理学療法のための運動生理
Print ISSN : 0912-7100
8 巻 , 4 号
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  • 坂本 親宜, 濱岡 健
    1993 年 8 巻 4 号 p. 177-182
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    足関節背底屈筋における筋力の定量化を行なうにあたって,年齢・体重・身長の3因子が筋力に及ぼす影響についての検討を行った.健常女性47名94肢の足関節背底屈筋力のピークトルク値および仕事量を米国ロレダン社製リドアクティブにて計測し,計測された値を3因子で検討した.年齢や体重と筋力の間における相関性は低かったが,臨床で簡易的に活用できる年代別の標準値を算出できた.身長と底屈筋力の間には統計学的に有意な正の相関がみられた.
  • 岩月 宏泰, 寺澤 智子, 細田 順子
    1993 年 8 巻 4 号 p. 183-186
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    当院の人間ドック受診者から40歳以上70歳未満の就労女子160名を抜粋し、各年代別に肥満度と血液検査値、心電図所見の出現頻度について比較した。肥満度は50歳代が最も高く、他の年代も過体重傾向を示した。50歳代以上では40歳代に比べ収縮期血圧、総コレステロールが加齢と共に高値を示した。心電図所見のうち、出現頻度が高かったのは左室肥大、ST、T変化および心室性期外収縮であった。特に左室肥大とST、T変化は50歳以上に高率でみられた。
     以上の結果から、中年の就労女子では40歳代から50歳代にかけて肥満傾向を示し、心電図所見や血液検査で標準値外者が増加したことから、閉経を含めた大きな身体変化が生じていることが推察された。
  • 近藤 照彦, 渡辺 宏幸, 斉藤 智子, 小林 功
    1993 年 8 巻 4 号 p. 187-194
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は、脳血管障害による片麻痺患者男性22名を対象にキャリパー法と超音波法によって全身の皮下脂肪厚を測定し、測定方法の問題点を明かにすること、さらに皮下脂肪厚分布パターンの検討を行い、片麻痺の身体組成に関する基礎的資料を得ることである。キャリパー法による全身の皮下脂肪厚値の平均値は、健側・患側とも全ての部位において超音波法のそれよりも高い値を示した。キャリパー法と超音波法による皮下脂肪厚値の間には、健側の三角筋部のみ有意な相関(r=0.6, p<0.01)がみられたが、他の全ては相関がみられなかった。以上の結果、片麻痺の全身の皮下脂肪厚値は、健側、患側ともにキャリパー法と超音波法に明かな差異がみられ、キャリパー法による測定値は、片麻痺の全身の皮下脂肪厚値を十分に反映していないことが示唆された。また、片麻痺の全身における皮下脂肪厚は、体肢の末梢部よりも体幹の中枢に向かう部位ほど厚く分布するパターンを示し、健常者を対象とした先行研究の結果と一致した。さらに、患側の皮下脂肪厚は、健側のそれよりも厚く分布する傾向であった。
  • 江原 皓吉, 岩崎 健次, 池田 由美
    1993 年 8 巻 4 号 p. 195-199
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    歩行は日常生活で重要な移動手段である.それ故,歩行開始時の運動学的分析を20名の健常成人男子に床反力計を用いて測定した.方法は床反力計の上に立位となり,信号音を聞いたら,直ちに右下肢を一歩前に踏み出すように指示し,3回試行した.この測定は床反力の経時的な変化を重心の移動が始まった時点,垂直分力の重心の移動が最大になった時点,右下肢が遊脚肢になった時点で,各分力の左・右下肢について調べ,また,その再現性についても検討を加えた.
     結果は0.2秒後に重心の移動が始まり,0.5秒後に最大となり,0.7秒後に右下肢は遊脚肢となった.上記の時点で,各試行の各分力の分散分析では有意差は認められなかった(p<005).Spearmanの順位相関係数も3試行の各比較で多くの時点で一致していた.歩行は前進運動であり,一側下肢を遊脚するため,特に立脚肢の支持性が重要であり,運動療法を行なう時,膝折れによる転倒のリスク管理に注意すべきであると考える.
