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―2年間の追跡調査による検討―
平塚 麻奈, 柴 喜崇, 三角 友紀, 齋藤 豊和
2007 年 22 巻 1 号 p.
39-43
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
パーキンソン病(以下PD)患者の睡眠障害は,寝返りやトイレに介助を要する確率が高いことから,PD患者の睡眠障害の実態を把握することは介護者も含めた包括的支援を考える上で大切であると考え,PD患者の睡眠障害について追跡調査を実施した。2003年度に調査を実施したPD患者10名のうち,2005年度に追跡可能であった5名を対象に,睡眠に関するアンケート調査であるEpworth Sleepiness Scale,Parkinson's Disease Sleep Scaleと,小型加速度計による睡眠・覚醒パターンの評価を実施した。結果,PD患者は経過が進むにつれて日中の睡眠傾向が延長する可能性が示唆された。夜間の睡眠については一定の傾向はみられなかったが,PD患者は2回の調査共に様々な睡眠の問題を抱えていること,その症状は経過と共に多様な変化をもつことが確認された。客観的睡眠の質の指標である夜間睡眠効率が改善している3名は,オムツの導入や,夜中の入浴の習慣化等,睡眠障害に対して対策を講じており,これにより夜間の睡眠障害が改善した可能性が考えられることから,個々の症状の経過にあわせて理学療法が介入できる可能性が示唆された。
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-Ubiquitin Carboxyl Terminal Hydrolase(PGP 9.5)免疫組織化学-
渡利 一生, 甲斐 悟, 吉本 龍司, 小川 優美, 長谷 麻由, 瀬川 芳恵, 金海 武志, 高嶋 幸男
2007 年 22 巻 1 号 p.
45-48
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
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大脳皮質の発達期には神経細胞の胞体が各領域で産生,分化した後,放射方向と接線方向に移動し層構造を形成するとされている。ヒト大脳皮質発達期の神経細胞に特異的なタンパク質として発見されたPGP9.5(ユビキチンカルボキシル末端酵素)が発現する状況を免疫組織化学的に検討した。ヒトの発達期におけるPGP9.5の発現は,在胎13週には分子層外部のCajal-Retzius細胞に,その後5層錐体細胞,2・4層顆粒細胞,3層錐体細胞の胞体,ニューロピルの順で増強し,加齢により低下していた。大脳白質では深層部が分子層外部と同時期に増強し加齢により低下していた。PGP9.5による陽性細胞の発現は,ヒト大脳皮質の正常な発達に沿って増強しており,軸索および樹状突起の成長発達を反映するものと考える。さらに神経系の損傷後には神経幹細胞が出現し再度軸索および樹状突起が成長発達を示すことから,神経系の損傷後に再生する蛋白質として軸索および樹状突起再生の指標となると考えられた。
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─関節モーメントおよび筋電図学的考察─
山口 勝彦, 鈴木 達也, 野村 高弘, 波多野 大輔, 花山 大知, 勝平 純司, 藤井 菜穂子
2007 年 22 巻 1 号 p.
49-54
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
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本研究の目的は3名の前十字靭帯損傷者(ACL損傷者)と3名の健常者における膝関節機能の違いを三次元動作分析装置と筋電計を用いた動作分析手法により明らかにすることである。階段降段時の膝関節伸展モーメントについては健常者とACL損傷者で傾向が一致していた。しかし,半腱様筋とヒラメ筋活動に関して健常者とACL損傷者では相違がみられた。半腱様筋の活動に関して比較すると,健常者は立脚後期の活動量が増大しているのに対し,ACL損傷者は立脚初期前半の活動量が増大していた。また,ヒラメ筋の活動量に関して,健常者は立脚後期に対する立脚初期後半の活動量の比率が小さいのに対し,ACL損傷者は立脚後期に対する立脚初期後半の活動量の比率が大きくなった。これらの結果は,半腱様筋とヒラメ筋が損傷したACLを補償していることを示唆した。
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上村 さと美, 秋山 純和
2007 年 22 巻 1 号 p.
