が向上する可能性が示されている。今回,幻肢を義手に投射することで,身体化に成功した事例を報告する。【対象と方法】対象は短縮した幻肢を有する上腕切断症例である。介入の第1 段階では実大型の幻肢・幻肢の随意運動の獲得,断端の感覚機能の向上を図った。第2 段階にて幻肢を義手に投射し,第3 段階で幻肢をfeedback 機構として利用する介入を実施した。【結果】実大型の幻肢・幻肢の随意運動を獲得し,幻肢を義手に投射することで幻肢をfeedback 機構として利用できるようになり,義手操作性・日常生活動作(Activities of Daily Living;以下,ADL),生活の質(Quality of Life;以下,QOL)の向上を認めた。【結語】幻肢を義手に投射することで義手操作性・ADL が向上し,QOL の向上を認めた可能性が考えられた。

  • 高取 克彦, 松本 大輔
    論文ID: 11463
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/07/19
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】地域在住高齢者の主観的年齢と身体機能および個人レベルのソーシャル・キャピタル(以下,SC)強度との関連性を明らかにすること。【方法】対象は地域在住高齢者294 名である。主観的年齢は対象者が主観的に感じる年齢とし,標準化した値を年齢ギャップスコアとして定義した。その他の評価として,Timed Up and Go Test(以下,TUG),30 秒立ち上がり,椅座位体前屈を測定した。また基本チェックリストおよびSC 強度を評価し,主観的健康感についても聴取した。【結果】主観的年齢は実年齢よりも有意に若く(p < 0.01),年齢ギャップスコアの平均は–0.14 であった。重回帰分析の結果,年齢ギャップスコアにはTUG(β = 0.18, p = 0.01),個人レベルのSC 強度(β = –0.19, p < 0.01)が関連していた。【結論】主観的年齢の若さは良好な運動機能と関連し,地域とのつながりの豊かさからも影響を受ける可能性がある。

  • 宮城島 一史, 対馬 栄輝, 石田 和宏, 佐藤 栄修, 百町 貴彦, 柳橋 寧, 安倍 雄一郎
    論文ID: 11431
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/07/12
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究の目的は,腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対する入院中の電気療法の継続効果を検討することである。【方法】対象は,腰椎後方手術後に下肢症状が遺残した50 例とし,症状部位に10 分間電気療法を実施した。入院中に電気療法を継続した例(電気継続群),電気療法の継続を中止した例(電気中止群)の2 群に分類し,下肢症状のVAS を調査した。【結果】電気継続群は39 例,電気中止群は11 例であった。電気継続群のVAS(術前→初回電気療法前→退院時)は70 →40 →14 mm であり,各時期で有意差を認めた。電気中止群のVAS は63 →45 →41 mm であり,初回電気療法前から退院時で有意差を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果,退院時のVAS(オッズ比:1.04)が選択された。【結論】腰部疾患手術後の遺残下肢症状に対し,入院中に電気療法を継続した群は,退院時の症状の回復が良好であった。

  • 市川 崇, 亀尾 徹, 久保 雅義
    論文ID: 11422
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/07/11
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】文献レビューにより膝に関する機能障害に基づく分類システムの現状を調査することを目的とした。【方法】膝に関する機能障害に基づく分類システムについて報告された文献を抽出するために,英語・日本語のデータベースを利用し,2016 年10 月10 日までの系統的検索を行った。その後,同定された分類システムに対してハンドリサーチを行った。【結果】膝に関する分類システムは4 つ同定され,各々に適応と禁忌が存在した。分類システムの分類方法は判断的分類と統計学的分類が用いられ,治療戦略は運動修正戦略と運動負荷戦略を特徴としていた。分類システムの信頼性と妥当性はまだ十分とは言い難い。【結論】分類システムですべての患者の対応は困難であり,適材適所に使用できる適切な評価およびクリニカルリーズニングが必要である。分類システムに関する研究や臨床実践のさらなる発展が望まれる。

