理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
7 巻 , 4 号
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  • 近藤 照彦
    1992 年 7 巻 4 号 p. 191-196
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、脳卒中による片麻痩患者男性1例を対象として、サイペックスマシーンを用い、角速度180°/SECの条件による8週間の下肢筋持久性トレーニング、それに引き続くDetraining及びRetrainingを行なわせ、その効果について検討することである。1)8週間の持久性トレーニングによって、麻痺側および非麻痺側の筋持久性が向上した。とくにその効果は、トレーニング開始初期の4週時に比較的大きくみられ傾向であった。2)8週間のDetrainingによって、非麻痺側の筋力は維持されていたが、麻痺側の筋力低下が著しかった。3)Detraining中の歩行量は、きわめて高い水準で行われ、非麻痙側依存の歩行の実施が下肢筋力維持になんらか関連しているものと推察した。4)8週間のRetrainingによって、一旦低下した麻痺側および非麻痺側の筋持久性に向上がみられた。また、麻痺側は50試行の筋出力発揮におけるピークトhルクの実測値が、トレーニング開始時のそれに比べ、ばらつきが少なくなる変化がみられた。以上の結果から、本研究の片麻痺はきわめて高速度の条件によるトレーニングを行い、下肢の筋持久性を向上することが明かになった。また、Retrainingの結果、神経系のコントロールが改善される可能性が示唆された。
  • 吉元 洋一
    1992 年 7 巻 4 号 p. 197-202
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は、脳卒中片麻痺患者の片膝立ちにおいて麻痺前と、非麻痺側前では、どちらが容易であるかにっいて検討することである。対象は、両膝立ちが監視レベル以上で可能な脳卒中片麻痺患者69例である。
    結果は、発症後1年未満と1年以上、発症後6か月未満と6か月以上1年未満との比較、および麻痺側別の比較でも非麻痺側前の片膝立ちが容易であることを認めた。下肢ブルンストローム・ステージ別の比較ではステージIII、VIにおいて非麻痺側前の片膝立ちが容易でありIV・Vでは麻痺側前と非麻痺側前の間には難易度に差を認めなかった。
  • 小山 信之, 木村 哲彦
    1992 年 7 巻 4 号 p. 203-208
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    障害者および健常者の自動車運転にともなう疲労測定を行い、その特徴と差を見ることとした。測定項目として、2系統行ない1系統目としてフリッカー・大脳活動計など機器を用いた測定、そして2系統目として血液検査・血圧変化測定などの医学部門の測定を行なった。なを今研究において実施上データの欠くものも在りその傾向を見るにとどまっている。結果として、機器を用いた測定において、障害者群よりも健常者群に疲労傾向がみられたが医学部門の測定で両群とも疲労を示す値はみられなかった。
  • 楢原 貴雄, 田中 正一, 白土 瑞穂, 明日 徹, 井上 靖朗, 後藤 博史, 稗田 寛
    1992 年 7 巻 4 号 p. 209-214
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    今回我々は体幹の等速回旋運動時の角速度の相違による循環動態変動の相違を調査した。健常入男性8名を対象に一定の時間下(20秒)で3つの角速度における心拍数、血圧の測定を行った。その結果次の知見を得た。(1)心拍数(HR)、収縮期血圧(SBP)、拡張期血圧(DBP)、平均血圧(HBP)の上昇度の各角速度群間の比較で有意差が認められたのは、DBPの60°/s<120°/sとSBPの60°/s<120°/s、90°/s<120°/sであった。(2)回復時間で有意差が認められたのはHRの60°/s<90°/s、60°/s<120°/s、DBPの60°/s<120°/s、MBPの60°/s<120°/sであった。これらの結果より3つの角速度の中で60°/sが循環器へのストレスが少ないと思われた。しかし、実際に訓練や評価に用いるには運動時間を考慮する必要があると考えられた。
  • 岩月 宏泰, 生田 泰敏, 和田 秀彦
    1992 年 7 巻 4 号 p. 215-220
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    慢性期の脳血管障害:患者227例の心電図所見と脳病変、血液生化学検査との関連について検討した。脳病変は脳梗塞132例、脳出血45例、脳血栓4例、クモ膜下出血11例、再発例35例であった。心電図異常の出現頻度は全体の78.4%であり、各障害型ではクモ膜下出血89.5%、脳出血86.1%、脳梗塞84.3%、脳血栓57.1%であった。心電図異常は脳病変に関わらず心箭障害、上室性期外収縮、心筋梗塞、左軸偏位が多くみられた。年齢別では60歳以上で約80%に心電図異常所見がみられ加齢とともに出現率が増加した。また高血圧症、糖尿病と心電図異常との関連では高血圧症のみ合併している者の86.2%、高血圧症と糖尿病を合併している者の81.8%と高率にみられた。
    本研究の結果、慢性期脳血管障害患者では心電図の異常所見が高い頻度でみられたことから、運動療法を施行する際には心電図所見を確認する必要があることが示唆された。
  • 山本 摂, 柴田 典子, 吉村 茂和
    1992 年 7 巻 4 号 p. 221-225
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常成人4例に4種類の運動(右肘関節屈曲伸展、両肘関節屈曲伸展、右膝関節屈曲伸展、両膝関節屈曲伸展)を行わせ、Ventilators Threshold(VT;換気性代謝閾値)を測定した。また、それぞれの運動筋量の推定値として、周径を測定した。その結果、動員筋量が多いほどVTは高い値を示した。このことから下肢エルゴメーターや、上肢エルゴメーター、トレッドミルによるVT測定でそれぞれ異なった値を示すのは筋量動員による違いであることが示唆された。
  • 寺本 喜好, 臼井 永男
    1992 年 7 巻 4 号 p. 227-234
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    脚長差は下肢骨長の短縮、股関節脱臼などの関節変形のほかに骨盤傾斜、脊柱側彎などによっても左右差が起こる。脚長差の発生は直立姿勢に左右屈曲を招き、力学的な不良姿勢を作る一要素になることが考えられる。
    本研究は過去2.5年間に通院した患者を対象に背臥位での脚長差を計測して、脚長差の発生頻度と要因に関して検討を加えた。その結果、発生頻度は極めて高く、右短脚が多く、加齢により左短脚が増加し、両側が短脚の傾向も見られた。要因については形態の異変による脚長差より、骨盤と下肢の筋や関節の拘縮、亜脱臼などによる構築上の異変が多くの脚長差を招いていた。更に腹臥位による背面姿勢分類も試みた。
  • 石井 光昭, 伊藤 清弘, 淺井 八多美, 黒木 裕士
    1992 年 7 巻 4 号 p. 235-239
    発行日: 1992年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    不安定型糖尿病に分類されるIDDM患者に対して、40%VO2maxの運動強度による運動療法を実施した。運動療法開始前と開始後3週以降の成績を比較した結果、空腹時血糖値の低下,インスリン需要量の低下を認めた(p<.05)。また、運動後の補食との組合せにより空腹時血糖値の日内変動幅の減少を認めた(p<.05)。朝食前の空腹時血糖値は、運動療法開始後、経時的に低下する傾向がみられた。
    これらの結果は、(1)末梢組織のインスリン感受性の増大というトレーニング効果をもたらしたこと (2)運動療法開始から数週後に遅延性低血糖が出現する危険があること (3)低血糖出現を予測制御する継続した管理体制が必要であることを示している。
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