55-59
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
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介護老人保健施設(老健)に勤務する理学療法士(PT)を対象に,老健で行う個別指導と集団運動における心肺機能に関するリスクの存在を確認するために,アンケート調査を行った。方法は,運動時の生理的反応を捉えるモニタリング項目を選択肢の中から優先順位をつけて選択した後に点数を割り当て,順位の確定をした。結果は個別指導および集団運動ともにアクシデントの発生を認め,62.5%のPTがリスク管理を行う上で十分な情報量は得られていないと回答した。モニタリング状況は個別指導では継時的な脈拍変動の評価を行い運動負荷量を調整するが,集団運動では運動負荷後に生じた生理的反応を評価していた。集団運動の対象者は複数であるため,運動負荷量が不明確になりやすく,個別指導よりもリスクの存在を一層確認する必要があると考えられる。
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上村 さと美, 秋山 純和
2007 年 22 巻 1 号 p.
61-65
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
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家族介護者が抱く介護負担感の評価と,介護負担感を増大させる要因の検討を行った。介護負担感の評価はZarit介護負担尺度日本語版(J-ZBI)を用い,介護者の年齢,続柄,介護期間,介護保険サービス利用種目数とともに調査した。J-ZBIは総得点とJ-ZBIに含まれる下位尺度を用い検討を行うと,J-ZBI総得点と下位尺度および下位尺度間に関係が認められた(p<0.05)。介護負担感を増大させる要因は下位尺度から抽出できたと考えられ,介護を開始する以前の生活ができなくなったことが介護負担感の増大に影響している。
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─ラット膝関節長期固定モデルを用いた検討─
渡邊 晶規, 細 正博, 武村 啓住, 由久保 弘明, 松崎 太郎, 小島 聖
2007 年 22 巻 1 号 p.
67-75
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
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拘縮時に生じる関節構成体の変化を明らかにするため,ラット膝関節の外固定モデルを用いて,その病理組織学的変化を観察した。9週齢のWistar系雄ラット20匹の右後肢を膝関節最大屈曲位にてギプス固定し,4匹ずつ2,4,8,16,32週固定群をそれぞれ作成し,ヘマトキシリン・エオジン染色を行い光学顕微鏡下にて観察した。固定2週群から関節周囲脂肪織の萎縮と線維増生を認め,固定期間の延長と共にそれらの変化は進行した。関節軟骨と周囲組織との癒着が固定4週群から観察された。固定16週群以降では,脛骨,大腿骨が線維性に連結する例が見られた。32週に渡る長期ギプス固定により,関節構成体の萎縮,線維化,関節腔の狭小化が進行し,線維性強直に至った。炎症や軟骨の壊死,消失は観察されなかった。
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渡邉 観世子, 谷 浩明
2007 年 22 巻 1 号 p.
77-81
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,下肢の部分荷重課題において,教示方法の違いが課題の習得にどのように影響するかを確かめることである。運動課題は右下肢に体重の2/3,左下肢に体重の1/3をかけた立位をとることであった。この課題に際して,両下肢立位姿勢を開始肢位とする研究と,右片脚立位を開始肢位とする研究を行った。それぞれの研究で,右下肢へ注目させるよう教示をした群と左下肢へ注目させるよう教示をした群の2群に振り分けた。2つの研究の結果から,荷重の量よりも,荷重の方向に注意を向けさせる教示が有効なのではないかと考えられた。一方で,教示方法に左右されることなく,自身の戦略で練習を行っていた被験者の存在が明らかとなった。
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武井 圭一, 杉本 諭, 猪股 高志, 大嶽 昇弘, 安藤 正志, 解良 武士, 斉藤 信夫, 今泉 寛
2007 年 22 巻 1 号 p.
83-87
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
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本研究では,学内検査実習前後における検査能力自己達成度および実習満足度について検討した。対象は,理学療法学科2年生のうち協力が得られた65名で,検査実習の事前学習形態により「上級生との合同学習群」,「知識習得群」,「実技練習群」の3群に分類した。評価は,検査実習前後にアンケートを実施し,検査遂行に必要と考えられる7項目に対する自己達成度および実習満足度について,Visual Analogue Scale(VAS)を用いて測定した。その結果,上級生との合同学習群は自己達成度,満足度ともに検査実習後に有意な増加を認め,知識習得群では自己達成度は検査実習後に有意に増加したが,満足度は有意な変化を認めなかった。しかし,実技練習群は自己達成度が検査実習後に低下する傾向を示した。このように,事前学習形態により異なる変化を認めたが,いずれの群も実践的な経験を通じて自己の評価を修正しており,早期の臨床実践は更なる学習の必要性を認識させる動因になることが考えられた。
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杉原 敏道, 三島 誠一, 武田 貴好, 舩山 貴子, 長沼 誠, 田中 基隆, 落合 悦子, 高木 麻里子, 対馬 栄輝
2007 年 22 巻 1 号 p.
