理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
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10 巻 , 1 号
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  • 堀本 ゆかり, 青田 安史, 石井 俊夫, 窪田 俊夫
    1995 年 10 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脳卒中片麻痺の歩行能力の予後予測は,歩行訓練のプログラムにおける大きな課題の一つである。そこで,歩行能力の改善が期待できる発症から1年以内の脳卒中片麻痺患者52例について,入院2週間後のデータより,3ヶ月後の平坦路歩行能力と最大努力下での歩行スピード(以下最大スピード)について,多変量解析-数量化I類-を用い予測を試みた。説明変数は年齢,発症からの期間,Brunnstrom Recovery Stage(以下B.R.S.),台からの立ち上がり,踏み出し幅,認知・代償能力の6項目である。その結果,平坦路歩行能力,最大スピードとも影響を及ぼした変数は,台からの立ち上がり,B.R.S.,踏み出し幅であり,重相関係数は0.85であった。
  • 山本 摂, 宮崎 貴明, 近野 一浩, 藤谷 順子
    1995 年 10 巻 1 号 p. 7-10
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    片麻痺患者の実用歩行耐久性の評価に適している検査法を検索するために,片麻痺患者36例を2群(連続1km以上歩行可能な群・連続1km以上歩行困難な群)に分け,それぞれ2分間歩行距離,3分間歩行距離,6分間歩行距離,physiological cost index(歩行開始後2分,3分,6分に測定),有酸素性作業閾値,最大酸素摂取量について測定し,両群間で比較した。
    2分間歩行距離,3分間歩行距離,6分間歩行距離,最大酸素摂取量については両群間で有意な差を認めた(p<0.05)。
    また,2分間歩行距離,3分間歩行距離,6分間歩行距離はそれぞれの間で高い相関関係を示した。
    以上の事から,臨床場面の実用歩行耐久性の評価には2分間歩行距離が有用であると考えられた。
  • 近藤 正太, 荒木 創一, 加地 和正
    1995 年 10 巻 1 号 p. 11-14
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脳卒中片麻痺26名と健常群15名に最速歩行と通常歩行を行わせ,その時の歩行速度,重複歩距離,歩行率を測定した。そして,この重複歩距離と歩行率が,歩行の速度変化にどのように関与しているか,片麻痺を歩く速さの差でA群(60m/min以上)とB群(60m/min未満)の2群に分類し検討した。最速歩行と通常歩行の速度変化は,3群とも重複歩距離と歩行率が要因となっていた。片麻痺A群と片麻痺B群の間に生じる速度差は,最速歩行では重複歩距離と歩行率がともに影響を与えていたが,通常歩行では重複歩距離の差がその主要因であった。片麻痺A群内部で見ると,歩く速さは歩行率に強く影響されていたが,片麻痺B群内部では逆に重複歩距離に依存していた。
  • 林 秀俊
    1995 年 10 巻 1 号 p. 15-19
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    当院における脳卒中の運動療法は,Hirschbergや三好の考え方で,安定した歩行獲得を目標に,健側(非麻痺側)下肢の筋力強化を目的とし,起立―着席訓練を中心に行っている。今回,運動療法開始時に歩行不可能であった患者58例を対象に運動療法を実施し,退院時の歩行機能を自立群,介助群,不能群に分類し,3群について年齢,麻痺側,発病から運動療法開始までの期間,訓練期間う入院期間,退院先について検討した。
     年齢,麻痺側,発病から運動療法開始までの期間,入院期間については統計学的差を認めなかったが,訓練期間については自立群が他2群に比較し有意(p<0.01)に短く,退院先についても3群間に有意な差(p<0.01)を認め,自立群は自宅へ,他2群は転院や施設に行くものが多かった。
  • 宮崎 貴朗, 山本 摂, 近野 一浩, 藤谷 順子
    1995 年 10 巻 1 号 p. 21-23
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脳血管障害による片麻痺者男性32名の非麻痺側下肢筋持久力を歩行能力との関係において検討した。非麻痺側膝伸展運動の等速性運動検査を180deg/secで施行した。筋持久力は,疲労特性であるEndurance Ratio(EDR)と,総仕事量を,10・15・20・25・30回の運動回数に測定した。歩行能力は,最大歩行速度と自由歩行速度を指標とした。
    EDR10・15・25回および総仕事量10~30回全てと,自由歩行速度および最大歩行速度とに有意な相関関係が見られた。
  • 伊藤 浩充, 丸山 孝樹, 木田 晃弘, 古賀 友弥, 佐浦 隆一, 黒坂 昌弘, 水野 耕作
    1995 年 10 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ACL再建術後患者35例を対象に,術後6ヵ月時のCybex IIによる膝屈伸筋力評価,KT-1000による膝の安定性評価を行った。Cybex IIの結果では,60°/secにおける膝伸展筋力の体重比が65%以上の者(A群)は14例,65%未満の者(B群)は21例であった。KT-1000の結果では,A群では左右差の平均値は2.7±2.8mm,B群では左右差の平均値は0.8±2.7mmであった。A群については,さらに下肢の機能的運動能力テスト(FAT)である片脚8の字跳躍,片脚横跳びおよび片脚幅跳びを行った。その結果では,FATの3つのテスト全てが正常の者は3例,FATの3つのテストのうち少なくとも1つが異常を示した者はn例であった。ACL再建術後6カ月時点での評価として,膝の安定性や膝屈伸筋力の評価だけでなく,FATのような運動能力評価を行う必要があると考えられた。
