理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
14 巻, 3 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 丸山 仁司
    1999 年 14 巻 3 号 p. 101-105
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    高齢者の運動機能は低下を示すが,運動要素などにより,低下程度などが異なる。ここでは,最初に一般的な運動機能とその加齢変化の特徴を述べる。特に,日常生活で最も重要な動作,機能である歩行について,詳細に述べる。歩行の周期,筋電図などの変化を述べる。
  • ―特に大腿骨頚部骨折について―
    安藤 正志
    1999 年 14 巻 3 号 p. 107-114
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    高齢者に多発する大腿骨頚部骨折に関する文献より,その疫学,整形外科的治療法,予後について整理し解説した。疫学的分析報告を参考に性別,年齢別,地域別に発生頻度を述べた。大腿骨頚部骨折の分類を整理して述べた。現在に至るまでの整形外科的治療法について述べた。また,大腿骨頚部骨折の機能的予後と生命予後について述べた。理学療法士が,より効果的な大腿骨頚部骨折に対する理学療法プログラムを作成するためには,骨折発症の背景や整形外科的治療法,および理学療法終了後の経過を把握することの重要性を述べた。
  • 一色 俊行
    1999 年 14 巻 3 号 p. 115-122
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    高齢者の神経・精神機能に関して,その器質的障害の中心である痴呆に注目し,その定義,分類,原因疾患,今日の問題点,痴呆の大部分を占める脳血管性痴呆・アルツハイマー型痴呆の症状,診断と治療,看護と介護について紹介し,臨床場面でよく痴呆と混同される仮性痴呆(うつ病)とせん妄状態を紹介した。また各々の疾患と痴呆との鑑別点を紹介することによって,痴呆の理解を深めることを目的とした。これら三つの疾患の代表的な評価スケールを紹介した。
  • 牧田 光代
    1999 年 14 巻 3 号 p. 123-127
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    高齢者の在宅理学療法は,現在,多くの関心が持たれてはいるものの,その方法論についてははいまだ成熟しているとはいえない状況である。そこで今回は在宅理学療法の現状と方法論,機能訓練の効果論について参考資料を提供しながら,今後の方向について言及したい。
  • 関 勝夫
    1999 年 14 巻 3 号 p. 129-138
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    我が国の,少子・高齢化の急速の進展は今日の社会情勢に大きな変革が求められている。また,高齢障害者に予期しない問題が派生することは,現在そして今後も予想される処である。公的介護保険の導入はこうした問題を国民一人ひとりの自覚のもとに,当事者も含む皆んなで共有しながら解決に導こうする意図によるものであると思われる。従って,今回は老人保健施設等に勤務する職員に対し,アンケートによる実態調査を実施した。この調査を基に,施設ケア・在宅ケアのカギを握っていると思われる老人保健施設の位置付けと理学療法士の役割について再考した。
  • 久保 晃, 丸山 仁司, 高橋 龍太郎
    1999 年 14 巻 3 号 p. 139-142
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ADL自立度,歩行能力から分析した高齢患者の入院中の転倒状況を報告した。理学療法開始時,起き上がり自立群で転倒率が高く,転倒はPT期間に影響を及ぼす可能性があると推測された。また,転倒患者は歩行スピードが遅く,一定の距離の歩行所要時間にばらつきが生じ,歩行の安定性に欠ける特徴があると考えられた。今後は,転倒そのものを減少させると同時に転倒による傷害を減少させる戦略に積極的に取り組むべきであると考える。
  • 阿部 勉, 庭野 ますみ, 長岡 和宏, 藤田 博暁, 棚木 裕子, 土田 典子, 清野 恵美子, 間島 淳, 山口 勇, 小山内 隆, 金 ...
    1999 年 14 巻 3 号 p. 143-149
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    急性心筋梗塞の心臓リハビリテーションにおいては,長期臥床による弊害と運動療法の効果が認識され,早期リハビリテーションの重要性が浸透してきた。しかし,老年者では発症前ADLが低い,合併症が多い等の理由から従来の運動耐容能の向上を目的とした心臓リハビリテーションプログラムが適さないことが多い。我々医療従事者は老年者の特徴を踏まえ,家庭復帰のためのADL獲得という個人の能力に合わせた目標を設定し,心合併症と基礎疾患両方のリスク管理下で個別に対応する必要がある。
  • 木村 朗
    1999 年 14 巻 3 号 p. 151-157
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    1.糖尿病の有病率は50歳代をピークとして高くなる。
    2.空腹時血糖値≥=126mg/dlまたは75g糖負荷試験2時間値≥=200mg/dl,あるいは随時血糖値≥=200mg/dlという糖尿病の診断基準が1999年に新しく示された。高齢者でも同様の基準を用いる。
    3.高齢者の糖尿病における問題点の一つは,一般の糖尿病患者に比べ臨床症状が乏しいことである。また,発症時期によって2つのケースに分けることができる。これらを考慮した解決方法が求められる。その一つは,運動療法における強度設定と身体活動量の設定,頻度の決定である。それらの項目を軸とした構成に保健行動を加えた保健情報行動理論の形成も求められる。
    4.生活行動を評価する指標の一つとして新しく開発した身体活動量測定法を用いて調べた研究結果によると,2000kca1を境とした身体活動量が運動療法の効果に明らかな影響を与えることが分かった。
  • 奈良 勲, 藤村 昌彦, 後藤 力
    1999 年 14 巻 3 号 p. 159-167
    発行日: 1999年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    中枢神経障害に対する理学療法を実施するとき,患者のADL水準を高めることは重要課題の一つである。そのためには患者の残存能力の表出率を知ることが重要となる。本論文では,高齢者の中枢神経障害について,高齢者の身体特性,さらに片麻痺患者の残存能力の表出率を知るための簡便な評価システムを中心に述べた。
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