89-92
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
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通所リハビリテーションを利用する,尿意ならびに便意に問題がなく認知症や中枢神経疾患を有さない旧介護区分で要介護1と2に区分される高齢者60名を対象に,30秒椅子立ち上がりテスト(以下,CS-30)を実施し,起立動作能力と排泄の自立度の関係について検討した。施設内のトイレを安全に自立して利用することが可能か否かで対象者を排泄自立群と排泄自立困難群に分類し,両群にJonesらの方法を日本人用に修正したCS-30を実施した。その結果,排泄自立群に比べ排泄自立困難群ではCS-30の有意な低下が認められた(p<0.01)。また,判別特性分析では5.5回の起立回数を境に排泄自立群と排泄自立困難群を判別することが可能であった(判別的中率94.4%・感度85.0%)。このことから,自立した排泄動作を可能とするにはこの程度の起立動作能力が必要であると考えられた。しかしながら,在宅での各個人を取り巻く環境は個々で異なるため,今回の結果を在宅において活用するには更に検討が必要であると考えられた。
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─日本の高齢者との比較から─
堤・堀内 カロリーナ・さやか, 丸山 仁司
2007 年 22 巻 1 号 p.
93-97
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
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パラグアイ日系高齢者の生活機能の自立状況を把握するために「老研式活動能力指標」を用いた評価と日本の高齢者との比較を行った。対象は65歳以上の日系高齢者の内,回答が得られた271名(有効回答率67.8%)とした。日系高齢者の「老研式活動能力指標」の得点平均値は10.8±2.5と日本の高齢者とほぼ同じ結果であった。属性別の平均値においても顕著な差は認められなかった。各項目において比較した場合には13項目中10項目に有意な差が認められた。日系高齢者は手段的自立の項目において「できる」と回答している割合が日本の高齢者と比較して低く,社会的役割の項目においては「できる」と回答している割合が高かった。この結果は異なる生活環境等の影響がもたらしたものだと示唆された。
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水池 千尋, 大城 昌平, 守田 智
2007 年 22 巻 1 号 p.
99-107
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究は,3軸加速度計をもちいた乳児の自発運動の解析の有用性を検討した。対象は,正常成熟児4名であった。測定は生後1ヶ月時に乳児が機嫌よく目覚めている状態で,加速度計のセンサーを右手首に装着し,200秒間の自発運動を記録した。得られた時系列データは,線形(最大エントロピー法によるパワースペクトル分析),及び非線形(リカレンスプロット分析,最大リアプノフ指数の推定,サロデータ法による非線形性の検定)解析した。4名の対象児の自発運動の加速度計から得られた時系列データはいずれも,スペクトル解析では約1 Hzの周波数でなだらかなピークを持っているが、高周波領域からはランダムなノイズとの違いは見られなかった。一方,非線形時系列解析では最適な埋め込み次元(自由度)が5ないし6の,決定論的カオス的な振る舞いをする非線形ダイナミックスを有することが示唆された。
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青木 修, 香川 真二, 河村 庄造, 平田 総一郎
2007 年 22 巻 1 号 p.
109-113
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
3次元動作解析装置を用いて変形性膝関節症患者と健常者の歩行中の関節角度計測を行い,3歩行周期の膝関節角度データをカオス解析した。カオス性を表す指標となるリアプノフ指数を用いて両者を比較すると,膝OA群は健常高齢群に比して有意に低い値を示した(健常群:1.90±0.59,膝OA群:1.61±0.40,p<0.05)。また膝OA群のリアプノフ指数と,臨床データ(罹患期間,日本整形外科学会膝関節機能評価:JOAスコア,大腿脛骨角:FTA,膝関節ROM,歩行速度)との相関解析では,JOAスコアとのみ有意な相関が得られた(r=0.73,p<0.05)。膝関節の機能障害が重度であるほどリアプノフ指数が小さくなることから,カオス性は膝関節の機能と関連していることが示唆された。
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久保 晃, 啓利 英樹
2007 年 22 巻 1 号 p.