  • 小室 透, 間瀬 教史, 和田 智弘, 居村 茂幸, 藤原 誠, 辻田 純三
    1995 年 10 巻 1 号 p. 29-34
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎2症例に対して,サイベックスIIを用いた筋力強化ならびに自転車エルゴメータを用いた有酸素トレーニング行った。また,その前後において,サイベックスIIおよび筋電図による筋力,筋持久力評価と,別途運動負荷テストを行った。その結果,両症例ともに筋力,筋持久力の改善,最大酸素摂取量および換気性作業閾値の改善が得られた。理学療法の全経過において,クレアチンキナーゼ値の上昇は認められなかった。以上の結果より,臨床症状に十分な注意を払うならば,多発性筋炎においても積極的な筋力強化および有酸素トレーニングは筋力,全身持久力,筋の酸素利用能の改善に有用であることが示された。
  • 西條 富美代, 谷 浩明, 沼田 憲治, 林 しのぶ, 徳田 哲男
    1995 年 10 巻 1 号 p. 35-40
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    一連の入浴動作の中で最大の問題とされている浴槽への出入り動作を対象とし,介護機器,浴槽縁高の違いによる介護動作時の身体的負担度の比較を目的とするモデル実験を行った。介護機器は天井走行式リフターとシャワーキャリー,浴槽縁高は30cmと60cmとし,身体的負担度は.介護姿勢と内観報告により評価した。解析の結果,姿勢による身体的負担度,主観的な負担度からは,浴槽縁高30cmでリフタ―を使用した場合が最も介護負担が少ないことがわかった。また,負担となる身体部位,所要時間などから,浴槽縁高30cmでシャワーキャリー使用の場合が,他のものより負担度が高い可能性が示唆された。
  • 前田 哲男, 山口 尚美
    1995 年 10 巻 1 号 p. 41-44
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    我々は等速性運動における体幹伸筋力測定の場合と同様な運動を自動運動で疑似的に行い,その時の測定から軸心を推定した。対象は健常女性25名で,Kin-Com500H背腹筋測定システムを用いて,被検者に体幹屈曲40度・伸展20度の自動運動を行わせ,第4胸椎棘突起と測定用アームのずれた距離をノギスで測定し,被検者の動きを円運動と仮定した方程式から軸心を求めた。その結果,軸心の平均値はx軸では上前腸骨棘と上後腸骨棘の中点から後方約1~2cm,範囲は前方約2cmから後方約5cm,y軸の平均値は上前腸骨棘と上後腸骨棘の中点から下方約2~5cm,範囲は上方約2cmから下方約9cmとなることが推察され,被検者間の違いは大きかった。
  • 柴田 典子, 四方 照美, 山本 摂, 園田 茂
    1995 年 10 巻 1 号 p. 45-48
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常人10名に対し,6段階の高さに設定した手すりを用いて椅子からの立ち上がり動作を行い,その時の股関節,膝関節,足関節の各モーメントを測定した。手すりの高さと各モーメントのピークの関係を検討したところ,膝関節,足関節に関しては有意な差は認められなかった。股関節のピークモーメントにおいては,手すりの高さの変化に対して3つのパターンが認められた。これは手すりの使い方がいくつかのパターンとして股関節に反映されたものと思われる。
  • 長谷川 正浩, 澤 俊二, 重野 幸次, 長谷川 恒雄
    1995 年 10 巻 1 号 p. 49-52
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    当院で行われている脳卒中片麻痺患者の歩行能力向上を目的とした訓練法の紹介(下腿三頭筋抑制法)と,本訓練と持続的伸張訓練前後での最大歩行速度・歩幅の変化による検討を行った。対象は,院内歩行自立の片麻痺患者13例であった。それぞれの訓練前後に10m最大歩行を行い,その時問と歩数から速度と歩幅を算出した。その結果,本訓練後には全症例で最大歩行速度・歩幅が増し,訓練前後で有意差が認められた(p<0.01)。持続的伸張訓練前後では有意差は認められなかった。立脚期の下肢各関節の協調運動を考慮し,下腿三頭筋の活動に注目した本訓練により,前方への重心移動がスムーズに行えるようになったためではないかと考えた。
  • 神津 玲, 野方 敏行, 田平 一行, 中村 美加栄, 柳瀬 賢次, 滝沢 茂夫
    1995 年 10 巻 1 号 p. 53-60
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    呼吸理学療法は,呼吸ケアにおける重要な1つの治療法である。当院では1993年4月より,2名の理学療法士が呼吸器科に専属して呼吸理学療法を行っており,患者の呼吸ケアの一端を担うべく努めている。当科における理学療法士の役割は,呼吸理学療法を施行するとともに,それに関連する呼吸ケアをナースチームと協力して行うことで患者ケアに貢献することである。
     現在,いくつかの検討課題が残されているものの,理学療法士が呼吸器科病棟に専属して呼吸理学療法を施行するようになり,多くの利点が得られた。中でも,呼吸理学療法の質と継続性が改善されたことが最も大きな利点である。具体的には,急性期呼吸障害患者への集中的な呼吸理学療法の施行が可能になったこと,慢性呼吸不全患者の入院から外来,在宅まで幅広く,充実した理学療法サービスを提供できるようになったことがあげられる。
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