  • 寺本 喜好, 臼井 永男
    1993 年 8 巻 4 号 p. 201-208
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    ヒトは地球の重力や気圧のなかで環境に適合した直立姿勢を維持している。それは二本の下肢で骨盤を支え、脊柱を生理的彎曲に保ち、重い頭蓋を最上端に乗せている。この背面彎曲にはさまざまな形態が見られる。今回、腹臥位姿勢が直立姿勢を形成する基本姿勢になることを想定して、腹臥位において骨盤と腰部の縦傾斜角(背面彎曲)を計測して、その頻度状況を観察した。その結果、骨盤傾斜はとくに女性に顕著であった。骨盤と腰部の縦傾斜角には加齢的変化がみられた。すなわち加齢により骨盤は後傾して腰椎前彎は減少し、腰椎上部の傾斜増加により胸椎後彎が増強していた。そして加齢による老人性の円背姿勢をとる分岐点が定量的に見出された。その要因として椎間板の変性と下肢の屈曲変形が示唆された。さらに腹臥位による側面姿勢分類も試みたので報告する。
  • 岩月 順子, 岩月 宏泰, 寺沢 智子
    1993 年 8 巻 4 号 p. 209-212
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    健常青年を対象に肩関節CPMの装着性を1.設定角度からの偏位、2.装着時の上肢帯筋の筋放電、3.駆動時の血流の変化から検討した。結果:設定角度からの偏位は肩関節屈曲運動で下制位、挙上位とも約10~15°生ずる。外転運動では下制位で約5°、挙上位で約10°であった。肩関節CPM駆動開始時の筋放電では装着側の僧帽筋中部、三角筋中部、広背筋および非装着側の大胸筋にみられた。しかし、CPM3回目には筋放電はみられなくなリ、30回施行時にも筋放電はみられなかった。CPM駆動時の血流の変化は肩関節外転運動の挙上位で減少したが、屈曲では全可動域で血流の減少を認めなかった。
    本研究の結果、肩関節CPMを坐位もしくは立位で使用させる際には機器の固定と上肢サポートの締め付けに注意を払う必要があることが示唆された。
  • 大森 豊, 渡辺 敏, 武田 秀和, 銭谷 嘉純, 山田 純生, 山崎 裕司, 牧田 光代, 深井 和良, 前田 秀博
    1993 年 8 巻 4 号 p. 213-216
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    自転車のクランクを短くし、ペダルの足部位置を変えることで膝ROMを減少させることを試みた。また、その機械効率の低下をVO2,HR,SBP,RPEにより生体反応として測定した。対象は6名の健常男性で、クランクは通常の16.5cmと短縮した12.5cmを使用した。足部位置は中足趾節間関節と踵駆動とした。ROMは2条件の組み合わせ計4種類で側面よりVTR撮影し解析した。通常クランク駆動、通常クランク踵駆動、短クランク駆動、短クランク踵駆動の順に角度が減少し、最小で80-90°で駆動可能であった。生体反応は通常クランク駆動と短クランク踵駆動を比較し、60% PeakVO2までの負荷では差を認めなかった。
  • 飛田 直樹, 軍司 晃
    1993 年 8 巻 4 号 p. 217-222
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    この研究の目的は下肢Brunnstrom Stage (下肢BS)と立ち上がり時間が歩行速度に及ぼす影響について明らかにするものである。方法は下肢機能としてBS、=幹機能として、視覚性立ち直り反応、〓幹・下肢機能として立ち上がり時間をそれぞれ測定した。その結果、下肢BSが高いほど歩行速度が速く、歩行率、歩幅のいずれかが大きくなり、同一下肢BSでは立ち上がり、視覚性立ち直り反応が良好なほど高くなると言えた。実用歩行の条件として、下肢BSはV以上、視覚性立ち直り反応は患側3点、立ち上がり時間は1秒程度であった。
  • 木村 朗, 河村 廣幸, 淵岡 聡, 井上 悟, 林 義孝, 小川 達治, 中原 和也
    1993 年 8 巻 4 号 p. 223-227
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    この研究は呼吸訓練及び運動療法の効果を術後合併症の発生が予想された肺癌患者の術前における最大酸素摂取量をもとに調べた。患者は72歳の女性だった。患者は呼吸機能の低下と全身持久力の障害を持っていた。肺癌の程度はレントゲンによると左下葉(S9)に境界不鮮明と大きさ5.5×6.0cmの不均一の数個の陰影を示していた。理学療法は自転車エルゴメーターを使用した運動負荷試験および、運動療法(25から54までのWattで毎分50回転で10分間、インターバル5分を4回繰返した。これを1日2回行った。)を行った。また他の訓練は身体の柔軟性改善を目的としたストレッチングを5分と、呼吸筋強化を目的としたPFLEXによる呼吸抵抗訓練を行わせた。その結果、開始時点では定常状態の平均の心拍数は98拍になり、Metsは2.9であった。最高運動時酸素摂取量は497ml/分であった。プログラム終了時の定常状態の平均の心拍数は110拍であり、Metsは5.2であった。最高運動時の酸素摂取量は891ml/分となり、終了時は開始時比76%増となった。この呼吸訓練及び運動療法は最高運動時の酸素摂取量を増大し、呼吸機能の改善をもたらせた。
  • 柴田 義貴
    1993 年 8 巻 4 号 p. 229-234
    発行日: 1993年
    公開日: 2007/03/29
    ジャーナル フリー
    医学・科学論文の構成と文体について解説した。伝統的な論文の構成IMRADは読者に方法とデータと結論を正確に伝えるものであり、著者の思考過程を伝えるには適していない。論文の文体は正確さと読みやすさが要求されるが、その絶対的な基準はない。曖昧な表現は間違った引用をされやすい。不正確な引用の仕方や不正確な参考文献の記述は情報を歪める原因となる。
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