115-118
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,高齢入院患者47例,年齢71.6±9.0歳を対象に,簡便に測定可能な前腕長と下腿長をもとに身長の実測が困難な高齢者の身長を推定することである。前腕長は肘頭近位部から尺骨茎状突起遠位部まで,下腿長は腓骨頭近位部から外果遠位部までと定義し,前腕長と下腿長を加えた前腕・下腿合計長を算出した。立位身長と前腕・下腿合計長との相関係数はr=0.87(p<0.01)で,回帰式は(身長)=2.1×(前腕・下腿合計長)+37.0,決定係数は0.76であった。この回帰式を用いることで,ADL能力に依存せずに多くの高齢者を対象に身長の推定が可能となり,BMIなどの体格評価から栄養状態等への応用が可能な点で有意義であると考えられる。
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中澤 理恵, 坂本 雅昭, 草間 洋一
2007 年 22 巻 1 号 p.
119-123
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,中学生サッカー選手における身長成長速度曲線の成長区分(phase)と下肢筋の柔軟性との関係について検討することである。対象は中学生男子サッカー部員107名とし,傷害の有無や身長成長速度,下肢筋柔軟性について調査・測定した。その結果,体幹・下肢に傷害のない70名のphaseの内訳は,phase I 4名(phase I群),phase II 28名(phase II群),phase III 38名(phase III群)であった。また,phase II群およびphase III群間で下肢筋柔軟性を比較した結果,phase III群の右腸腰筋,左大腿四頭筋,右ハムストリングス,左下腿三頭筋が有意に低下していた。これは,身長の成長促進現象に伴う骨および筋・腱の成長の不均衡の長期的な蓄積およびサッカーの競技特性のひとつであるキック動作が影響を及ぼしたものと考える。今後,縦断的に身長成長速度曲線と筋柔軟性の関係を検討していくことの必要性が示され,成長期スポーツ障害予防への関与の可能性が示唆された。
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下井 俊典, 谷 浩明
2007 年 22 巻 1 号 p.
125-131
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究では,2種類の主観評価結果との一致性により,遅発性筋痛(以下,DOMS)の評価における4種類の疼痛測定法の信頼性を検討することを目的とした。17名の被験者(21.1±1.8歳)に足関節背屈の遠心性収縮課題70回を施行し,DOMSを発生させた。1) VAS; 2) Talag scale; 3) Painmatcher; and 4) 自作疼痛スケール,の4種類の疼痛測定法を用いて,運動課題前,直後,24時間,48時間,72時間後の5回,DOMSを測定した。疼痛スケールを用いた測定と同時に,DOMSについて2種類の主観評価を行った。1つ目の主観評価として,前日に比べて当日のDOMSがどのように変化したかを,主観的変化と定義した。また2つ目の主観評価として,DOMSの左右差を主観的左右差と定義した。主観的変化についても,主観的左右差についても,Talag scaleが有意に高い一致率を示し,他の測定方法に比べて高いκ係数を示した。また,理解しやすさ,返答のしやすさについても,Talag scaleが最も評価が高かった。これらのことからDOMS評価における信頼性の高い疼痛測定法は,Talag scaleと考えられる。
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山下 弘二, 小田桐 愛, 佐藤 秀一, 佐藤 秀紀
2007 年 22 巻 1 号 p.
133-137
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は中高年者における日常身体活動量と身体特性および脈波伝搬速度との関連性について明らかにすることである。対象は中高年者40名(男性11名,女性29名,平均年齢62.5±4.9歳)であった。身体活動量の測定法には加速度計を用い,歩数と運動量に着目した。偏相関分析上,身体活動量と全身持久力との関連は認められなかった。歩数と有意な関連が認められたのは,体重支持指数,大腿四頭筋筋量,脈波伝搬速度,体脂肪量,除脂肪量であった。運動量と有意な関連が認められたのは,体重支持指数,体脂肪量,大腿四頭筋筋量,除脂肪量,基礎代謝量であった。Stepwise重回帰分析上,歩数の規定因子には体重支持指数,脈波伝搬速度が採択された。運動量の規定因子には除脂肪量が採択された。以上より,身体活動量には体重支持指数,脈波伝搬速度および除脂肪量が深く関連していることが示唆された。
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石坂 正大, 大好 崇史, 秋山 純和
2007 年 22 巻 1 号 p.
139-143
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
健常人を対象に内側縦アーチの構成要素とされる長母趾屈筋と後脛骨筋の筋力強化として足趾圧迫練習を6週間施行した。内側縦アーチの指標として,アーチ高率を求めると同時に静的立位バランスを課題前,2週間後,4週間後,課題後の計4回測定した。足趾圧迫練習は,足趾を地面に押し付ける等尺性収縮を、「ややきつい~きつい」と感じる程度の運動負荷量で両側100回ずつとした。各測定値の結果から,一元配置分散分析に主効果を認めた(p<0.05)。足趾圧迫練習によって足趾圧迫力の増加と,舟状骨高の増加が確認できた。足趾圧迫練習を行うことにより足趾屈筋群や後脛骨筋,足底筋膜の筋活動が増大し,舟状骨を頭側に引き上げた可能性がある。
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石田 弘, 渡邉 進, 田邊 良平, 江口 淳子, 小原 謙一
2007 年 22 巻 1 号 p.
