本論文はMcKenzieが確立した構造的腰痛症に対する腰痛治療法を紹介している。McKenzieは腰痛症の症状の現れ方と検査運動に対する反応に基づいて3つの診断カテゴリーに分類している。3つの診断カテゴリーはPostural syndrome, Dysfunction syndromeとDerangement syndromeである。Dysfunction syndromeとDerangement syndromeはさらにいくつかのサブカテゴリーに分類できる。McKenzieによる腰痛治療法では,これらの構造的診断が正確に行われている必要がある。McKenzieによる治療テクニックは基本的には17種類である。その多くは患者自身による自己治療法である。McKenzieは腰痛症の70%はモビライゼーションやマニピュレーションなどを加えることなく治療が可能であることを述べている。セラピストが手を加えることは患者を受動的,消極的にし,治療を長引かせると注意を促している。患者自身による治療では,効果が得られないときに始めてセラピストによるテクニックを加えるべきであることを強調している。
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