  • 浅川 育世, 佐野 岳
    論文ID: 11466
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/16
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】総合事業等で参加を評価するために必要な項目を,国際生活機能分類(以下,ICF)より選定することを目的に調査を実施した。【方法】茨城県において介護予防にかかわるリハビリテーション専門職106名を対象に,ICF の活動と参加の第6 章から第9 章の83 コードについて,参加を評価する項目としての必要度を調査した。調査にはデルファイ法を応用し,同一回答者に対し3 回の調査を実施した。その際,調査の2 回目,3 回目については前回の回答状況を回答者にフィードバックした。【結果】最終的に,34 コードが総合事業等で参加を評価する際に必要な項目としての同意を得た。【結論】34 コードについては,他者とのかかわりにおいて成立する項目が多く見られた。

  • 松田 雅弘, 新田 收, 古谷 槇子, 楠本 泰士, 小山 貴之
    論文ID: 11343
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/15
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】発達障害児はコミュニケーションと学習の障害以外にも,運動協調性や筋緊張の低下が指摘され,幼少期の感覚入力問題は運動協調性の低下の原因のひとつだと考えられる。本研究は幼児の運動の協調性と感覚との関連性の一端を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は定型発達の幼児39 名(平均年齢5.0 歳)とした。対象の保護者に対して,過去から現在の感覚と運動に関するアンケートを実施した。運動の協調性はボールの投球,捕球,蹴る動作の25 項目,80 点満点の評価を行った。5,6 歳児へのアンケート結果で,特に感覚の問題が多かった項目で「はい」と「いいえ」と回答した群に分けて比較した。【結果】「砂場で遊ぶことを嫌がることがあった。手足に砂がつくことを嫌がった」の項目で,「はい」と回答した群で有意に運動の協調性の総合点が低かった。【結論】過去から現在で表在感覚の一部に問題を示す児童は,児童期に運動の協調性が低い傾向がみられた。

  • 奥山 航平, 川上 途行, 土元 翔平, 小倉 美帆 , 牛場 潤一, 水野 勝広, 里宇 明元
    論文ID: 11393
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/14
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】本研究は,マーカーレスで簡便に動作計測が可能なKinect を用いて脳卒中片麻痺患者のリーチ可能なワークスペース(Reachable Workspace:以下,RWS)を評価し,従来の臨床評価指標との関係から,上肢運動機能評価手法としての併存的妥当性を検証することを目的とした。【方法】対象は脳卒中片麻痺患者20 名とした。8 パターンの上肢動作遂行中における手部の空間座標データから麻痺側および非麻痺側のRWS を評価した。非麻痺側RWS に対する麻痺側RWS の比率(以下,RWS 比)とFugl-Meyer Assessment 上肢項目(以下,FMA-UE)の合計点について,Spearman の順位相関係数を用いて相関関係を検討した。【結果】RWS 比とFMA-UE は強い正の相関を示した(r = 0.88, p < 0.01)。【結論】RWS 評価は麻痺側上肢の近位運動機能を定量的に評価する指標として妥当であることが示された。

  • 米永 悠佑, 簑田 和樹, 広田 美江, 松瀬 博夫, 志波 直人
    論文ID: 11370
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/08
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】Cancer Functional Assessment Set(以下,cFAS)の有用性を示すために,Barthel Index(以下,BI)との併存的妥当性と内容的妥当性について検証することである。【方法】理学療法を処方された入院がん患者の年齢,性別,原疾患,治療内容,Eastern Cooperative Oncology Group Performance Status Scale(以下,ECOG-PS),BI,cFAS を後方視的に調査した。検証内容は,cFAS とBI の関連,cFAS とBI の天井・床面効果の有無を調査した。【結果】cFAS とBI には有意な相関関係を認めた。cFAS はいずれのECOG-PS においても天井・床面効果を認めなかった。【結論】cFAS はがん患者のADL 能力を反映しており,全身状態が良好の場合から不良の場合において的確に心身機能とADL 能力の評価が可能であることが示唆された。