145-149
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は,立位での前かがみ姿勢で等尺性の引き上げ運動を持続した場合の体幹および股関節伸展筋の活動変化を明らかにすることである。対象は19歳から29歳までの健常男性9名(平均年齢:22.6歳)とした。導出筋はL3,L5レベル脊柱起立筋,腹直筋,腹斜筋群,広背筋,大殿筋,大腿二頭筋とした。課題は体幹前傾30 °にて最大随意発揮の60%を60秒間持続する引き上げ運動とした。同時に筋電図を記録し,中間周波数と平均積分値を求めた。その結果,中間周波数はL3,L5レベル脊柱起立筋,広背筋で有意な減少があった。平均積分値は腹直筋,腹斜筋群,広背筋,大殿筋で有意な増加があった。つまり,前かがみ姿勢での持続的な等尺性引き上げ運動では脊柱起立筋と広背筋が疲労しやすく,同一負荷を引き上げ続けるために腹直筋,腹斜筋群,広背筋,大殿筋が収縮力を増加させることが示された。
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長谷川 正哉, 島谷 康司, 金井 秀作, 田坂 厚志, 坂口 顕, 清水 ミシェル・アイズマン, 沖 貞明, 大塚 彰
2007 年 22 巻 1 号 p.
151-156
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
ジャーナル
フリー
本研究の目的は降段方法の違いが下肢関節に与える影響について検討することである。対象は健常成人男性11名であった。三次元動作解析装置を使用し,前方降段,後方降段,側方前降段,側方後降段時の下肢関節角度および下肢関節モーメントを計測した。結果,前方降段,側方前降段時には支持脚における股関節屈曲角度および股関節伸展モーメントが減少し,一方,後方降段,側方後降段時には膝関節最大屈曲角および足関節最大背屈角,膝関節伸展モーメントおよび足関節底屈モーメントが減少した。 降段方法の違いが下肢関節に影響を及ぼす事が確認され,各人の身体状況に合わせた降段動作方法の指導が必要であると考えられた。
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常 冬梅, 霍 明, 丸山 仁司
2007 年 22 巻 1 号 p.
157-161
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
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サポーターの装着条件を変え,腰部と中殿筋サポーターの装着における健常成人の安静立位及び側方運動に対する影響を検討した。健常成人18人(平均年齢:27.0±8.3歳)を対象にし,重心動揺計と左右方向の機能的リーチテスト(側方FRT)を用いて測定した。腰部・中殿筋サポーター両方装着時,両脚直立位での総軌跡長と矩形面積,また側方FRT到達できる距離の有意な減少が認められた。軟性サポーターの装着により両脚直立位では安定作用が認められ,中殿筋サポーターは側方FRTの到達距離を制限させたが,左右の安定性が増大できる可能性も示唆された。
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下重 孝幸, 谷 浩明
2007 年 22 巻 1 号 p.
163-166
発行日: 2007年
公開日: 2007/04/10
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本研究の目的は,動く支持面に乗り移るときのタイミング調節に歩幅調節,歩行速度が関与しているかどうかを検討することである。そのために作動しているトレッドミル(作動課題)と停止しているトレッドミル(停止課題)に乗り移る課題の歩幅の変化を比較することとした。対象は健常成人20名とした。作動課題と停止課題それぞれにおいて,トレッドミルに乗り移る前の歩行時の歩幅,歩行時間を計測した。歩幅のばらつきの程度は変動係数(CV)を用いて示した。また歩行距離と歩行時間から歩行速度を求めた。結果,作動課題,停止課題いずれにおいてもトレッドミルに近づくにつれ歩幅のばらつきが有意に変化した(F
4.190=13.61,p<0.01)。特に作動課題では,トレッドミルに乗り移る-2歩手前において歩幅のばらつきが有意に増加した(p<0.01)。歩行速度においては両課題間で差が認められなかった。これらのことから,床上からトレッドミルに乗り移る際の歩行は,踏み切りの歩幅調節の影響を受けることが確認され,作動課題ではより早期から歩幅調節が行われていることが確認された。
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