理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
13 巻, 4 号
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  • 佐竹 將宏, 籾山 日出樹, 上村 佐知子, 阿部 奈菜子, 二田 美樹, 石澤 暢浩
    1998 年 13 巻 4 号 p. 173-177
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    発症後早期の3名の脳損傷患者に対して体位変換を行い,一拍ごとに測定された血圧と脈拍数の変化について検討した。体位変換は3分ごとに,安静仰臥位,端座位,立位,端座位,仰臥位の順で,能動的に行った。その結果,血圧と脈拍数は,安静仰臥位,端座位,立位の順で高くなった。しかし,立位後の端座位における血圧は,立位とほぼ同値であった。仰臥位からの起きあがりや端座位からの立ちあがり直後には,血圧は一瞬低下したあと急な上昇を示し,脈拍数は急な上昇を示したあとわずかに低下した。これらの変化は,健常者が示した変化と同様であった。発症後早期の脳損傷患者では,立位訓練同様,座位訓練においてもリスク管理の必要性が示唆された。
  • 山端 るり子, 臼田 滋, 遠藤 文雄
    1998 年 13 巻 4 号 p. 179-183
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常女性における,膝屈伸筋群の等速性筋出力特性と年齢や歩行能力との関係を検討することを本研究の目的とし,若年群18名(22.0±1.6歳)と高齢群47名(70.6±5.1歳)を対象とした。筋出力特性はCybex770を用いて60・180deg/sにおけるpeak torqueの体重比(%BW),angle of peak torque,acceleration time(AT)を全対象者について測定し,最大歩行速度と6分間歩行距離(6MD)は高齢群のみ測定した。2群の比較において,有意な%BWの低下とATの延長が認められた。また,高齢群では%BWとATは有意な負の相関関係にあり,ATは年齢,最大歩行速度,6MDと有意な相関関係にあった。最大歩行速度,6MDを従属変数とし,年齢,%BW,ATを独立変数とした重回帰分析では,最大歩行速度はATと年齢の影響を強く受け,6MDでは年齢のみの影響を強く受けていた。従って,高齢者における膝屈伸筋群の等速性筋出力にはATの考慮が重要であることが明らかとなった。
  • 庄本 康治, 岡崎 文枝, 金井 秀作
    1998 年 13 巻 4 号 p. 185-189
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    シングルケースデザインに従ってTKA後の患者に非温熱的u/s治療を実施し,疹痛,ROMをとらえることを本研究の目的とした。対象はRAで,平成9年2月25日にTKAを受けた。u/s治療器はERA4cm2,BNR3:1で,出力は0.2W/cm2,周波数1.0MHz,照射時間率20%であった。TKA手術2週目から,プラセボu/s治療,u/s治療,プラセボu/sの順で治療を実施し,ROMをゴニオメーターで,疹痛をVASで測定した。屈曲のROMは,u/s治療時に改善を示し,第2期ベースライン期には増悪傾向を示した。u/s治療の非温熱的効果が示唆されたが,照射時期と照射回数を考慮した研究が必要である。
  • 大嶽 昇弘, 林 典雄, 山田 みゆき, 鵜飼 建志, 立木 敏和, 長谷部 武久, 磯野 日出夫
    1998 年 13 巻 4 号 p. 191-194
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は4施設で使用されている7台の牽引装置の牽引力を測定し,その再現性と特性を検討することである。再現性についての測定は同一日に3回測定し,測定初日から7日と14日の間隔を置いて3回測定し,日内反復測定と日間反復測定をおこなった。牽引力の特性についてはその直線性を求め,また設定値と測定値との差を求めた。その結果,牽引力測定値の再現性は日内,日間ともに良好であったが,設定牽引力と牽引力測定値に差がある牽引装置があった。患者の安全確保のために定期的な保守点検の必要性が示唆された。
  • 猪股 高志, 平山 厚子, 大久保 恵, 三和 真人
    1998 年 13 巻 4 号 p. 195-198
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    理学療法臨床実習中の学生の身体面にどのような変化があるかを知るために,臨床実習直前及び直後の体重・体脂肪量・体水分量及び体力の指標としてのPWCI50を測定し,その変化及び臨床実習成績との関係について分析した。その結果,体重とPWCI50では臨床実習前後での変化は見られなかったが,体脂肪量は有意に増加し,体水分量は有意に減少した。また,これらの身体面の変化に加え,臨床実習成績と体水分量の変化に相関が認められたことから,現状の臨床実習が,特に成績によっては実習生の身体組成の変化のみならず,臨床実習中の体調にも何らかの影響を及ぼしうることが推察された。
  • 西田 裕介, 樋口 謙次, 啓利 英樹
    1998 年 13 巻 4 号 p. 199-204
    発行日: 1998年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常男性10名(平均年齢23.9±4.8歳)を対象に,トレッドミル平地歩行と室内平地歩行を生理的反応と主観的運動強度(以下RPE)の観点より比較し,呼吸循環系に障害のある人に応用するための基礎研究とした。測定項目は,時速4km,6km,8kmでの各速度における心拍数(以下HR),酸素摂取量(以下VO2),体重当たりの酸素摂取量(以下VO2/W),歩行率,歩幅,主観的運動強度(RPE)である。室内平地歩行におけるVO2は,トレッドミル平地歩行で得られたVO2とHRの回帰式より推定して求めた。その結果,トレッドミル平地歩行の方が室内平地歩行より,HR,VO2,RPEは高い値を示し生体に及ぼす負荷が大きかった。また,HRはトレッドミル平地歩行,室内平地歩行共にRPEから換算したHRよりも高い値を示した。つまり,主観的な運動強度以上の負荷を生体が受けていた。以上のことは健常者において得られた結果であり,今後呼吸循環系に障害がある人を対象とした研究において参考になると考えられる。
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