  • 田中 惣治, 本島 直之, 山本 澄子
    論文ID: 11359
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/07
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】片麻痺者の麻痺側膝関節の動きによる歩行パターン分類を基に,歩行パターン別に歩行各相の割合が短縮,もしくは延長するかを調べ,その運動学・運動力学的要因を分析した。【方法】回復期片麻痺者121 名を対象とし,三次元動作分析装置と床反力計を用いて歩行を計測した。【結果】歩行パターンにより違いがみられた時間因子は単脚支持期と前遊脚期時間であった。前遊脚期時間はこの時期に膝関節が十分屈曲するかが重要となり,足底屈モーメントによるPush off の減少が膝屈曲角度の低下に影響している。特に荷重応答期に膝関節が過伸展する歩行パターンは,前遊脚期で膝屈曲モーメントが大きく膝関節が屈曲しにくくなり,前遊脚期時間が延長するのが特徴である。【結論】片麻痺者の歩行パターンにより前遊脚期時間に差がみられ,その運動学・運動力学的要因は歩行パターンで異なることが明らかになった。

  • 澤島 佑規, 矢部 広樹, 野村 宜靖, 足立 浩孝, 村田 真也, 田中 善大
    論文ID: 11360
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/06
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】急性期の脳領域の損傷度から回復期リハビリテーション病棟(回復期病棟)退院時の歩行自立度が予測可能か検討することを目的とした。【方法】対象は被殻出血患者115 例とし,退院時のFIM の歩行点数から自立群および非自立群,介助群,不可群に分類した。急性期のCT にて,側脳室レベルの6 領域,松果体レベルの14 領域の計20 領域の全体面積と出血面積を測定し,損傷度(出血面積/ 全体面積× 100)を%値にて算出した。20 領域の損傷度に加えて出血量,脳室穿破の有無を測定し,ロジスティック回帰分析およびROC 解析にて歩行の自立/非自立,介助/不可を判別するカットオフ値を算出した。【結果】歩行自立/非自立は内包後脚中部の損傷度(60.4%)と出血量(27.4 ml),歩行介助/不可は内包後脚前部の損傷度(16.8%)が有意に抽出された。【結論】内包後脚前部と中部の損傷度,出血量から歩行自立度の予測が可能であると示唆された。

  • 上村 一貴, 山田 実, 岡本 啓
    論文ID: 11411
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/06/02
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】アクティブ・ラーニング型教育介入のフレイル予防に向けた効果を検証することとした。【方法】対象は地域在住高齢者84 名とし,介入群と対照群にランダムに割りつけた。介入群には,週1 回90 分,24 週間の教育介入を行い,調査学習などを通じて健康行動を促進した。効果判定指標は,メンタルヘルス,身体機能,ライフスタイル関連要因,プレフレイルの有無とした。【結果】脱落を除く79 名を分析対象とした。Apathy Scale,歩行速度,5 回椅子立ち座りテスト,身体活動量,食品摂取多様性得点,健康管理に対するセルフエフィカシー得点に時間と群の有意な交互作用が認められ(p < 0.05),介入群では対照群に比較して改善した。また,介入群でのみ,プレフレイルの割合が有意に減少した。【結論】アクティブ・ラーニング型教育介入は,意欲向上,ライフスタイル変容,および身体機能改善に有効であり,フレイル予防に寄与することが示唆された。

  • 小林 陽平, 藤野 雄次, 牧田 茂, 竹田 浩明, 福原 弘之, 長田 正章
    論文ID: 11413
    発行日: 2018年
    [早期公開] 公開日: 2018/05/24
    ジャーナル フリー 早期公開

    【目的】先行研究で考案した急性期脳血管障害患者における歩行予後予測モデルの交差妥当性を当院での検証標本を用い検討した。【方法】急性期脳血管患者62 例を対象に,先行研究に準じてThe Trunk Control Test,脳卒中運動機能障害重症度スケール,疾患(脳梗塞または脳出血),年齢を発症5 日以内に評価した。次に当院検証標本に予後予測モデルを使用してROC 曲線からカットオフ値を検討し,歩行自立/ 非自立を予測した。【結果】当院の検証標本でのカットオフ値は0.953,判別的中率は85.5% の判別が可能であった。【結論】先行研究で考案した歩行予後予測モデルの交差妥当性は高く,臨床応用が可能であることが示唆された。

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