理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
17 巻, 2 号
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研究論文
  • ―歩行・ニューエクササイズウォーキング・ジョギングの比較―
    田中 淑子, 丸山 仁司, 西田 裕介
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 2 号 p. 83-86
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/20
    ジャーナル フリー
    本研究は,エネルギー代謝面から歩行・ニューエクササイズウォーキング・ジョギングの各運動様態の相違について比較検討することを目的とした。20歳代健常男性11名を対象に,トレッドミル上にて毎時4 kmおよび毎時6 kmにおける歩行・ニューエクササイズウォーキング・ジョギングの3つの運動様態をそれぞれ5分間実施した。主な測定項目は酸素摂取量,心拍数,収縮期血圧および拡張期血圧,歩行率であった。毎時4 kmでは酸素摂取量,心拍数は歩行とジョギング,および歩行とニューエクササイズウォーキングの間にそれぞれ有意な差がみられたが,ニューエクササイズウォーキングとジョギングの間に有意な差はみられなかった。毎時6 kmではいずれの運動様態の間にも有意差がみられなかった。また歩行率は,毎時4 km,毎時6 kmともにすべての運動様態の間にそれぞれ有意な差がみられた。以上の結果より,エネルギー代謝面からみて毎時4 kmではニューエクササイズウォーキング,毎時6 kmでは歩行とニューエクササイズウォーキングがジョギングと同様の高い運動負荷を与えることが可能であることが明らかとなった。
  • 後藤 力, 東 幸仁, 佐々木 正太, 中河 啓吾, 木村 祐之, 野間 玄督, 原 佳子, 茶山 一彰, 河村 光俊, 奈良 勲
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 2 号 p. 87-91
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/20
    ジャーナル フリー
    本研究では有酸素運動を行うことで一酸化窒素(NO)産生増加を介する血管内皮機能にどのような影響を及ぼすかを検討した。対象は運動習慣を持たない健常男性8名(平均年齢:27±3歳)とした。血管内皮依存性拡張物質としてアセチルコリン(ACh)を使用し,血管内皮非依存性拡張物質として 硝酸イソソルビド(ISDN)を使用した。また,NO合成酵素阻害薬としてNG-モノメチル-L-アルギニン(L-NMMA)を使用した。運動方法は最大酸素摂取量の50%とし,1日30分,5回/週の頻度で3ヶ月間行った。前腕血流量の変化はプレチスモグラフにて測定した。ACh投与では運動後に有意な増加を認め,NO合成酵素阻害薬であるL-NMMA投与下では消失した。血管内皮非依存性拡張反応では有意な変化を認めなかった。これらより有酸素運動による血管内皮機能の増強は,NO産生増加を介することが示唆された。
  • 対馬 栄輝
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/20
    ジャーナル フリー
    背臥位からの立ち上がり動作の評価としては,背臥位から立ち上がる動作の過程を分析する方法,または立ち上がるまでの所要時間を測定する方法がある。本稿では立ち上がり動作の所要時間測定における検者間・検者内信頼性について,一般化可能性理論に基づいて検討することを目的とした。背臥位からの立ち上がり動作を測定した経験のない,検者6名及び被検者男性6名を設定した。被検者に床からできる限り早く立ち上がらせた時の所要時間を,6名の検者がストップウォッチで測定した。最初にデータの信頼性係数を求めた。次にその信頼性係数を基にして,高い信頼性を保証するための必要な検者数と測定回数を決定した。その結果,高い信頼性を保証できる条件は,検者1人で3回以上繰り返し測定するか,または2人以上の検者で2回以上繰り返し測定する時であった。立ち上がり動作所要時間の測定は条件を決めれば高い信頼性を保証できるといえた。今後は,障害を有する症例の測定における動作終了の判断基準と,検者の測定に対する熟練度の影響について,追求していく必要があると考えた。
  • 市橋 則明, 池添 冬芽, 大畑 光司, 才藤 栄一
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 2 号 p. 101-106
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/20
    ジャーナル フリー
    健常成人13名を対象に6週間の高負荷短時間での自転車エルゴメーターによるペダリングトレーニングを行った。その結果,角速度60と180 deg/secにおける等速性膝伸展筋力と60 deg/secの等速性膝屈曲筋力は有意に増加した。周径はすべての測定位置で有意に増加したが,超音波で測定した筋厚は増加する傾向にあったものの有意な変化を示さなかった。体脂肪率・脂肪厚・最大酸素摂取量は変化を示さなかった。最大無酸パワーは有意に増加し,3,5 kpでの最大回転数も有意に増加したが,7 kpでの回転数は有意な変化を示さなかった。本研究により,高負荷でのペダリングトレーニングは筋トレーニングとして有効であることが示唆された。
  • -北海道内の新築事例から-
    浅賀 忠義, 平岡 泰治
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 2 号 p. 107-112
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/20
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,高齢者・障害者同居住宅の平面構成の特性を明らかにすることである。そのために,住宅平面の類型化を用いた手法を新たに考案し,北海道内の新築事例から障害者住宅と一般住宅とを比較検討した。得られたサンプル数は障害者住宅が65,一般住宅が70だった。その結果,障害者住宅は,一般住宅に比べて本人の寝室に2つの動線をもつ「回廊型」が有意に多いことが示された。また,障害者住宅は類型化した全てのタイプに分散され,さらにトイレ・浴室が本人専用であることから疑似型が生じた。従って,障害者住宅の平面特性として「回廊型」が多く,多様性であることが示唆される。
講座
  • 安藤 正志
    原稿種別: なし
    専門分野: なし
    2002 年 17 巻 2 号 p. 113-121
    発行日: 2002年
    公開日: 2002/08/20
    ジャーナル フリー
    本論文はMcKenzieが確立した構造的腰痛症に対する腰痛治療法を紹介している。McKenzieは腰痛症の症状の現れ方と検査運動に対する反応に基づいて3つの診断カテゴリーに分類している。3つの診断カテゴリーはPostural syndrome, Dysfunction syndromeとDerangement syndromeである。Dysfunction syndromeとDerangement syndromeはさらにいくつかのサブカテゴリーに分類できる。McKenzieによる腰痛治療法では,これらの構造的診断が正確に行われている必要がある。McKenzieによる治療テクニックは基本的には17種類である。その多くは患者自身による自己治療法である。McKenzieは腰痛症の70%はモビライゼーションやマニピュレーションなどを加えることなく治療が可能であることを述べている。セラピストが手を加えることは患者を受動的,消極的にし,治療を長引かせると注意を促している。患者自身による治療では,効果が得られないときに始めてセラピストによるテクニックを加えるべきであることを強調している。
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