脳梗塞患者における不整脈を24時間連続記録心電図(Holter心電図)を用いて解析し、急性期と慢性期を比較検討した。症例は55歳男性で、左内包部の梗塞による右片麻痺患者である。Holter心電図はCC
5誘導で、発症後3週、2,4及び6か月の4回記録した。24時間あたりの不整脈のうち心室生期外収縮(PVC)が全ての記録で10発以下であり、上室性期外収縮(SVPC)は狭心症発作が出現した4か月目を除いて30発未満であった。またSVPCは早朝及び夜間睡眠時に増加した。上室性不整脈は脳梗塞の誘発因子の1つであることから、急性期から慢性期の過程の中で、標準12肢誘導心電図よりも不整脈を検出しやすいHolter心電図を用いた検討が必要と考えられた。
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