理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
4 巻, 4 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 吉元 洋一
    1989 年 4 巻 4 号 p. 175-181
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は,脳卒中片麻痺患者100例の歩行能力を種々の因子について分析し,姿勢反射機構検査(PRMT)得点と歩行能力との関係について検討することである。男女別,麻痺側別および病型別歩行能力については推計学的に有意な関係を認めなかったが,70歳未満と70歳以上および発症後6カ月未満と6カ月以上との間に有意な関係を認めた(p<0.05)。また下肢ブルンストロームステージとの比較では,有意な相関関係(p<0.001)を認めるもステージIIIではバラツキが大きくなる傾向を示した。さらにPRMT得点との比較では,麻痺側・対側とも有意な相関を認め(P<0.001),両側の得点を知ることにより歩行能力を推測することが可能になった。
  • 小室 透
    1989 年 4 巻 4 号 p. 183-188
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    肥満患者の治療は主に食事療法と運動療法より成る。このうち食事療法は患者の心理的不安定化,ホルモン動態の変化を引き起こす事が諸家により報告されている。我々の臨床例においても,食事療法の強化に伴う不定愁訴の増加,運動意欲の減少および日常生活における心拍数増加が認められる。これらの反応は結果的に1日のエネルギー消費を減少させると考えられる為,十分な配慮が必要となる。即ち,理学療法計画は患者教育を含めた包括的なものでなければ成らず,また,単に運動療法施行時のエネルギー消費量だけにとらわれるのではなく,1日の症例および研究結果を提示し,今後の肥満に対する理学療法計画の資としたい。
  • 黒木 裕士, 角南 昌三, 鈴木 康三, 森永 敏博, 濱 弘道, 岩崎 廉平
    1989 年 4 巻 4 号 p. 189-192
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    動揺性肩関節患者女性6名10関節(LS群)、ならびに健常者女性28名56関節(C群)の棘上筋筋力と棘下筋筋力をMyometerを用いて測定し;それらを比較した。その結果,LS群の棘上筋筋力ならびに棘下筋筋力は,C群に比べて有意に低下していた(p<0.01)。LS群の棘上筋筋力はC群の約47%,棘下筋のそれは約67%であった。
    以上より,動揺性肩関節では,筋力の面からの検討も重要であることが示唆された。
  • 増本 正太郎
    1989 年 4 巻 4 号 p. 193-199
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    Parkinson病患者と正常対照を対象に体幹前屈立位姿勢から閃光を合図に急速体幹伸展運動を行わせる実験を行った。その結果、1)Parnkinson病患者群は正常対照群に比べ、伸展運動が開始されるまでの反応時間はYahr重症度IV度群のみ有意に延長した。
    2)合図があってから腰部傍脊柱筋積分筋電位が立ち上がるまでの時間には2群間の差はなかったが、動作が開始され完了するまでの時間や筋電位が立ち上がってから運動が開始されるまで、また積分筋電位がPeakに達するまでの時間は有意な延長を示し、重症度や歩行時間が増すほどその傾向は強かった。以上のことから、Parkinson病患者は体幹のballistic movementに障害があり、それまたは突進現象や足背屈反応の低下とも関係していることがわかった。
  • 江口 勝彦, 原田 芳明
    1989 年 4 巻 4 号 p. 201-208
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    呼吸器障害者の運動に対する呼吸応答を調べるため,健常成人を対象に障害因子を加えない場合,胸郭・腹部運動を制限した場合,上気道閉塞を模しガスの出入口を狭くした場合について運動負荷試験を行なった。その結果は,1)運動負荷にともない心拍数は全群ほぼ同様に増加した。2)運動時の一回換気量は全群とも増加したが,無因子群に比し拘束群では低値,閉塞群では増加した。3)運動時の呼吸数は全群とも増加したが無因子群に比し拘束群では高値を示し,閉塞群では低値を示した。4)分時換気量は無因子群に比し拘束群では若干の高値、閉塞群では低値を認めた。5)仮説に反し、METSは無因子群に比し障害群では全体的、相対的に低値を示した。
  • 林 積司, 上西 啓裕, 吉富 俊行, 成川 臨
    1989 年 4 巻 4 号 p. 209-216
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    胸部外科における心肺疾患患者の肺理学療法目的は、術前、術後の呼吸機能低下が原因で出現する種々の合併症予防と換気効率低下改善にある。術前において最も重要なことは、患者及び家族教育であり、呼吸訓練の重要性を理解してもらうことは肺理学療法の目的達成のポイントとなり得る。次は、術前、術後の全身状態が非常に異なることを念頭に置き、患者が普段から意識しなくても腹・胸式呼吸パターンが行える様に指導する。最後に、術前、術後の呼吸音を聴診することで、これは術後背臥位期間中の外側肺底区・後肺底区の聴診は異常呼吸音の早期発見につながるからである。
  • 佐藤 俊輔
    1989 年 4 巻 4 号 p. 217-222
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
  • 相澤 直行, 中曽根 恵美子
    1989 年 4 巻 4 号 p. 223-229
    発行日: 1989年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    女性の胸囲と体重の測定データを例にして、2つの変量の関係の強さの度合を表わす相関係数の意味と、その求め方、その検定と推定の方法を解説します。
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